手作り?お弁当
読んでくれる方に感謝を!
はぁ、ホント昨日は疲れた。いつものアレに加えて香苗の野郎、布団にまで侵入してこようとしやがって。しかもなんだあのスッケスケな服は。理性押さえんの大変なんだぞ?それに…腹冷えるだろ。
「いよーっす」
いつも通りに西宮と後藤に声をかける。おっ、今日の西宮はツインテールにしてるんだな。いいな、ツインテール!
「西宮今日(髪型)可愛いな」
「……………」
「西宮?」(照れてるのか?)
「なぁ、光輝?西宮魂抜けそうになってるぞ?」
「髪型《《だけ》》褒めただけで!?」
「……………」
「なぁ、光輝?今度は涙ながしてるぞ?」
「おーい!にしみやー?おーい!…返事がない。ただの西宮のようだ。」
「お、おい光輝ちょっとこっちこい」
後藤が耳打ちをしてきたので、少しはずかしいがその通りにしてみる。西宮の耳元に近づいて行き、
「なぁ、大丈夫か?《《さつき》》」
「ひゃぁぁぁぁぁ!」
おいっ!でかい声だすな!クラス中が見てるぞ!
西宮は勢いよく立ち上がり、顔を真っ赤にしながら耳を押さえて駆け足でツインテールを揺らしながら教室を出ていった。
「にゃあぁぁぁぁぁぁ~!」
「おーい、HR始まるぞー!」
…………やりすぎた?
「おい、後藤。言った通りにしたら逃亡していったぞ?サングラスかけて追いかけた方がいいか?このままだと教師が解放されるぞ?」
「いや、解放阻止HRミッションがあるから落ち着いたら戻ってくるだろ」
「それもそうか」
席についてスマホを開くとメッセージがポコンポコンと立て続けに来ていた。
【ばか】
【ばかばか】
【ばーーか】
【ホント…バカ】
【ばっかもーん!】
【こーのバカちんが!】
…うん、最後の方ネタにはしってきたから落ち着いて来たっぽいな。
その後、HRが始まる直前になってから、いつもどりになって戻ってきた西宮は澄まし顔でツインテールを指でクルクルしていた。しかも両手で。途中で絡まってたが
眠気と隣からのプレッシャーと戦いながら昼になると後藤から声がかかった。
ちなみに西宮は隣の席で友人K子、U子の三人と食べてようとしている。
「よし、光輝。売店いこーぜ」
「いや、今日は弁当あるから大丈夫だ」
「弁当?めずらしいな」
「なんか知らんけど、母さんに良い姉アピールしたいみたいで、あいつが作ったの持たされたからな」
ピクッ
「あいつって、香苗先輩か?お前それ誰もが羨ましがるぞ?むしろそれ良い姉アピールってより良い嫁アピールじゃ…」
ガタガタッ
「こんなのがか?昨日の夕飯に買ってきたコンビニ惣菜の、残りの詰め合わせだぞ?前にも言ったがあいつ家事なんもできないんだからな。嫁にもらう奴いないだろ」
ピキッ
「それは一緒に住んでるからわかるんだろ?知らない奴からしたら羨ましさの極みだぞ?」
ピキピキッ
「そんなもんか?昨日だって寝ようとした時にノックもしないで部屋に来るしな。迷惑の極みだドゥフッ[ビターンッ、ポトッ]」
ん?なんか頬にあたって落ちたぞ。なんだこれ……ってミートボール?
「あっ、光輝君ごめんねー?ミートボール掴みそこねて、そっちに飛んで行ったみたい」
ミートボールそんなに飛ぶ!?いくら隣の席と言ってもお前の弁当箱から俺まで結構な距離あるよ!?ビチャとなるならまだしもビターンッってぶつかったんですけど?
てか、目がすわってないか!?
おい、K子U子なにをそんなに青ざめている?おい、手が震えてるけど大丈夫か?
「き、気をつけろよ?」
「光輝君そのお弁当おいしい?」
「ん?まぁうまいよ。最近のコンビニ惣菜はすげぇな」
「でもそのさばの味噌煮の骨、危ないよね?」
「んん?まぁ、気をつければ大丈夫じゃないか?」
「んー、お弁当に入れるならやっぱりちゃんと骨は取らないといけないと思うなぁ。その辺ダメだと思う!」
なんのダメ出し!?どんなとこで対抗心燃やしてんの!?
「ひーーーあははははっっ!ブホッ、ごほっごほっ…フッフッフッ…ふひーー!」
おい、後藤よ…。笑いかたが変すぎる。
あまりもあんまりな言い方に言葉を失い、なんて返そうか考えてたらK子が西宮に話かけてくれた。冷や汗をかきながら。
「ね、ねぇさつき、昨日のミツキの配信みた?てか知ってる?」
…………
「なぁにそれ?見たことないかも」
おい、それ以上言うなよ
「後でURL送るから見てみたら?すっごい可愛いの!服の合わせ方とか化粧の仕方とかすごい参考になるのよ。登録者数ももう30万人越えてるみたい!うちら二人とも登録してるし。」
おい、やめろ
「そんなに言うなら後で見て見よっかな?」
おい
「うん、見てみて!チョ~女の子ってかんじで可愛いから」
…………………ゴフッ