浮気された次期宰相と公爵令嬢は結ばれるわけにはいかない
「ロザリンデ・アドニス! 貴様との婚約はこの場で破棄する!」
煌びやかなパーティー会場で、怯える女性を引き寄せた王子の声が高らかに鳴り響く。
皆の視線が集中した公爵令嬢は、凛とした佇まいでそれを見つめ返していた。
***
「あなた、このままだと牢獄行きですよ」
遡ること一月前、ロザリンドは王宮の廊下で背後から声をかけられ、覇気のない顔つきで振り返った。理知的な眼差しが印象的なその男性は、ニッコリと笑うと名乗る。
「直接お話をするのは初めてですね。マティアスと申します」
「エルテー侯爵家の……」
未来の王妃として国内の貴族はおおよそ把握している。彼は確か名門エルテー家の中でも飛びぬけて聡明な頭脳の持ち主とかで、次期宰相と噂されている令息ではなかっただろうか。
「えぇ、そしてあなたを断罪するパーティーを進めている責任者です」
何でもない事のように言われ目を見張る。少しも動じた様子の無い彼は、片手を広げるとこう言った。
「手を組みませんか、あなたをこの状況から救い出す手があるんです」
場所を変えたいと言うので、邸宅のサロンへと招く。
お茶を一口飲んだ次期宰相は早速とばかりに、ロザリンドが今置かれている状況を説明し始めた。
「王子の婚約者・ロザリンド嬢。由緒正しきアドニス公爵家のご令嬢ですが、近頃、真実の愛に目覚めたクルツ王子のお相手ニナ嬢に嫉妬し、たびたび嫌がらせを繰り返している――」
「っ……」
「お嬢様……」
心配そうに寄り添う侍女を手で制し、ロザリンドはしっかりと背筋を伸ばした。
「全くの事実無根です。わたくしはそのようなことは断じてしておりません」
「ええ、存じています。濡れ衣ですよね?」
当然とでも言いたげな返しに面食らう。マティアスは紅茶のカップを揺すりながらこう続けた。
「あなたは世間で流行りの小説に出てくるような『人の恋路を邪魔する意地の悪い令嬢』、そんな役目を押し付けられた……悪役令嬢とでも呼びましょうか。はめられたと私は認識しております」
ごくりと喉を鳴らしたロザリンドは、緊張の面持ちを崩さぬまま問いかけた。
「それで、どうしてマティアス様はそんな悪役令嬢と手を組もうなどと?」
「それはね、王子の浮気相手のニナ嬢が私の婚約者だからです」
ニッコリ。どこか気迫の乗った笑顔で返され、思わず「えぇ……」と、声が漏れ出る。
そんなロザリンドの向かいで、彼は重たい溜息をつきながらカップを戻した。
「つまり私とあなたは同じ被害者。私もいい加減あの王子に愛想が尽きました。浮気しているのが部下の婚約者とも知らず、よりによってその本人に相談をするような奴ですよ」
まさか自分の婚約者、ひいては未来の国王がそこまでアレとは思わなかった。
ロザリンドは痛む頭を押さえていたが、遠くから見かけた二人の姿が頭をかすめて顔を曇らせる。
「今から一月後に行われるパーティーで、王子はあなたとの婚約を一方的に破棄するつもりです。このままで良いのですか?」
マティアスの真剣な問いかけに、痛む胸元をギュッと握り込む。
王子はニナ嬢を心の底から愛おしそうに見つめていた。自分と居るときは見せたことの無い安らぎに満ちた表情で……。
「マティアス様……二人が本当に真実の愛を見つけたと言うのなら、わたくし達は素直に身を引くべきなのではないでしょうか?」
やっとの事で絞り出した声は、思ったよりは震えていなかった。その事に安堵し、口の端を吊り上げる。心がきしんだ音がしたが聞こえないふりをした。困ったような笑みを浮かべて晴れやかに言ってのける。
「そうです、悪役の汚名をあえて背負うのも、相手を想えばこそですわ」
