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追放された少年  作者: 誰か
少年期
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第十一話

(えーっと、どうしてこんなことになったんだっけ?)

 目の前には剣が何本も向けられている。

 騎士風の男たちが殺気立ちながら僕とかーさんを取り囲んでいるのだ。

 大きい広間。白を基調とした豪華な作りの部屋。

 部屋の中には小さな階段がありその上には、赤い絨毯が敷かれている。

 目線を上へ向けると階段を上がったところには、見た事もないような豪華な作りをした椅子に座った初老の男性が佇んでいた。

 とあるところを除けば厳格そうな只のおじさんだった。



 金の王冠を頭に被っていることを除けばだが。




 少し前。

 僕らはかーさんの転移魔法テレポートでどこかへと跳んだ。

 テレポートとはかーさん専用の転移魔法で、普通なら何人もの魔術師が居ないとできない術式転移魔法であるが、かーさんは一人でやってのけてしまう。

 炎水土風闇光。

 属性とは一人一つにしか適性がないとされている。

 この全ての属性に適正があるかーさんは本当に規格外だ。

 そんなかーさんのテレポートで跳んだ先がここだったわけだ。

 登場するなりいきなり騎士風の男たちに剣を向けられた。

 テレポートは本人が行ったところにしか転移出来ないらしい。

 つまりかーさんはここに来たことがあるわけだ。

 この王城のようなところに。

 まあ、なにか解決策があるのだろうと思い、かーさんの行動を待った。


「おーい、クライス。私にこんな兵を向けるとはどういう了見なのかしらー?」


 間の抜けた声が広い部屋に響く。

 瞬間騎士風の男たちに緊張が走ったのがみえた。


「き、貴様、陛下を呼び捨てにするとは!!」


「はぁー? クライスのぼーやを呼び捨てにして何が悪いの?」


 騎士のリーダーらしき男が声を荒げた。

 やはりここはどこかの王城のようだ。

 かーさんは本当に何者なのだろう?


「大体さぁー、あんたらも何私と可愛い息子に剣向けてるわけ?」


 いや、王城に突然あらわれた僕たちが剣をむけられるのは当然です。

 かーさんに内心つっこみをいれる。口にはださない。

 ここで突っ込むのはあまりにも場違いだろう。


「不審者に剣を向けるのは当然であろう!! 者どもこやつらを引っ捕らえい!!」


 リーダーらしき男が指示すると取り囲んでいた男たちは一斉に斬りかかってきた。

 剣を抜こうとしたその時


「やめんか!!」


 声が突如上から降ってきた。

 威厳のある重苦しい声だ。


「しかし陛下!!」


「その者たちは私の客人だ」


 斬りかかってきた男たちはいまだに剣を構えながらも、じりじりと後ずさりして離れていった。


(ったく最初からやりなさいよ、相変わらずのろまね)


(しょうがないじゃろう、突然現れたお主が悪い)


 頭に声が響く。

 かーさんの専用魔法テレパシーだ。

 おそらく王様と話しているのだろう。

 僕まで繋げている意味はよくわからないが。


(ほーんと爺くさくなったわねぇー、昔はあんなにちっちゃかったのに)


(そういうお主は変わらんな あの頃から全く変わっておらん)


 それはまるで旧友同士のような会話だった。

 王様は四十代後半くらいか。ますますかーさんの年齢が気になる。

 前一度訪ねた事があったが、寝床に連れていかれてからの記憶がない。それ以来タブーだと思い聞いていなかった。


(まあいいわ、許してあげる。今回は息子を紹介しにきただけよ)


(ほう、お主の息子とな。)


(とっても可愛いでしょ?)


(そうじゃのお主に似ず素直そうじゃ。それに大層整った顔立ちじゃの)


(なーにかいったかしら? 十二歳までおねしょしてたクライスくーん?)


(い、いや 素直そうないい子じゃな)


残念王様。僕に聞こえている。


(よろしい。それと今晩泊めてもらいたいんだけど)


(それくらいなら大丈夫じゃよ)


(んじゃ頼むわねー)


 テレパシーを終えたかーさんのほうを見ると、ニンマリとこっちをみていた。

 王様の秘密を喋ったのは確信犯か

 哀れな王様に同情する。


「私の客人たちを客室にご案内せい」


 皆戸惑っている。

それもそのはず、黙っていたかと思えば、いきなりこのようなことを言い出すのだ。無理もないだろう。


「へ、陛下しかしこのような怪し」


「いいから案内せい!」


 ちょび髭を生やした大臣だか宰相? のような男の言葉を遮って命じた。

 その言葉には先ほどかーさんと話していたような、親しみはなくどこまでも厳格で威厳のある声だった。

 その言葉にようやく動き出した使用人たちに案内され、僕たちは客間へと向かった。




 広い廊下を歩く。

 これまた白を基調とした綺麗な廊下だ。

 目の前では、黒いタキシードを着た若い使用人が僕たちを先導していた。

 歩きながら隣を歩くかーさんにさっきのことを小声で問いただす。


「あれわざとやったでしょ?」


 あれとは王様の秘密のことだ。

 かーさんは悪びれた様子もない。


「なんのことかにゃー?」


「はぁ、それにいきなり王城が転移先なんて…」


「おっ、流石我が息子王城だって気づいたかー」


 そりゃあ陛下なんて言ってれば気づくよ。


「それに王城とかにも慣れとかないと、これから私の知り合いの王家の国全部回る予定なんだから」


「ええっっ!?」


 かーさんにはまだ王家の知り合いが居るのか。

 これからの事を考えると溜息しか出なかった。




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