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111 僕に出来る全力②(※アリサ視点)

 涼真が帰ってしまい、なんだか寂しくなる。せっかく恋人同士になれたのに……もっとイチャイチャしたい。甘やかしてほしい。


「アリサ」

「寂しいから雫を抱いていい?」

「やだ」


 最近雫が冷たいよぉ。平沢獅子が雫を変えてしまったんだ許さない。


「涼真くんの作戦、アリサは本当によかったの? アリサの性格を考えれば問答無用に我を押すでしょ。あの告白だってさっさと受け入れて学校内で仲睦まじくしたらいいんじゃないの」

「まぁね」


 本音を言えばそう。未だ私にアプローチかけてくる愚か者共が多いからその牽制にもなるし、紬もなんだかんだ涼真のことが好きだから早くに動いておきたい。


「此花さんのことを心配してたけど、アリサの本当の実家を考えれば手出しはできないでしょ。知れば涼真くんもびっくりするだろうね」

「あくまで親族なだけだわ。別に私に何かしろなんて言われてないし、従う気もない。いつかは言わなきゃだけどね」


 涼真を狙って何かをするのであればいろいろ考えなければならない。でも正直些細なことでしかない。


「涼真の過去にあったこと。全部聞いたの。涼真は私のことを好きだって言ってたけどやっぱり初恋の人に未練があるんだと思う」

「全部は知らないけどちゃんとした別れじゃなかったんだっけ。罵倒してやりたいけど、……分からなくはないかな」


「雫ってまだ静流に未練あるの?」

「ないよ! うっ、まったくと言ったら嘘になるかもだけど。でも絶対獅子くんには言わないでね。獅子くん、ああ見えてアリサと同じ特定の人オンリーでメンタル弱い所あるし」


 平沢獅子についてはどうでもいい。涼真は記憶喪失になった子の記憶を戻したくないって思ってる。それについては私も賛成。紬だけでも強敵なのに。その子が記憶を取り戻して、涼真争奪戦に加わってきたら面倒だもの。


「涼真が好きだって言ってくれて、私にごめんって言って、でもこれはやらなきゃいけないからって強く言ってくれたの。真面目な顔でそんなこと言われたらきゅんとして思わず、頷きたくならない」

「アリサって乙女な所あるよね。でも分かるよ」


「でしょでしょ! 涼真って私の顔と胸が大好きだから赤くしながら視線が動くのすっごくかわいいの」

「それを可愛いと思ってるのアリサくらいだよ。わたしだったら顔と胸を見られたらぶん殴る。襲われないように加減はしなよ」


「はぁい」

「絶対聞いてない。さっきみたいにくすぐられるぐらいで済めばいいけどね」


 雫が膝枕してくれるのでのんびりすることにした。さて文化祭がもうすぐ始まる。

 私はどうしようかな。雫は文化祭実行委員として忙しくするし、涼真はその手伝いも合間って文化祭一活躍するために寝る間もないくらい忙しくするに違いない。


 本当は恋人らしく涼真と一緒にまわりたかったけど、付き合えるのは最速でも文化祭が終わってから。まぁ、冬になればいっぱい一緒にいられるし、これからはずっと一緒にいられる。


「うん。やっぱり私がやるしかないわね」

「何が?」

「なんでもない」


 雫も私に黙って涼真と何かやろうとしてるみたいだし、その間に私も動くとしよう。

 雫のことは誰よりも信じている。私に黙ってるのはその方が都合がいいからだ。

 そして私が今からやろうとしていることは知られない方がいい。涼真と雫はなんだかんだ優しいから。


 美人でスタイルも良い……けど性格が終わってる私ができること。一人じゃ面倒ね、誰かに手伝ってもらおうかしら。


 私は雫から離れてその者に連絡を取る。なるべくは連絡をとりたくない相手だ。


「もしもし。そんな嫌そうな声をしないでくれる。こっちだって同じなんだから。どうせあなた暇でしょ。涼真と雫も忙しくなるんだし。うん、ええ……。涼真の昔話を聞いて一つだけ気になることがあるのよ。あなたには手伝って欲しいわ」


 私は一度呼吸を置いて、もう一度口に出す。


「私達の大切な人を地獄に落とした奴を断罪するのは……性格の悪い、私達にしかできないことだから」

 そう、涼真や雫に気づかれないように進めていかなきゃね。

「え、俺の方が性格マシ? 何言ってるの私の方がマシだから! やっぱりあなたのこと大嫌いだわ。べーっ!」


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