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体育祭

 

 文化祭はあのあと、吹っ切れた愛沙に振り回されるようにひたすら遊びまわった。

 最後は見かねた有紀が助けてくれるほどだった。


「ボクが止めなかったら周りの目を気にせず永遠にいちゃいちゃしてたでしょ?」

「それは流石に……」

「愛沙ちゃんって、まなみちゃんのお姉ちゃんだからね?」

「それを言われると……」


 ということで、次の日の体育祭のときに学年のアイドル高西愛沙が誰ともわからない男と楽しそうにはしゃいでいたという情報が薄れるように、途中から隼人たちやらまなみもひっくるめてはしゃいでパフォーマンスしてくれたわけだ。

 どの程度効果があるかはわからないけどまぁ、何もしてなければ今、愛沙の話でざわついていただろうことを考えると助かったかもしれない。


「ま、結局今日のこれでまた……って感じだけど。もう諦めて付き合ってくれたら楽なんだけどなー、ボクは」

「何が楽なんだよ」

「乙女心と老婆心が?」

「全然わからない……」


 まあ有紀の話がよくわからないのは今に始まったことじゃないから置いておこう。


「あ! いたいたー! 藤野くん出番出番!」

「ん?」


 走りながら声をかけてきたのは東野だった。

 実行委員の俺たちに指示を飛ばしながら今日は実況までやってるようで大忙しだ。


「出番? 聞いてないぞ」

「勝手に補欠に入れといたの! まさかほんとに休みが出るとは思ってなくて」

「おい……」


 東野が手を合わせて拝んでくる。

 可愛らしい仕草だが今から行われる競技を考えると何かしらの悪意を感じ取らずにいられなかった。


「借り物競走のお題……俺全部知ってるのにいいのか?」

「その上でお願いです! 大丈夫、これは盛り上がればいいやつだから」


 つまりまぁ、昨日の今日で多少なりとも話題に上がってしまった俺を出汁にしたいという話だった。


「東野を選んでいいなら考える」

「何言ってんの! お題覚えてる? ちゃんと」

「覚えてるよ。一番可愛い子を連れてこい、だろ?」


 借り物競争は名ばかりで、男子のお題は全て共通になっていた。

 そして複数指名のあった女子は誰か一人を選ばないといけないという演出付きだ。


「もうっ、私なんか連れて行ったら失格になるからね」

「それはないと思うけど……」

「はいはい。あ、ちなみにまなみちゃんは別の準備で呼べないから」


 逃げ道はきっちり塞がれていた。

お久しぶりです

この作品カクヨムコンに出してるんですが、今日締め切りなので一章のラストから向こうはオリジナルストーリー展開予定です

もし良かったらぜひ〜



あと新作短編だしてます

ランキングでふざけた名前を見たら私ですよろしくお願いします(?)

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