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55 お仕事②

「何か食欲ない……」

「そのわりにカレー2回もおかわりしてたんじゃん」

「何よ、美味しいんだから仕方ないでしょ!」

「何で逆ギレ!?」


 アリサが復活した頃には良い時間となっていたのでアリサが望んだカレーを作ることにした。

 あの雷の鳴っていた日以来、アリサにカレーを披露する日が来た。


 冷蔵庫にはハウスキーパーさんが用意してくれた食材がたんまり入っていた。

 大月さんが希望したものを買って、冷蔵庫に入れてくれるらしい。

 僕も頼んでみようかな。金を払わず、良い食材を手に入れられるのはありがたい。


 しっかし、大盛りカレーをしっかり食べるのはさすがだ。

 僕より食べてるんじゃないか。

 その細い体のどこに入るのやら……やっぱ胸かな。


「涼真、視線分かるよ」

「ごごご、ごめん」

「男子って胸好きよね。これの何がいいのやら」


 アリサは手のひらを使って自分の胸をむにっと動かす。

 そのあまりに扇情的な場面に目が離せない。

 胸の谷間が強調されるんだよ。その顔とその胸があれば世界取れるでしょ。


「ふふ、視線が泳いで面白い」

「本当にごめんなさい」


 制服だったらそんなにいかないんだけど、胸の谷間が明らかに露わになるような服着られたらどうしようもない。

 アリサは顔も胸も本当に魅力的でやばい。


「ごちそうさまでした!」

「うん、ごちそうさま」


 洗い物はお仕事の一つなので手早くやってしまう。

 この水道もすごいなぁ、赤外線センサーで水が出たりするんだ。

 良い設備が揃っており、金持ちの台所って感じがする。食器乾燥機まであるし、本当に便利なものばかりだ。


 アリサはリビングのソファに腰かけてテレビを見ていた。

 時刻はもう19時過ぎか。やることもないし、そろそろ上がるかな。

 アリサの家から僕の家まで歩いて3,40分くらいだろうか。あ、でもバス停が近くにあるって言ってたっけ。どっちが早いんだろ。


「ねぇ涼真、一緒に映画見ない?」

「へ? でも……僕は仕事終わっちゃったし」

「……もう帰るの? 寂しいよ」


 その本当に寂しそうな表情を見て、僕は自然とアリサの右隣に座ることにした。


「1本だけだよ」

「うん、ありがとう涼真。えっと……リモコンはどこだっけ」


 アリサが寝転び、奥の戸棚から別のリモコンに手を伸ばしていた。

 横着してその場から動かずに伸びをして取ろうとするので服がめくり上がり、可愛いおへそがよく見えるようになっていた。


「うんしょ」

「おわっ!」


 足を曲げることでスカートがめくり上がり、白く綺麗なふとももが露わになっていく。

 そのふとももの先には何があるのか。スカートで隠れて見えないが……すでに今の時点で十分魅力的に思えた。


「アリサ、足……足!」

「え? きゃっ!」


 アリサは慌てて座り直してスカートに折り目をつける。

 エメラルドグリーンの瞳でじろりと見られる。


「見えた?」

「……見えてないです」


 こういう時見えた上で見えてないって言うのが正解なのかもしれないが、実際の所は見えていない。アリサがそれを信じてくれない気もするけど。


「今日は可愛いやつ履いてるから見えてもいいんだけど」

「え?」

「見えてないならいいの!」


 何だか別の思惑があったような気がする。


 アリサはリモコンを使って映画配信がされているサブスクを起動してテレビに映し出した。


 今日見る作品は今年に流行った恋愛系の作品のようだ。

 僕が好む系統ではないけど、面白いという話だし、楽しみだ。


 ソファに二人、横並びで座る。


「もたれていーい?」

「へ」


 アリサは僕の方に寄ってきて、もたれかかってきた。


「アリサ!?」

「だってリラックスできそうだもん」


 アリサの背中が腕によりかかり、その背中の体温になぜか身震いしてしまう。人肌半端ねぇ……。

 その豊満で柔らかそうな胸を上から覗き込める状態だ。

 このまま後ろから鷲づかみしてしまったら……。


 何、考えてるんだ僕は!


