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94 プール・レクリエーション⑤

 新しい水着に身を包んで妹のひよりが僕の方へ走って行く。

 何て可愛いんだ。彼氏出来たって言われたら絶対その彼氏ぶん殴ってやる。


「二人して何の話してたの? 何かわたしの名前が聞こえた気がしたけど」


 ひよりを連れてきたのは大月さん。

 ギャルメイクはそのままに色メッシュの入ったエクステなどはさすがに外してきたようだ。

 ちょっと恥ずかしそうにラッシュガードを着て、体を隠している。


「お、おう。いつも通りの会話だよな」

「そーだね」


 性癖の会話はいつも通りと言える。

 腋の処理しといた方がいいですよと喉元まで出かかった言葉があるが僕が変態扱いされそうなのでやめておこう。


「獅子くん、水着がよれてるよ。ほら」


 大月さんが手慣れた感じで獅子の水着を直す。

 ほんと手慣れてるの。


「獅子の半裸を前に随分慣れてますね。初めて会った頃の大月さんならもっと可愛げがあったはずなのに」

「すぐにお胸に目がいく小暮くんとは違うの」


「お胸……ねぇ」

「わたしのを見るなっ!」


「涼真、言っておくけど雫は小ぶりだけど良い張りがあって……痛っ」

「獅子くん、わたしが喜ばないことをしちゃダメだよ」


 太ももを強くつねられて獅子は項垂れる。

 僕の親友はもう完全に恋人に制御されてしまっていた。惚れた弱みだねぇ。


「アリサと紬はもう来る?」

「うん、あ、来た」

「涼真っ!」


 僕が振り返るより早く、周囲の客達がわっと驚く。

 つややかな黒髪を流した美少女がゆったりと近づいてきたのだ。

 紬は白のビキニに身を包み、僕の方へ近づいて、あと少しの所で止まった。

 そしてくるりとして見せた


「新しい水着買ったんだよ。どーかなぁ」


 本当幼馴染みは可愛くなったと思う。

 そして何よりしっかりと成長した胸部にはどうしても目がいってしまう。


「あの子、可愛いよなぁ。スタイルもいいしモデルか?」

「マジでレベル高けぇ。あれ、彼氏か? いいなぁ」


 そんな声もチラホラ。アリサがいなければ確実に学校一の美少女という称号は紬の手にあったことだろう。

 僕はなるべく動じないように答えた。


「うん、凄く似合ってる。紬らしさが出てるね」

「ほんと! やったぁ」


 紬がぎゅっと距離を縮めてきて僕の腕に絡みついてくる。

 相変わらず距離が近い。その可愛さと発育良い体で近寄られたら動揺してしまう。


「ち、近いから」

「幼馴染みだからいいじゃない。ねぇ、涼真ったら」


 胸が当たってるんだよ。分かってやってるんじゃなかろうか。

 こないだの件があってからますますぐいぐい来てるような感じがする。

 こうやって近づいてくると本当に可愛くなったなって思う。

 男の幼馴染みも女の幼馴染みも顔面極上ってどんな確率だよ。僕もイケメンに生まれたかった。


「ほわっ」


 突然紬が離れていく。


「ちょっと紬、抜け駆け禁止」


 その声は当然アリサのものだ。僕は流行る気持ちでアリサを見た。

 そして……。


「ラッシュガード着てる……」

「ふぇ? まだ日焼け止め塗ってないから……。そんなに見たかったの?」

「……」

「もうちょっとだけ待ってね」


 アリサは恥ずかしそうに顔を赤らめ言った。

 僕を何を言ってしまったんだ。がっついて恥ずかしい。今日はアリサの水着目当てで来たわけじゃないのに。


「むー! 露骨すぎだよ! でも期待する気持ち分かる! アリサちゃんの水着が見たいのよく分かるよ。すっごく似合ってて綺麗だったもの」

「そうなんだ」

「同性の特権だね。やっぱりお胸がどーんで白い肌がきらっ」

「紬! 余計なこと言わなくていいから」


 アリサの怒りの声にごめーんと紬は謝った。

 さて全員揃ったな。

 ひよりが僕の腕を引く。


「にーにー、お喉渇いた」

「何か飲もうか。ちょっと向こうで買ってくるよ」

「小暮くん、良かったらわたしがひよりちゃんを連れていっていい? わたしも一緒に買いたいし、獅子くん行こっ」

「分かりました。ではお願いしますね。じゃあひより、大月さんと一緒にね」

「ん!」


 ひよりは大月さんと手を繋ぎ、獅子と一緒に飲み物を買いに行った。


「ひよりちゃん良かったらわたしのことママって呼んでいいよ」

「ふえ?」


「おい、ひよりを使って疑似家族ごっこするんじゃない」


 まったく大月さんは……。

 獅子の言う通りならマジで未来見据えてるもんな。獅子を逃さないためにいろいろ仕込んでるんじゃないかって思う。

 さて残ったのは僕と紬とアリサの三人だ。


「じゃあ涼真」


 紬が敷いたマットにうつ伏せで寝転ぶ。


「私達に」


 アリサも同様にマットの上に座った。


「日焼け止めローションを塗ってね」

「ええーー!?」


 正直、今日一番驚きを見せてしまった。

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