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追放された少年  作者: 誰か
回想:帰還編
78/150

『魔王』

章間的な何か

こういうの以外にもサブタイつけようかと一瞬考えたけどセンスないから無理でした

 私は最低だ。

 二年ぶりに見たクロノで分かった。

 私はクロノを、最愛の息子を、『代用品』として見てるんだって。いや、最愛なんて言葉も誤魔化しだ。

 何となく、気づいてはいたんだ。初めて会った時から。私が眼を背けていただけ。

 初めて会ったのは森の中だったか。

 まだ、その時はうっすらとした予感だったかもしれない。

 それが今は、確信出来る。

 私にも語らないクロノの名前はもう、聞くまでもない。

 つくづく神様ってやつは意地が悪い。私にあの子を会わせるんだから。

 神様死ね! と、声を大にして叫んでやろうか。

 いや、死ぬべきは私か。

 私の心の風景にはいつも、雨が降っている。

 止まない黒煙の雨。眼前に広がる瓦礫。人の気配はない。

 そこに私は立っている。

 顔も、手も、足も、赤に染まる。表情はどんなものだったか、私には思い出せない。

 無我夢中だった気もする。

 本当に『魔王』としか言いようがない。いや、RPGの『魔王』でもここまでやらないか。

 私が『魔王』だとするならば、それを倒す『勇者』は彼なんだろう。

 むしろ、彼以外にやられる気はないが。

 私は彼に懺悔しよう。そんなことを、させようとしていることを。

 彼と共に残された寿命をこちらで生きるという手もあったけれど、私はそれを選ばない。

 それを選んだら、今までの自分が否定されてしまうから。

 ああ、自分勝手。ほんっと私って最低ね。

 

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