「気合入れて見るぞ!」

「気合入れて見る映画じゃないけど!」


 さっそく始まってテレビに集中する。

 作品内容は主人公がいて、ヒロインがいて理由は省くが仲良く一緒に暮らしている。


「涼真、二人とも何か幸せそう」

「演技が上手いんだろうね。凄いなぁ」


「手を繋いでるところとかほんと幸せそう」

「そうだねぇ」


「……涼真、手を繋いでもいい?」

「ファっ!?」


 突然の提案に変な声が出る。

 アリサは僕の回答をまたずに手のひらをぎゅっとしてきた。

 こんなことされたら……手を握り返すしかない。

 ゆっくりとアリサな小さなの手のひらを握り返す。


「……えへへ、幸せかも」

「そ、そりゃ良かった」


 あ、このまま映画見るんですね。

 アリサが手をにぎにぎとしてくる。小さくて柔らかい手のひらが溜まらなく気持ちいい

 やっぱり女の子ってすげぇなぁ。髪からいい匂いがするし、喋るたびアリサがこっちを向いて笑いながら話すんだけどどの顔も滅茶苦茶可愛い。

 やばい映画に集中できないかも。


 映画は終盤にさしかかり、クライマックスへと話を進めていく。

 ちょっとお涙ちょうだいなシーンもあり、アリサの瞳に涙が浮かぶ。

 ティッシュを渡してあげるとアリサは涙を拭う。


 感受性豊かでいいなぁ……。僕はあんまり泣けないタイプだから羨ましい。


 お、主人公がヒロインの頭を撫でて慰め始めた。

 またさっきみたいに幸せな表情を見せ始めた。


 ……頭を撫でてあげたら女の子は喜ぶのかな。


「ねぇアリサ」

「なに」


「触ってもいい?」

「うん……。え!? どこをっ!」

「すみません、言葉が足りてませんでした」


 アリサが胸を押さえて、僕から少し離れてしまった。

 そうですよね。触るって言ったらそういう所を考えますよね。

 僕的にはそこだけでなく、スカートに晒された太ももなんかもとても魅力的だ。


「そ、その……主人公みたいに髪を撫でてあげたら……アリサも落ちつくかなって」

「……」

「やっぱ嫌だよね。ごめ」

「早く撫でてぇ……あんな感じで」


 めっちゃ猫撫で声で言ってきた! しかも主人公と同じような感じで!?

 まぁ良いなら許されるだろう。

 僕は左手をアリサの背中を通して、プラチナブロンドの綺麗な髪に触れる。

 彼女の髪に触れたのは遊園地以来だろうか。


 画面の中の主人公と同じようにアリサの肩を掴んで引き寄せる。

 触れた瞬間、変な声が漏れてたが気にせず抱き寄せることにした。

 そのまま肩に腕を置くような感じでアリサの髪をゆっくりと撫でた。


 男の方は顔をヒロインの顔に近づけるようだ。うわっ、これ恥ずかしいなぁ。


「へへへ、しあわふぇかも……」


 よ、喜んでくれてるならよかった。

 正直……僕も幸せかもしれない。

 このまま時が止まってもいいと思えるほどに。


 二人で映画を見続ける。

 僕はアリサの髪を撫で、アリサは僕のもう一つの手を両手で握る。

 もうこれ親友じゃなくて恋人みたいな関係じゃないか?

 いや、まさか……でも。

 うん、とりあえず映画に集中しよう。


 画面の奥の主人公がヒロインにキスをする。

 そのキスはとても幸せそうで……。僕も今、ここでアリサにキスをしたら幸せになれたりするんだろうか。


 ふと視線をアリサに向けると目が合った。

 そのままアリサの柔らかそうな唇が目に入る。

 何となくだけどお互いがお互いの唇だけを見ていたような気がする。


 そしてゆっくりと近づけ合う。


 僕達はあくまで高校生。大人のマネをして学んでいくんだ。

 だから……。


 このキスもただの映画のシーンのマネでしかない。

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