客間に長い沈黙が降りる。ああでも、これで良かったのかもしれない。
だが、いい加減反応がないことにあれ? と、目を開けたロザリンドは、そこにあった表情に固まった。
「……」
マティアスはとても貴族令息とは思えないような、ひん曲がった酷いしかめ面でこちらを見ていたのだ。
地の底まで落ちるようなため息を吐いた後、パッと顔を上げた彼は作り笑いの表情になっていた。
「えーとですね、いいですか? 婚約とは契約です。お互いの家名を背負い、重責が伴うというのは、あなた自身がよくご理解している物と思いますが」
「それは……そうですけど……」
おどおどと答えた瞬間、彼はテーブルに拳を勢いよく叩きつけた。ティーセットと共にロザリンドが少し浮く。
「ならば分かるでしょう、それをゆきずりの恋などという不確かな物で反故にするのは、重大な裏切り行為に他ならない! ましてや大衆の面前で晒し上げようなどと……これだけ誠実な婚約者の気持ちを踏みにじるような奴に、国の未来が託せますか!?」
切れてしまいそうなほど目を吊り上げた彼は、立ち上がりこちらに手を差し伸べた。
「あんな低俗な奴らの為に、あなたが泥をかぶる必要はどこにもない! 自覚して立ち上がれ、あなたは被害者だ!!」
その言葉を聞いた瞬間、これまでの場面がフラッシュバックする。
婚約者のいる殿方にするふるまいではないと、注意した時に涙目で反論され一人悪者にされたこと。
切り裂かれたドレスを抱え、こちらを一心に見つめてくるニナ。
どんなに違うと訴えても、煙たそうに逃げて回る婚約者。
少しずつ減っていく社交界への招待状。
エスコートしてくれない王子。
陰からひそひそと聞こえてくる令嬢たちの冷笑。
耐えればきっと道は開けるわと、優しく励ます母のやつれた頬。
(被害者? わたくしが?)
心のどこかでは、王子の心をつなぎとめて置けない自分がダメなのだと思っていた。
だがそれは違うと、目の前の男は手を差し伸べている。
「……!」
にじみかけた涙を払い、顔を上げた令嬢の瞳に闘志が宿った。立ち上がり、迷いなく言い放つ。
「わかりましたわ、公爵家の娘として泣き寝入りするような真似はいたしません」
それに満足そうに目を細めた男は、ニッコリと笑った。
「いい眼差しです」
見せたい物があると言う彼に連れられ、屋敷の外で待たせてあったエルテー家の馬車の前まで行く。扉を開けると、中から猿ぐつわを噛まされ全身を縛られた男が転がり出てきた。
「ん-っ、むううう!」
「きゃあ!?」
浮浪者にしか見えない薄汚い男にロザリンドと侍女は短く悲鳴を上げる。
それを面白そうに見やり、聡明な男は笑った。
「彼を使います」
***
「どうした、言葉も出ないか!」
勝ち誇ったように壇上から見下してくる王子に、ロザリンドは意識を戻した。
そうだ、ここは断罪パーティーの真っただ中。背筋を伸ばし、完璧な所作でドレスの裾をつまみ腰を落とす。
「かしこまりました、謹んで婚約破棄を受け入れます」
「は?」
「何か?」
「……は、はは、いや、わかればいい」
少し拍子抜けしたように笑う王子の顔をチラリと見たロザリンドは、マティアスの言葉を思い出していた。
――いいですか。残念な王子……いえ、残念なことに王子は、お花畑女に妄言を吹き込まれてあなたの悪行が真実だと鵜呑みにしています。
「つまりは、ニナに嫌がらせをしていた事実を認めるんだな!?」
予想通りの言葉に姿勢を直し、落ち着いた態度のまましれっと返した。
「いいえ? それに関しては全く。何一つ証拠がありませんもの」
「……は?」
王太子妃の証であったティアラを外したロザリンドは、結い上げていた髪を馬鹿らしいとばかりにグシャグシャとかき乱し下ろした。
