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「よぉカズマァ」
「もぅ、遅いよ。シンちゃん」
「わりぃ。松下に捕まっちゃってさ。ちゃんとシャツ、ズボンに入れろとか言って。あいつうるせぇんだよなぁ」
「ふふ。シンちゃんは松下に目を付けられてるね。完全に」
「……さみぃな」
「うん」
「……でもおれ、冬好きだなぁ」
「うん、ぼくも」
「暑いよりいいよな」
「うん。暑くても、脱ぐのには限界あるけど、寒かったら着込めばいいんだもんね」
「このやりとり何回してんだ……。本題。……どうだった?」
「…………。ダメだった。フラれちゃったよ」
「はぁ!? まじかよ……いい感じだったじゃんか……」
「ねぇ。ぼくもいい感じで仲良くなってたと思ってたんだけどさ」
「なんて言われたん?」
「好きな人がいるんだって」
「……まじか」
「うん。……なんか色々相談のってもらってたのにさ。ごめんね」
「……謝んなよ」
「……うん」
「……ほら。これ。どっちがいい」
「え……いいの?」
「うん。おごるよ。おめでとうって事で買ってきたんだけどな。はは。まぁ、ドンマイ」
「ふふ。……ありがと。じゃあコーラで」
「ん」
「(ゴクッ、ゴクッ)……寒いね」
「寒いな」
「ふふっ……」
「はははっ……」