修学旅行 男子部屋
「で、どうだったんだよ! ちゃんと告ってきたのかー?」
風呂上がり、男部屋に集まったところで早速暁人に絡まれていた。
班で集まってる間は愛沙も近くにいたし、風呂の時間は短い上に周りにも人が多かったから……逆にいうとここまでよく我慢してくれたとも言えるのかもしれない。
そのせいだろうか。
隼人がまた神妙な表情で声をかけてきた。
「いいか康貴」
「ん?」
何故か正座した隼人が改まった声で言う。
「修学旅行はな、男女問わず特別な気分になる一大イベントだ」
確かに愛沙もちょっとハイだったな。
「お前らはいつもかもしれないが普段会うことのない夜の行動や、私服姿を見ることになる」
「なるほど……」
「高西を狙ってる奴は多いぞ? そんな中、秋津からたった今こんなメールが来た」
バッと見せてきた写真には、愛沙が部屋から追い出され一人ラウンジで座っている様子と、それを見て男子生徒がチャンスを伺う様子が見えていた。
「行ってこい!」
「そうだな。帰ってこなくても先生には何とか言っといてやる!」
「康貴、ヤルならおすすめの場所を何箇所かピックアップしといてやったからメールを見とけ」
「暁人以外はありがとう!」
写真を見せられた瞬間、自分でも不思議なくらい身体が勝手に動き出していた。