「クルツ王子、此度の婚約破棄は国王様のお許しを頂いた上での事ですか? まさかとは思いますが、独断で公爵家との約束を違えるような真似をしているのではありませんよね?」
「え? それは、その……」
「っ、あなたがしてきた事をご存じになればきっと陛下も賛同して下さるはずですっ」
しどろもどろの王子の側から、気丈に振舞うニナが進み出る。それを見たロザリンドは冷ややかにそちらを見やり、ふぅとため息をついた。
「殿下、大衆の空気の扇動とは恐ろしいものですね。そちらの方は公爵令嬢のわたくしと比べれば圧倒的に弱い立場です。まさに巷で流行っているという物語のヒロインそのもの、わたくしに悪評が立てば民衆が応援したくなるのは間違いなくそちらでしょう」
「な、何が言いたいんですかっ」
震えていたニナが、目に涙をいっぱい浮かべて抗議する。
ふっきれた公爵令嬢は、相棒のニッコリ笑顔を思い出しながら同じように笑って見せた。
「物語と現実を混同するのはよろしくないと言う話ですわ。ところで、ここに面白い調査報告結果がありますの」
ロザリンドが取り出した紙には、何らかの文言と署名がされていた。それを指先で挟みピラピラと見せびらかすように振って見せる。
「ニナさんがわたくしに切り裂かれたというドレス、ご自分でせっせと裂いているのを見たと彼女のメイドが証言して下さいましたわ」
――というわけで、ろくに真実を確かめようともしない王子に代わって、私が調査してきました。金を積んだらあっさり白状してくれましたよ。いやぁ、信用ないんですね。
ニナの顔が一瞬ひどく歪んだのを、ロザリンドは見逃さなかった。けれども彼女はすぐにワッと顔を覆うと王子に泣きついてしまう。
「ひどい、そんなの嘘っぱちです!」
「この女! この期に及んでデタラメを――」
「まだありますわよ」
ここで指をズラし、公爵令嬢は2枚目の紙を見せつける。
「わたくしに奪われたと吹聴していたお母さまの形見の指輪とやらも、先日彼女の邸宅に盗みに入って捕まった盗賊の押収品の中から出て来たとか」
「えっ、嘘!? いつの間……ッ。!!!」
素で驚くニナは、慌てて何かを言いかけた口を押さえた。
クスリと笑ったロザリンドは、しなやかな指先をそちらに向ける。
「あら? まるでご自分の手元にあったのを知っていたかのような口ぶりですわね」
「ちっ、違うわ! そんなこと言ってないっ!!」
その明らかに怪しい反応に、彼女にも不審な目が向けられ始める。それを感じとったクルツ王子は焦ったように手を振った。
「捏造だ! 貴様が金を積んで工作したんだろう! いくらでも好き勝手言えるっ」
指を突き立てる王子をキッと見返し、ロザリンドは拳を握りしめた。
「えぇ、そうです。残念ながらこれらは決定的な証拠にはなりませんわ。ニナ嬢が言うのと同じように!」
怒りと悲痛さのにじむ声に、会場に居た何人かがハッとしたように息を呑む。
いつも気高く、決して涙を見せる事のなかった公爵令嬢の目に涙がにじんでいた。
「なのにあなたは婚約者であるわたくしをこれっぽっちも信用せず、ろくな調査もしなかった。何の証拠もない悪評を放置して、世間からわたくしが孤立するのをただ見ていた。そして騙すようにこの場に呼びつけて、大衆の面前で恥をかかせようとしている!」
――いいですか、演技でも良いのでここで悲しんでいるふりをしてください。普段のあなたとのギャップを見せれば、周囲を味方につけることができます。自信を持ってください、あのお花畑女にできてあなたにできないはずがない。
(えぇ。ですがマティアス様、演技の必要はありませんの)
