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追放された少年  作者: 誰か
幼年期
2/150

第一話

後々2話になるかもしれません

こういう名字って前と後ろどっちに付ければいいんですかね?


 部屋の真ん中には豪奢な作りの机と椅子。壁際には本棚が並べられ、ぐるりと机を囲むように配置されている。

 椅子に腰かける堂々とした父上。風格すら感じさせる。初めての来訪者であれば萎縮してしまうだろう。何十回と来ている僕ですら萎縮してしまいそうになるのだ。

 僕はこの雰囲気が苦手でしょうがなかった。息苦しいというか、胸が締めつけられるというか、何とも居心地の悪さを感じてしまう。

 それは、僕がここで受けてきたことに起因するものなのかもしれない。ここで僕が居る時行われるのは只一つ、罵倒だけだ。

 憂鬱な気分で目の前に座る父上に視線を向ける。

 父上は首を擡げ、冷めた眼をしながら僕を見つめていた。


「クロノ、お前は我がユースティア家には相応しくない、今すぐ出て行け」


 書斎について早々、父上にそんな事を言われた。

 何を言われてるのか理解が追いつかない。

 出て行く? どこを?

 頭の中では数え切れぬほどの疑問符が浮かび上がる。

 混乱する僕を尻目に父上は続ける。


「一応多少の路銀くらいは持たせてやろう。今から部屋に戻って準備してきなさい」


 ようやく事態を理解出来た僕は、必死に父上に食い下がる。


「ま、待ってください、なっ、何でもしますからこの家にどうか居させてください」


 しかし父上はフンと鼻で笑った後、こう言い放った。


「ならん、これはユースティア家当主としての命令だ、逆らう事は許されない、とっとと支度せんか!!」


 当主からの命令はこの家に居る限り逆らう事は出来ない。当主が出て行けと言うのだから出て行くしかないのだ。

 父上は現状を理解し呆然と立ち尽くす僕に対し


「分かったら早く出て支度してこんか! 終わったら私の元に来なさい。早くせんとその身一つで放り出すぞ!!」


と、声を荒げて不快そうに怒気を露にした。

 そしてそのまま、書斎から退出させられた。


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