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僕とポルターガイスト

始めの異変は、このような事だった。

 大学に上がって、一人暮らしをするにあたり買った、毛玉まみれ布団が宙に浮いた。友人が起こしに来た訳でもないのは見て分かった。寝ぼけ眼には外的作用など一切無いようなふうである。

 妙だ。幽霊でもいるのだろうか?もそりと立ち上がり、布団に触ってみると、ぶふぁと無様な音で僕の上に落ちてきた。見かけ倒しだな。それが素直な感想だった。

 その日は、時間が家を出る時間に迫っていたので登校の支度を始め、足早に家に去った。

 次の異変はこうだった。

 それは喫茶店で優雅に飲み物を飲みながら、席を4席ほど離し、愛しのあの子が頼んだメニューを観察していた時だ。

 これはあくまでたまたま今日だけだったのだが、言い訳はこの位にしておく。あの子はナポリタンが好きなのかなあ、とか考えていたら、僕の席はいつの間にか彼女の隣の席に移動していた。おかげで僕は彼女の頼んだ、何の変哲も無いナポリタンを凝視する変な男として、なんとも微妙なファーストインプレッションを与えてしまった。

 この他にも、講義中に髪の毛の一束が妖怪アンテナのように不自然に立っていて、元より髪の長めだった僕のあだ名が鬼太郎にされてしまったこともある。春の陽気に大学の中庭でベンチに座り、桜を眺めていたら、お気に入りのスカイブルーのカーディガンの両肩から下が急に弾けとんで、北斗の拳のようなファッションになってしまったこともあった。

 始めの異変から3週間がたった今、やっと僕は一連の異変が、スーパーナチュラルな案件であるのだと察した。

 そして今、僕はある場所に来ていた。テカテカと効果音が字で浮かびそうな金ぴかの、しかし小さな平屋。看板には、『みひろ・ダンディーの心霊研究室』。その脇に小さく被験者募集と書いてある。僕が立候補してやろうと思う。


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