この涙は嘘ではなかった。自分は確かに傷つき、今それを乗り越えようとしている。
「ろ、ロザリンデ……」
「わたくしの名前はロザリン『ド』ですわ!」
婚約者の名前すら間違えていたという事実に、さすがに呆れたような視線が王子に向けられる。
一息ついた公爵令嬢は気丈にも顔を上げ、堂々と宣言をした。
「婚約破棄は受け入れます。ですが、それは決してあなた方に屈したからではないわ!」
シン……と、会場に沈黙が下りる。
誰一人動けはしない中で、パチパチと賞賛するような拍手の音が響く。どこからか現れたマティアスはロザリンドの横に立つとねぎらうようにそっと背中を叩いてくれた。
「おやおや、ずいぶんと修羅場になっておられるようで」
「ま、マティアス! 即刻ロザリンっ……ドの言い分を調査するんだ。私は未来の王だ、もちろん双方の言い分を聞いた上で公平な審判を――」
あわあわと取り繕うとする王子にニッコリ笑いかけ、未来の宰相様は話の流れを遮った。
「ところで王子、ぜひお会いして頂きたい人物が」
彼の視線につられてその場に居た全員が後ろを振り返る。
会場に一人の男が入ってきた。それは馬車で簀巻きにされていたあの男で、身なりを整えられた彼はそれなりに見られる容貌になっていた。居心地の悪そうな男の顔を見た王子は信じられないように叫ぶ。
「お、叔父上!?」
「よぉ、クルツ……」
ヒクッと頬をひきつらせ片手をあげる彼を示し、マティアスは水を得た魚のように活き活きと話し出した。
「えぇ、諸国へ遊学していらっしゃった王弟のグラント様です。私めが旅先で偶然見つけ出したので、王命によって連れ戻しました。そして驚くべきことに、この度あなたに代わって王位継承者1位になられたんですよ」
「おう……なんか……そういうことらしいぞ」
驚きの事実に一瞬呆けていた王子とニナは、ほぼ同時に叫んだ。
「「はぁぁぁーっ!?」」
一歩前に出たマティアスは、晴れやかな笑顔で指を立てる。
「今回の婚約破棄で、王はあなたに心底愛想が尽きたようです。バカ息子を支えてくれるよう、せめてもの親心で聡明なるアドニス公爵家のご令嬢を宛てがったのに、それを選りに選って自らぶち壊してくれようとは呆れて物も言えない」
ここでくるりとこちらを向いた次期宰相は、芝居がかった動きで恭しくお辞儀をしてみせる。王の代理と言わんばかりにロザリンドに謝罪を入れた。
「ロザリンド嬢、公爵家に泥を塗ったことに対して王室から深くお詫びを入れ、我が弟との婚約を改めて申し入れたい。元凶であるクルツは王位継承から外し、さらには王籍から排除することで怒りを収めて欲しい。――ので、元王子さんはお花畑と好きに結婚するがよい。と、簡単にまとめるとこうですね」
後半を再びクルツたちに向けて言い放つと、わなわなと震えていた王子は怒声を浴びせた。
「デタラメを言うな! 父上がそんな――」
「残念、王命です♡」
マティアスが巻紙をピラッと開くと、仰々しい文字の羅列と王のサインがしっかりとされていた。冗談ではない事態に二人は頭を抱えて悲鳴を上げる。
「マ、マティアス様……嘘ですわよね?」
「ニナ……?」
「あ、あたし、本当は嫌だったけど、王子に報復されるのが怖くて拒めなかったんです! でもでも、心の中でずっと想っていたのは婚約者のあなただけ……お願い信じて……」
「婚約……えっ!?」
この期に及んですがろうとして来るニナは、うるうると涙を滲ませ指を組んで懇願する。
ようやく関係性に気付いたクルツも含めて、彼らに冷たい一瞥をくれたマティアスは、毎度おなじみの営業スマイルを浮かべると颯爽と切り捨てた。
