修学旅行準備
「よーし。班は決まったな」
担任の声が教室に響く。
合唱に始まり文化祭、体育祭とイベントの独特の高揚感が冷めやまぬ中、修学旅行の準備が始まった。
準備といっても自由行動の時間どこで何をするかを決めるだけだが、今回は活動範囲も広いためグループごとにどこにいるかを教師に伝えておく必要がある。その儀式みたいなもんだった。
「よーし。大阪に行こう」
「ま、京都奈良って中学でも行ったもんねー」
男連中としては真が率先して行動を決めていき、女性陣としては秋津が率先する形になった。
ちなみに真がその役を買って出たわけではない。
「おいお前らもなんか言えよ」
「ま、俺らはどこでも楽しむさ。任せたぜ、班長」
暁人が班長の部分を強調して真の方を叩いていた。
つまりそういうことだ。ジャンケンの結果だった。
「隼人は行きたいところないのか?」
「ん? 俺か……俺はそうだな……寺に修行に行きたい」
打ち上げのときはやっぱりどこかテンションがおかしかったようだ。
あれ以来とにかくやたら寺にいきたがっていた。
「はーい。昨日活躍した康貴の意見を聞いときたいと思います!」
「なんでだ!? 隼人の方がよっぽどポイント稼いだだろうに」
「いやいやー、やっぱり応援団もこなしながらポイントも稼いだ康貴と有紀ちゃんは優先しなきゃー」
「ボクもかぁ」
女子は5人だった。
というのも、加納が修学旅行当日も自由行動の日は抜けないといけないことが確定しているからだ。
「ボクは全国を転々としてたからなー。それこそ本当に、どこでも楽しめるよ?」
「有紀はそうよね」
俺たちと離れてからも転校の日々だったらしい。
「ま、京都と奈良は集団行動で一通り回るんでしょ?」
「有名どころは回るみたいだな」
「だったら自由行動は大阪行きたいかなー」
東野が流れを決めてくれていた。
「じゃ、その方向で行くぞ!」
「ユニバはお金かかるから道頓堀でたこ焼きを食べたい!」
「大阪城くらい行っとかないか?」
「神戸ってダメなんだっけ?」
「中華街! たのしそー!」
なんだかんだで色々意見が出てきていた。
「康貴はどこも行きたいところはないの?」
「そうだな……まあこのメンバーならどこでもたのしそうだから」
「ふふ。そうね」
柔らかく笑った愛沙にドキドキさせられて、逃げるように話に入ることにした。
覚悟を決める。そうは言ってもどうして良いかわからない。
この話し合いがある意味、覚悟を見せるまでのカウントダウンのようで、それだけで変に愛沙を意識してしまう自分がいた。
チラッと盗み見た愛沙は、きょとんとしているだけだと言うのに可愛くて魅力的に見えていた。
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おしてくださああああああい(直球)
というわけでこちらもそろそろ加速させたいです
ハイファンでまた新作を出しております。
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復讐のネクロマンサー 〜使い魔を勇者に殺された俺は、殺した魔物の数だけ強くなるスキル【ネクロマンス】に目覚めて無双する〜