看病8 強制お泊り?
風呂に入れられはしたが、なんとかして帰ることを諦めていなかった。
理由はこれだ。
「で、康貴にぃ、どっちの部屋で寝る?」
まなみも愛沙も自分の部屋がある。普通ならどちらかの部屋に固まってもらって俺が空いた部屋で、となるはずだ。
だがなぜかどちらかとの相部屋を求められている。
「いや、えっと……」
「私としては心配だからお姉ちゃんと一緒にいてあげてほしいんだけど」
「私は……うつしたら嫌だからまなみといてくれたら安心なんだけど……」
困った……。なんだこれ、2人とも遠慮しているようで俺の逃げ場を塞ぐことだけはかなり高い団結力を見せている。
「例えばだけど、別の部屋で寝るというのは……」
「「ダメ」」
もう一部屋おじさんたちの部屋はあるにはあるが、あそこは実は子供の頃から足を踏み入れたことのない空間だ。俺自身入るのは抵抗があるし、2人の頭にもないだろう。
あとはリビングだが、ここは多分2人が絶対に認めないし、俺としてもここで寝るなら寝心地を考えて家に帰りたいのが正直なところだ。
「ほら、熱が悪化しないようにさ?」
「康貴にぃが1日看病しなきゃ!」
「私が体調崩すと絶対次の日まなみも体調崩すから……いて欲しいな?」
2人に詰め寄られる。
「いや……んー……」
愛沙が泣きそうな目で俺の服の裾を掴み、上目遣いで見つめてきた。
「布団……出したのに……」
「康にぃー」
「わかった、とりあえずそうだな……2人が寝るまではいるから」
結局なし崩し的に延長に応じる形になってしまった。
「あと! 俺がいる間は下履いてくれ、愛沙……」
「あ……」
今も手を上げただけで下着がチラチラ見える状態だ。これはまずい。
ちなみにまなみは普通に可愛らしいピンクのパジャマだった。油断すると「暑い……」と言ってボタンを外そうとするので気をつけないといけないがそれ以外は今の所大丈夫そうだ。
「じゃ、お姉ちゃんの着替え中は私の部屋ー!」
「はいはい」
手を引かれて愛沙の部屋をでる。
「あ! お姉ちゃん! 赤がいいと思う!」
「赤……?」
「まなみっ! 内緒っ!」
愛沙の焦る様子をみて察してしまった……。
下着の話だな、これ……。
まなみifについてご意見ありがとうございます!
一旦本編集中で行きながらちょこちょこ書くくらいで進めようと思いますのでお付き合いお願いします。
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