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追放された少年  作者: 誰か
少年期
17/150

第十四話

ど、どうしてこうなった

五日でお気に入りが百件を突破しとる(驚愕)

ただただ感謝です

少年期終了かな?

小説投稿がハイスピード過ぎて腰がぁぁ・・

更新ペース落ちるかも




一ヶ月間僕たちは色々な国を回っていた。

かーさんが本当に何者なのか不思議なくらい。 (レオンハルト王国には行かなかったが)

行く先々で王とは知り合いだし。

そのどれもが、頭が上がらないようで。

受ける待遇も国賓のような扱いになる。

只一つ問題なのは・・・


毎回テレポート先が謁見の間ということだ。



テレポートすると毎度毎度その国の騎士団に剣を向けられてしまう。

もう慣れて動じなくなったが。

そして大抵試合をすることになる。

僕が。



試合をするのは、どれもが腕に覚えのある騎士団長や部隊長のようで皆僕の見た目をみて舐めきっている。

しかし、迷いの森にでる魔物以下の実力しかない彼らなど敵ではなかった。

毎回のように剣と鎧を砕き首筋に剣を当てる。

もはやそこまでがお決まりの動作で慣れてしまった。

使うのはいつも一本の剣だ。

もう一つ腰に差している方は使わない。

二本ともかーさんから譲り受けた剣だ、いつも使っている方はエクスうんたらとかいうらしい。

名称が曖昧なのはかーさんから聞かされたのがエクスうんたらであるからだ。

かーさんは全く名前を覚えていなかった。

たまに悪魔だなんだと言われることがあったが、そこは王様の一言ですぐに沈静化する

賢明な判断だ。

僕はともかく、そんなことを言われた時のかーさんの目には漏れなく本気の殺意が宿っていたからだ

下手したら国を滅ぼしかねない。

ここまでの旅路で分かった事は僕がかなり強いということだ。

かーさん曰く


「だーから、クロノは今世界で二番目に強いのよ?クリアした後に出てくる隠しダンジョンのような迷いの森で私が鍛えたあなたが負けるわけないでしょ  一番はもちろん私だけど。」


クリアやら隠しダンジョンやら、意味不明な言葉が聞こえたが僕はかなり強いというかーさんの言葉は嘘ではないようだ。

世界で二番目かどうかは置いておいて。


「じゃあどうやったらかーさんに勝てるのさ?」


「うーん私はクロノの十倍くらい強いからー、クロノが十人いれば危ないかもね。」


「十倍って・・・・まだまだ僕は弱いね。」


「そんなことはないわ、普通の人間が私を倒すのには何兆でもたりないのよ? それを十人で済むクロノは間違いなく最強よ。私を除けば。」


長い黒髪を揺らしながら答える。

本当に規格外すぎる・・

横に立つかーさんは縫い目もなく腰のあたりで布を巻いた不思議な服を着ている。

ワフクというらしいこれまたかーさんの国の物だ。

お気に入りのようで三日に二日はこの服で過ごす。

流石に街に出る時はかなり目立つので着て行かないが、確実に似合っている。

近くに男がいれば百人中九十九人が振り返るであろう美しさ。

しかし、ここには男どころか人間が居ない。

なぜなら



目の前には黄色い瞳をもった緑色のドラゴンが横たわっていたからだ。




一ヶ月色々な国を回った後


「さて、そろそろ真面目に旅でも始めましょうかねー」


「今までは真面目じゃなかったんだ・・」


「そりゃーね、顔合わせみたいなもんだし。」


かーさんはけらけらと笑いながら続ける。


「こっからは、テレポート使わずに歩いて世界を回るとしましょうかね。」


「へぇ?目的地とかあるの?」


「うーん特に無いわよ、とりあえずこの国の東の方にドラゴンがいるらしいから、ちょっと行ってみましょう?」


「いきなり!?」


驚きながらも一周間かけ、東方にあるやけにでかい洞窟へと向かった。

中は不自然に広く明らかに自然に出来たものではない。

奥へと進んでいくと、緑色のなにかが蠢いていた。

それは紛れもなくドラゴン

ドラゴンとは魔物に分類され、魔物の中でも最上位の強さを誇っている。

最下級のドラゴンでもSランク相当という、他の魔物とはレベルが違う。

ドラゴンがこちらをちらりとみる。


「グォォォォォォッッ!!!」


咆哮が洞窟の中に響き渡る。

敵として認識されたらしい。

剣を構えようとしたら




そこには横たわるドラゴンがいた


「ふぅー、ドラゴン相手とかひっさびさー まあ命までは奪ってないけどさー。」


先ほどとは打って変わって緊張感の無い声が洞窟に響く。

下には声にはそぐわない凄まじい光景が広がっている。

規格外のかーさんの強さを、改めて見せつけられた僕は呆然と立ち尽くすことしかできなかった・・・




(さーて、これからどうしましょうかね?)

