まんねり
薬でつなぎ止めていたが予期せぬ事が起こった。
それは薬が効きだしてきてからのパターンに飽きて来たと言う事だ。
それは世間では考えられない世界でエッチをしているのだ満足度も並大抵ではない。
しかし、それにも限界が見えてくる。
冷静な時に最初にまず、高額なお金を工面する事とその快楽のバランスが変わりだした事に気がついた。
次に思うのが、たまたま逮捕されなかっただけで逮捕される危険性を感じる様になって来た。
昔は盲目的に薬を求めて、セックスを求めていたが段々と冷めて来たのだ。
しかし、薬の代金も買いに行く危険も男の仕事。
彼女はそこまでは感じて無い様子で今もガラスのパイプに火をつけこちらを見ている。
結局、男の性欲と女の性欲は異質であり女の性欲の方が男より大きいのではないかと錯覚してしまう。
しかし、その誘惑には勝てず。
今まで何回くらいライターをカチカチ言わせて来ただろう。
今まで何回くらいガラスのパイプを掃除しただろう。
今まで何回ストローを斜めに切っただろう。
今まで何回・・
今までどれだけの時間を無駄にしただろう。
今までどれだけの誘いを断っただろう。
今までどれだけ体を痛めつけただろう。
今までどれだけのお金を使っただろう。
今までどれだけ・・
ガラスのパイプから煙が出ている。
前は”勿体ない”と思っていた。
勿論、今でも思うが・・・・フト感じた。
僕と彼女もこんなものだ。
多分、薬に飽きたらもう彼女と会う事は無くなるだろう。
自然に消滅するんだろうな。
そしてこの裏社会はそんな小さな2人を気にも留めず流れて行くんだろうな。
これからも、小さな2人のの様なものを巻き込んで。
今更、綺麗も汚いも無いけど
でも、彼女を思う気持ちはだけは汚れた仲にも綺麗に取っておいたつもりだった。
でも薬と言うものはそこも汚してしまう力があった。
彼女も僕も来年の今日はそれぞれ違う空気を吸っているんだろうな。
白い煙じゃないものだといいな・・・・