閑話:魔王の憂鬱
今回の視点はアレクではなく、
『魔王シルヴァトス』陛下です。
追加。
グロリアスを《剛》から《豪》に変更しました。
あと、閑話をつけ忘れてました。
「では、失礼します」
アレクが我が執務室を去っていく。
アレクの願望を聞いた我は愛しの妻エリザベートに目を合わせる。
「アレクの願望をしっかり叶えんとな」
「そうね〜。でも、貴方が学園を勧めるとは思わなかったわ〜」
「あの子は強い。本人は卑下しているが、充分世界に通用する実力を持っている。まぁ、妹のユメを見たら、あのように思うのは仕方ないだろう」
「そうね〜。あの子がユメちゃん並の力を持って産んであげられれば……」
「そう悪く考えるなエリザ。彼奴の決めた道を我等が無理矢理変えるのはよくないことだ」
そう。我も昔、父にお前が必ず次期魔王になれと言われ続け、窮屈な気持ちになった。
……息子にもそのような辛い思いをさせたくは無い。
「さて。明日は四天王や大臣を交えての会議だ。早く寝るとしよう」
「えぇ」
そうして夜は開けていくのだった。
明くる日。
「これより会議を始めます」
宰相の声と共に魔王と四天王達の会議が始まった。
出席しているのは、
魔王シルヴァトス。
王妃エリザベート。
四天王《力》のアンデュラー。
四天王《秤》のブロッケン。
四天王《棺》のハイディーズ・エンド。
四天王《豪》のグロリアス。
魔王軍総大将ノーストールetc……
軍の上層部が集まって会議が始まった。