長い黒髪を揺らしながら、黒髪の女性景浦朱美は考える。

この一ヶ月で各国に対するアピールは終わった。

行く先々で名前を告げると王様の態度が変わる。

それが何を意味するのかをクロノは知らない。

元々予定であればこれからはクロノと、ある材料を集めながらクロノの見聞を広めるために旅を予定するつもりだったのだが・・

(ここまで私に依存しているとはねー 嬉しいっちゃ嬉しいんだけど、私がいなくなった時の事を考えるとこのままじゃ駄目ね。)

この一ヶ月常に後ろをついてきたクロノ

それは自意識が足りないんじゃないかと思えるほどだった。

(迷いの森に居た時はそんな事なかったのにねぇ。)

自分から離れさせなければならない。

(ちょっと悲しいけど親離れも必要よね。)

そう考えると、クロノにはこれから一人で旅してもらった方がいいだろう。

だがクロノは三年も迷いの森で生活していたのだ、世間の事をあまり知らないがゆえになにかまずい事に巻き込まれるかもしれない。

そこらへんの人間にクロノをどうにかできるとは思えないが、一応案内人のような者を付けておきたかった。ここら辺が朱美が親ばかたる所以だったりするのだが、本人は気付かない。

そんな折、最後に訪問した王様の言葉を思い出す。


「この国の東方に緑色の巨大なドラゴンが棲みついてしまっていてな、良ければ倒していってくれんか?」


その時は面倒くさいからバッサリと断ってやったが、これは使えるかもしれない。

ドラゴンの中には知能があり喋れる種もおり、何より長生きで人間を長く見てきたであろうから案内人としてはうってつけだ。そして、ドラゴンには強者に従うという掟がある。

自分が倒してクロノの案内人になるように言えばいいのではないか?

万が一喋れない種だったとしても、王様に恩を売れる。

早速、意気揚々とクロノを連れ東方へ向かった。

実はドラゴンは人を好まず世間の事など知っているわけはないのだが、そこまで朱美の考えは回らなかった。








 

「~は間違いなく最強よ。私を除けば。」




規格外なかーさんはそう告げた後なにやら呟いている。

手が青白く光っている、光属性の治癒術ヒーリング

僕も最初はあれにお世話になったものだ。

今の戦闘で怪我でもしたのだろうか?そうはみえないが・・・

すると突如ドラゴンが起き上がった。

再び剣を身構えたが襲いかかってくる気配はない。



「そうねー、あなたになら任せられるかも。」


「ふぅむ、貴様がいっていたのはあの子供のことか?」


「そーなの、とっても可愛いでしょー?」


「儂には人間と同じような美的感覚はないのだが・・」


「可  愛  い  い  で  し  ょ  ?  」


「う、うむそうだな」


ドラゴンが喋った?

必死に頭の中の記憶を引っ張りだす。

(そういえば上位のドラゴンには喋れる知性を持ったやつがいたな・・)

かーさんとなにやら会話している。


「クロノー、これからこの子をあなたに預けるわ これからはこの子と旅しなさい。」


は?

いきなり何を言っているのだろう?


「そんなわけでよろしくねードラちゃん。」


「ドラちゃんとは儂の名前か?敗者に口を出す権利はないが・・」


「そうよークロノをよろしく頼むわ、あなたより強いけど。」


ここまで話すかーさんとドラゴンの会話を聞いて状況を整理する。


「えっ?かーさんはどうするの?」


「私はやることがあってね、二年後また会いに来るわ。」


「二年って・・・・僕も行くよ!!」


この三年いつも近くにかーさんがいた。

今の僕にはかーさんがいない生活が考えられなかった。


「だーめ、あなたはこれから自分の世界を見て回らないとね 大丈夫あなたならだれにも負けないわ

子離れ親離れの時期がきたのよ。 詳しい事はドラちゃんに話してあるから。」


「そんな、そんなのって・・」


涙が止まらない

今まで僕にとってかーさんは唯一の家族であり。

一番大切な人だ。

その人がどこかへ行ってしまう。


「男の子なんだから泣かないの ね? それにもう会えないわけじゃない、二年後絶対会いに来るからね。 じゃあ」


そういって左手をあげ消えたかーさん。

テレポートを使ったのだろう。

消える直前左手には朱と黒の指輪がとても美しく光って見えた・・・・・














少年の泣き声が洞窟内に木霊する。

その声はいつまで経っても止みそうになかった・・・










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