~まだ見ぬ荒野へ~
相変わらずのグダグダっぷりです。一応ここで話は終わりなので完結扱いになっています。
アナスタシアがミナミから戻って数日後
「よし、これで全部か」
「まあ、何かあれば戻ってくればいいでしょう」
「み~さん、準備できたよ~」
レオンハルトと伊織と共にアナスタシアは店をでて扉に鍵をかける。
「見送りはどうしたんだ?」
「シグムントはアセリアと一緒にギルドの改装真っ最中で、葛葉はシブヤに戻って街の立て直しをするそうです」
「そうか、まあ···いつも通りといえばいつも通りか」
「そうですね」
三人が旅立つ事は事前に伝えてあったが、二人は見送りに来なかった。数日前に話したときにはこんなことまで言っていた。
「『旅立』と『別れ』は別だ、またいつか再会するのだから
見送りは必要ないだろう」
「帰ってくるまでにシブヤをアキバに負けないくらい立派にしてみせるから
楽しみにしててね」
この二人は昔からこんな感じである、レオンハルトが母国へ帰る事になり<軌跡>が解散することになると告げたときも。
「国に帰ってもエルダーテイルをするなら、いつでも会えるさ」
「そうそう、解散じゃなくて規模縮小って方が正しいんじゃない♪」
そう言って、また会うことを疑っていなかった。実際<軌跡>はサブマスであった鷹宮が管理運営を続けていたので解散はしていない。その他のメンバーはアキバの他のギルドに所属したり、レオンハルトと同じように母国のサーバーに戻り、別のギルドに所属したりしている。
「でも、アナスタシアが海外に付いてくるのは意外だったな···」
「そうですか?」
「店の事もあるし、残ると思っていた」
「店の合鍵はシグムント逹に渡していますから、何かあればシグムントがなんとかするでしょう」
「伊織も、いいのか?」
「み~さんが行くっていうんだから仕方ないわよ」
伊織はこんなことを言ってはいるが、アナスタシアがレオンハルトと共に海外に渡ると告げたときに付いていくと素早く反応していた。何があるか分からないのでアキバに残るべきだと言ったが聞き入れず、アナスタシアが海外に渡る事情を説明したが、全くの逆効果だった。
「み~さんが元に戻る方法とかを探しに行くのに付いていかないわけないじゃん」
「まあ、楽しい旅にはなりそうだがな」
レオンハルトに頭を撫でられ、子供扱いするなと膨れっ面になっていたが、直ぐに笑みを浮かべ振り返った。
「二人よりは三人が楽しいじゃん♪」
「だな♪」
レオンハルトが日本に戻ってきて、ギルドの規模も縮小していたので、一緒にパーティーを組んでいた相手と言えばアナスタシアと当時まだ初めたての伊織だった。伊織に付き添ってセルデシアを何度も行ったり来たりしていたが。
「今度はリアルで行ったり来たり」
「俺は楽しいけどな」
「私も楽しい」
「はいはい、じゃあ街の外へ行きますよ」
龍を呼び出すには街は危険なので、アキバの少し北の平原へと移動し、そこで呼ぶ事になっている。
「今の世界で海外に行くっていうのも中々の大冒険だな」
「ヤマトには魔法文明の遺跡が少ないので仕方ありません」
「船旅でもいいかもしれないけど、クラーケンとか出そうだよね~…」
「ナカス辺りで釣りをしててマーメイドが釣れたのには驚いたが」
「それは初耳です、スゴいもん釣りましたねまた」
のんびりと会話をしながら歩くこと数分、目的の平原にたどり着くと。
「やれやれ、先回りとは」
「ま、いいんじゃないんです♪」
「シグさん、アセリア、葛葉姉さん」
そこには、アキバでは見送りに来ないと言っていた面々が集まっていた。どうやらアセリアに引っ張られて来たらしい。しかし、満更でもなさそうなので、始めっから先回りして見送るつもりだったのだろう。
「面白いイベントがあったら遠慮なく呼んでくれ」
「またね♪」
「何かあったら念話してね、私じゃエルダーテイルの事はわかんないかもだけど
話くらいは聞けるから♪」
其々の再会への挨拶を交わし、アナスタシアが空へ手を掲げると。全長数十mの龍が空から舞い降りてくる、アナスタシア逹三人は龍の背に乗ると。
「ロンバルディア、海外までお願い」
『心得た』
「んじゃ、またな♪」
「またね♪」
『しっかり掴まるがよい、参るぞ』
ロンバルディアが翼を轟かせ空へと舞い上がる、空高くを駆け抜けその先を目指して飛んで行く。
「さて、まだ見ぬ大地を目指して」
「ああ、遥かなる空の彼方へ」
「しゅっぱ~つ♪」
《~まだ見ぬ荒野へ~》
完結するにしても、もうちょっと話を纏めればいいのにと相方に怒られました。
仕方ありません、元々グダグダ上等で始めたわけですから。海外遠征組の話がその内出来るとは思うのですが、載るかどうかは分かりません!?。
載せたとしても完結扱いのまま暫くはやっていく気がします。




