表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

39/119

久しぶりの家庭教師と

レビューをいただきました!!!

本当にありがとうございます!!!

「ねえ、康貴にぃ?」

「ん?」


 夏休みに入っても家庭教師は継続だ。

 まなみの頑張りが大きかっただけだが、きっかけにはなったということで高西家の両親はわりと満足してくれてるらしい。

 俺も教えるために改めて勉強し直したりするおかげで2学期の成績には期待ができそうだ。


「たまには康貴にぃの部屋行きたいー」

「俺の部屋?」

「そうー! 昔はよく行ってたのにもう何年も行ってない! 久しぶりに行きたい!」


 まなみが来ると言ったらむしろうちの両親は歓迎だろう。多分愛沙も連れて来いというが……。


「まあいいか」

「やった! お姉ちゃんにも言わなきゃ!」


 俺が何もしなくても愛沙を呼んでくれるようなので、黙ってまなみを部屋に向かわせた。


 ◇


「お姉ちゃんお姉ちゃん!」

「ん? 康貴の家庭教師終わったの?」


 突然部屋を訪ねてきたまなみに対応するためにメガネを外して振り返る。机に向かう時だけは最近つけるようになっていた。


「あ! お姉ちゃんも勉強してたのかー」

「宿題は早く終わらせたいから」

「そだよね! 康貴にぃも順調に進めてるみたいだよー」

「そう……」


 昔から康貴はそのあたり、真面目にコツコツやるタイプだ。変わってないんだなってちょっと安心した。


「で、どうしたの?」

「あ、えっとね! 前言ってた康貴にぃの部屋に行くの! オッケーだって!」

「そう……康貴の部屋に……え? 康貴の部屋?」

「うん!」


 大きく頷くまなみ。

 そんな話……あ、ちょっとした気がする。まなみがやたらと行きたがってたから頼んでみたらと言ったんだった。

 多分断りきれない勢いだったと思う。心の中で康貴に謝っておいた。


「じゃあ楽しんできてね」

「え? お姉ちゃんも行くんだよ?」

「え?」

「康貴にぃも来て欲しそうだったよ!」


 康貴が!?


「んー、まぁなんとなく、だけど」

「そう……」


 康貴が来て欲しそう?!

 まなみの前で顔に出ないようにしないと……!

 でも、え? 康貴が? 来て欲しいって!?


「お姉ちゃん?」

「あっ! なになに?」

「えっと、いつ行くかなと思って! お姉ちゃん予定ある?」

「ない!」


 あってもそんなのキャンセルしていく!


「だよね。そういうと思ったので、私の勉強が終わったら行きます!」

「え?」

「じゃ、準備して待っててねー!」

「え? え?」


 今日?!

 聞いてない。聞いてない!

 大丈夫かなちゃんとした服洗濯してたかな!? 今日ちょっと前髪の調子悪かったんだけど……あとは……あとはえーっと……。


「あ、久しぶりにおばさん達にも会うんだ……」


 康貴をちゃんと意識してからはなかなかゆっくり話す機会もなかった。


「緊張……してきたかも……」


 これは先延ばしにしていたらきっと、何も手につかなくなってた。

 まなみの即断即決に感謝しながら準備を始めた。もしかしたらその辺りも計算済みなのかもしれないなと思いながら……。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