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浅知恵

井上はミカとの関係をどうするか悩んでいた。

薬をしてセックスをするのは好きなのだが、それは他の女性でもよかった。

むしろ、他の女性でも試してみたかったのである。

しかし、この秘密を守れる女を探すとなると一苦労だ。


ミカは井上の好む「エロ」を持ち合わせていた。

適当に嫉妬させ、井上もそれをエロに変える。

男の影もチラつき更に想像を掻き立て薬がそれを増幅させる。

ミカの持つこの「エロ」のスキルを持ち合わせている女など更に難しいが、井上はまだそこまで気がついてはいない。薬をすれば皆んなミカの様になると思っているのである。


実際、薬が効きパターン化して飽きて来ているがそれでもやめられない。金銭的にも余裕がある訳では無いが薬のお金は何とか都合して来ていたが1か月で10万円程度の支出は今の井上には少しキツイ。


”漠然と誰かに転売をして小銭稼げないかな?“

と考える様になり出した。

ミカに金の無心はあまりしたく無いし仕事も休みがちで余裕がある様には見えなかった。


井上は薬に興味がありそうな友人や後輩を探した。

こう言う時は自分より立場が弱い者から探す事が多いが井上も同じ思考だ。


「中西 剛」通称「ゴウ」

友達の職場の後輩でお人好しだが、善悪の判断が鈍い奴を思い出した。こいつはつるんでいる先輩も井上より年下で「大原」と言う人間とよく行動をしている。

少し前に2人で薬をして朝までゲームをしていると噂を聞いた事があった。

早速、連絡を入れてみた。

プルルル....プルルル...

剛「お疲れっす、井上さん」

井「おう、剛か? まだ仕事行ってる?」

剛「前の仕事じゃ無いですけど、今は大原さんとパチンコ関係の仕事行ってますよ。どうしたんすか?なんかいい話ですか?」

やっぱりまだ大原と一緒だ。

井上は”多分、ピンハネされてる“と感じた。

大原と言う奴はなかなか信用のできない男で、何かあれば後輩を捨てて逃げ出しそうな雰囲気を持っている。

井「お前さ、まだ大原とゲーム朝までしてる?」


朝までと聞くのは「薬して朝まで起きてる?」

と言う意味を込めた探りだ。


剛「やってますよ〜、今の仕事が週3程度だから結構やってますね」

井「それ大原と?」

剛「はい」    

井「じゃ、薬とか、めちゃ使うでしょ?」

剛「そうっすね、週2は引きに行ってますよ!けど、あんま痩せて無いっすよ(笑)なんでですか?」

井「俺さ、先輩からちょこちょこ買わされるんだけど、ほら、俺、こう言うのあんま興味ないからさ、俺の買ってくれないかな?」

井上はとっさに嘘をついた。

やはり、あまり知られたく無いのである。

逆に悪ぶって自分から言う奴も居るがそういう奴は周りから信用もされないし逮捕も早い。

剛「マジっすか?それ助かります!俺も薬のルートはいくつか持っていたいし、井上さんなら安心っす!早速ですが、今はあります?」

井「ごめん、今はないけどそん時は追って連絡する」

剛「はい、是非お願いします」

井「おう、わかった!量は毎回変わることあるけどいい?」

剛「0.5以上有れば何とか...いや、足りないかな....」

井「俺もあんま先輩に色々言いたくないし関わりたくないから、とりあえず連絡する」

剛「はい、お願いします」

井「おう、またね」


電話を切り考えた....

俺もやってるから半分ずつ出し合わない?

と聞けばいいのだが、それはなんか危険な気がした。

しかし、先程の会話を思い返して失敗した!

とも思った。

素直に言ってれば、逆に奴らのルートを紹介してもらえたのでは?

そうすれば太刀川以外にもルートができたんじゃないか!最初は怖がって太刀川以外からは買うつもりがなかったのだが慣れきだしたのか、確実に品物が欲しいのか自然と別ルートも模索し始めていた。


薬のルートは裏世界の流通。

当たり前だが不安定でいつ無くなったり、金額を釣り上げられるかわからない世界だ。

そこでルートを増やすと言うのは客の知恵なのかもしれない。

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