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「よ。カズマ」
「おまたせ。久しぶり」
「おぅ」
「注文決まった?」
「うん」
「じゃあ……すいませーん。……中生一つ」
「あ、おれもそれ」
「じゃあ二つ。とりあえず、以上で。お願いします」
「……。眼鏡変えた?」
「そうゆうシンちゃんは髪染めたね」
「おぅ。一回派手にしてみたくてさ。就職する前にな」
「うん。似合ってる。……あ、ビール来た」
「一緒に酒飲むの初めてだな」
「昔っから『大人になったら一緒にお酒飲もう』って言ってたもんね」
「あぁ。……乾杯。誕生日おめでとう」
「ありがとう。乾杯」
「(ゴクッゴクッ……)うめぇ~!!」
「うまいねぇ~」
「初めて会ったのが八才とかだから、もう十二年になるのか」
「そうだね。……あっという間だったね」
「あぁ……」
「……やっぱシンちゃんと遊んでる時が一番気を使わなくて楽しいよ」
「なんだよ、急に」
「まぁもう付き合いも長いしさ。たまにはちゃんと言っとこうかなって」
「よせよ。恥ずい」
「いいじゃん。……シンちゃんと友達になれてーー」
「よせってぇ。……言葉に出して言わなくたって、伝わることはあるよ」
「そうかな。ぼくは言葉にして伝えるべきだと思うけどね。……シンちゃんと友達になれてよかった。いつもありがとう」
「……ほら変な空気になったじゃんか!」
「ふふふっ」
「はははっ。わかった、わかった。もうその話終わりな。飯頼もうぜ」
「うん」