~プロローグ~嫌悪する少女
短いです。一応フラグ。この設定は最初から決めてたり。
憎い 憎い 憎い
あの男が憎くてしょうがない。視界に入れる事すらも嫌でしょうがない。
私の日常を奪ったあの男。私が最期に目に焼き付けたあの男。
うだるような暑い日の夏。突如現れて全てを奪っていったあの男。
「・・・げろ。・・・!!」
今でも脳裏に浮かんでくる兄の最期の声。どうしてあの時私は、ドアの外をしっかりと確認しなかったのか。
確認さえしていればあんな事にはならなかったはずなのに。
いくら考えても時間は戻らない。
あの事を忘れようと決め、ここで精一杯生きていこうとしたはずなのに。
またしても、あの男が私の前に立ちはだかる。そんな自分の運命を呪った。
何度殺してやろうかと思ったか分からない。だが自分にはそんな力なんてなかった。
いくら天才だなんだと言われても、あの男には届かない。
絶対的な力の差。自分の無力さに歯噛みする。ああ、どうして私にはこんなにも力が足りないのだ。
あの男がここにやって来た瞬間一目で分かった。見紛うはずもない。
たとえどれほどの時間が経とうとも、絶対に忘れようがないあの顔。
吐き気がした。普通に話しかけてくるあの男に嫌悪感しか感じられなかった。
ここに来てあの男はとても大人しくしていたが、それでも私にはあの男に対する嫌悪感を捨てきれない。いつか必ず何かしでかすと、確信を持っていえる。
これ以上家族を失いたくない。
今でも、私はあの男が嫌いだ。
あの男を殺すために、今日も私はあの男について回る。




