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効能

井上はミカの事が頭から離れなかった。

しかし、電話をしてもメールを打っても返信は無い。


ミカからすると、結婚するなら井上だがそれだけでは物足りない物があったのだろう。

いろんな経験をしてなおかつチヤホヤされたいのが本心なのだろうがそこは女心だ、自分自身でも正直には認める事は出来ない。


井上は携帯のチェックをして風呂に入り、電話をしてはガッカリしながらいつものコンビニの弁当をつまんでいた。


仕事も不景気のあおりをウケ残業が少ない。そのため帰っても時間にゆとりがあった。


飲みかけのお茶をもって机に向かいネットを始めた。

知らない世界に入り込んだばかりの少年の様に「ドラッグ」や「覚醒剤」など反社会的な単語が並ぶ。


こないだまでは人也の事で喜びや悲しみを感じていたのだが悪魔の世界に足を踏み入れてしまったので

普通の感覚では妙に冷めてしまう。それ故この悪魔の世界に自然と興味が強くなって行っているのかも知れない。


新たに知った知識や世の中で言っている事と事実の差や体に体する影響等までも調べだしていた。

すると携帯から着信音。


ミカからだ!と思い飛びついたが太刀川だった。


「コウちゃん、波多知らない?電話するけど電波切れてんだよ」

井上は一瞬”知る分けないだろ”と思ったが

「知らないよ。ってか一緒な訳ないじゃん。」

「それもそうだけど、ほらあいつ知り合いすくないから」

と笑っていた。


少し他愛も無い話をしてすぐに電話が切れたので井上はもう一度ミカに電話した。

すると、つながった!


内心安心しながら話しだした


「もしもし、何してるの?」


すると尖った様な声で

「ぁ?なんで?仕事行くに決まってるでしょ。もうすぐ店なんだけど」

一々むかつく女だ、こないだの朝は何だったんだ?と声にする程では無いが苛立を覚える。


「普通に言えないの?ただ何してるって聞いただけでしょ?」井上が聞くと

「いやいや、普通に考えればわかるでしょ?なんで当たり前の事聞くの?」

こんな少しの会話で男をイライラさせるのが実は男を弾き込むのかも知れない。

ミカは井上に甘えているのだからついこんな態度になるのかも知れない。

しかし、井上には全く意味不明である。


「ねぇ、こないだどこに居たの?俺さ家に行ったんだけど」

浮気をしてますと言う女はまず居ない事は承知の上だが聞かずにはいられない。


「はぁ?私を監視する為に鍵つかったの?そう言う事ね。サイテー」

と言って電話が切れた。


「んなことなら電話しなけりゃ良かったよ。

だいたい、なんで電話でんだよムカつく!」

井上はすぐに電話をかけ直した。


予想通り電源が入っていない。

しかし、何か言い負かされたようで怒りが収まらない。

「もう、話できない。別れる」

ハッタリだが強い言葉を送信した。これで電話がかかってくるだろうと思ったのである。

しかし、井上は時間とともにその作戦は失敗だったと実感させられた。

余計に相手の怒りを助長する結果となってしまった。

 

太刀川のいう薬の効能はまだ効いていないようである。


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