「王命ですので~。双方家族の了承も得ていますので、私たちも婚約解消ですね。どうぞお幸せに」
絶望の顔を晒したニナは、力が抜けたようにその場に膝を突く。
かくして、婚約破棄パーティーは大騒ぎの内に幕を下ろしたのだった。
***
「にしても、あの時は修羅場だったよな……。俺もわけのわからん内にあの場に引っ張り出されるしよ……」
バタバタとした手続きもようやく落ち着いてきた頃、王宮のとある一室のデスクに突っ伏しながら王弟のグラントはぼやいていた。書棚の整理をしていたロザリンドは苦笑しながら振り返る。
「マティアス様の手腕は恐ろしいですわね。正直、わたくしも流れに乗らせて貰っただけでしたから……」
「次の資料を持ってきましたよ、それが終わったらこれを頭に叩き込んでくださいねー」
タイミングよくやって来た当の本人が、山ほど抱えた本をグラントの前にドサドサと積み上げる。片手をついて乗り出すように覗き込んだ次期宰相は、フッと笑った。
「私がこの国を良くしていくため、あなたには立派な神輿になって貰わなくては困ります。付いて来てくださいね?」
「ねぇやっぱコイツ怖い! 助けてロザリーちゃん!!」
泣き言を言うオッさんに苦笑いを返し、ロザリンドは晴れやかな笑顔で胸に手を当てた。
「頑張りましょう、わたくしも女官として支えますから」
クルツ王子を支えるために培ってきた知識も、この二人の元でならもっと活かせるかもしれない。そう未来への希望を抱いていた時、マティアスが何でもない事のようにしれっと言う。
「そうですね、ロザリンド様がここで実績を作っておけば、王妃としての下地作りにも最適でしょうから」
「……」
さも、当たり前の事を言ったような彼に、ロザリンドは動きを止めた。
その表情が強ばっている事に気付いたグラントは、二人を何度か見比べた後、気まずそうにおそるおそる切り出した。
「……。……なぁ、俺じゃなくて、お前らがくっつけばいいんじゃねーの?」
「えっ……、えっ!?」
予想だにしない一言にロザリンドは慌てふためく。
ところが頬を染める彼女とは裏腹に、マティアスは調子を少しも乱さず真顔で首を傾げて見せた。
「なぜです? 何かそうするだけの特別な理由が?」
その言い方にカチンと来たようなロザリンドは、ぷいっとそっぽを向くと心にもない事を言ってしまう。
「そ、そうですわ。それに余り者同士でくっついたみたいで周囲から何を言われるか」
ツンと反らした彼女の顎がみるみるうちに落ちていく。しょげたように眉尻を下げた令嬢は本を掻き抱いて、背を向けてしまった。
「ですから……わたくしがマティアス様と結ばれるわけには……」
気まずい沈黙が下りる。何とかフォローしようとグラントが口を開きかけたその時、マティアスは少しも調子を崩さずこう続けた。
「そうですよ、ロザリンド嬢は聡明で努力家。才色兼備でどこまでも美しい方です。昔からずっと見てきたので知っています。私と結ばれるにはもったいなさすぎる女性ですよ」
「……」
バサバサと、ロザリンドの手から落ちた本が床に散らばる。驚きで振り返った令嬢の頬は、どんな薔薇よりも赤く染まっていた。
「? 何か間違ったことでも言いましたか?」
それを平然と見返すマティアスに、あぅ、だの、ぐぅ、だの不明瞭なうめき声が部屋に流れる。
無自覚ベタ惚れ恋愛オンチと、素直になれない公爵令嬢。
前途多難なようなそうでもないような……。
二人を見つめていた王弟は、どこかげんなりとしたように苦笑いを浮かべ、呆れたように呟いたのだった。
「お前らほんとさぁ……」
おわり
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