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魔王の兄は転生者  作者: 民折功利
第二章 冒険者のお兄様

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メリアの冒険者登録

訂正。

迷宮都市に行くとかいって物語に一切触れてない為、

世界都市に変更させていただきます。

 


 現代地球と違って、この異世界は強くなくては生きていけない。

 街と街を移動する際に、魔物と遭遇したり、盗賊の襲撃があったりと、なにかと危険だ。

 まぁ、強い人を護衛に雇ったり、決死の覚悟で弱くても動く人がいたりと、全員が強くなる為に動いているわけではないが。

 しかし、冒険者は違う。

 態々、階級分けをして差別化をして冒険者という掃除屋を育成して魔物や盗賊という害悪を排除する。

 ランクが上がれば、名誉や名声、地位などの素敵なものが手に入りやすくなる。

 それが、自分の努力の賜物であるなら、良い。

 が、人間は誰しもズルをしたがる。

 虎の威を借る狐という感じに強者に付き従ってそのおこぼれを狙う弱者、金にものを言わせて実力に見合わないランクを手に入れる愚者がいる。


 俺は、そういう輩はあまり好きではない。

 まぁ、その生き方を否定するわけではない。誰しも自分で選んだ道があるわけだし。

 でも。


 でも、そんな馬鹿共が元気に喧嘩売ってくんのは頂けない。


 今日はそんなお話。




 ◆銀色の死神(シルバーデッド)アレク


 俺とニーファは、新たに加わったメリアの冒険者登録の為にギルドにやってきた。

 現在時刻は昼前で、他の冒険者連中が僅かながら居る感じだ。

 大会も終わり、王都フリードゥンに集まっていた冒険者や観光客が都を出ていく中、俺達はまだ王都から出ていない。

 まぁ、次の行き先を考えていないだけなんだけど。


「受付の人、この娘の冒険者登録をお願いできますか?」


「はい、わかりました」


 順調に進むメリアの登録を待つ中、俺とニーファはテーブル席に座って暇を潰していた。


「なぁ、次どこいく?」


「……どこ、かのぉ……」


 うーん。悩む。


 候補は三つ。


 一:世界都市ユグドラシル

 二:迷宮都市ラビンダン

 三:鉱山都市クラルタイス


 実際は俺が12歳以降になってから世界都市にたる学園に入学する予定なので、そちらに向かうのは決定事項。

 が、その方面に迷宮都市があるのだ。

 凄い行きたい。

 迷宮だよ?ダンジョンだよ?ラビリンスだよ?

 あ、鉱山都市はその反対方向に位置する。様々な希少価値のある鉱石が手に入る場所で、俺の暇つぶしである武器作成に使える物を探したい。

 まぁ、遠回りになるのでおススメではないが。


「迷宮都市で良いのではないか?確か世界最大の迷宮じゃっただろう?」


 そう。迷宮都市ラビンダンは世界最大の迷宮で栄えた都市。階層数は把握できているだけでも83階層。それ以降先に辿り着いた者はいないらしい。


「そうだな……メリアの意見も聞こ……あぁ?」


 滅茶苦茶、気分が害されたのですが。

 理由は簡単。

 カウンターから離れて俺達の方に来ようとしたメリアが男二人に言い寄られている。


「おい、嬢ちゃん、俺達のパーティ来いよ」


「相手してやっからよぉ」


「え、え、え」


 よし。あいつら殺そう。

 仮にも俺の所有物を奪おうとは。

 万死に値する。

 俺とニーファは立ち上がり、


「いやーすいませんねぇ。その人、うちのパーティメンバーなんすわ。残念ですけど他をあたってもらえませんかー?」


 手を挙げながら会話に割り込む。

 身長差が激しく、俺が相手を見上げる感じ。

 二人組の身長は片方が大柄な巨漢で、片方はひょろ長の弱そうな男。


「あぁ?……へぇ。だが、俺達Aランクと一緒に居た方が安全だろう?お前らガキがたがるんじゃねぇよ」


「そうだそうだ!」


 たかってるのはどっちかと言うと隣のひょろ長だと思う。


「なんか文句あんの?てか、でかくて邪魔。周りを考えろよ」


「あん?調子乗ってんじゃねぇよ!」


 怒りのあまり拳を振り上げてくる馬鹿を避けて、メリアの手を掴む。


「よし、行こうか」


「は、はひ」


 あらあら。緊張しちゃってる?いや、恐怖か?

 可愛いいウサ耳が震えてますよ。


「てめぇ、ガースさんの前で調子こいてんじゃねぇぞ!」


「黙れ小僧」


「グフゥ」


 なんか叫んだひょろ長がニーファの蹴りで吹っ飛んで消沈。


「ザニー!てめぇ、よくもザニーを……」


「あの程度の蹴りで沈むとは……本当にAランクかのぉ?雑魚ではないか」


「それな。てか黙れよカース」


「ガースだ!名前間違え…」


「るっせぇ。ご退場お願い申し上げます、Aランク冒険者のガー………、……?……カスさん?」


 飛び上がって巨漢の頭に蹴りを炸裂。

 相手は痙攣して死ぬ!


 あ、死にはしないか。気絶だけだな。








 その後。


 ギルドで騒ぎを起こしたのを聞きつけたギルド長に確保され、状況を聞かれたので返答。

 馬鹿二人のことを調べてみたら、遠方のギルド職員の一人が何故かガースのファンらしく、実力に見合わないランク上げを行なった結果、奴らはいい気になっていたらしい。


 俺とニーファが大会で暴れていたのを知らなかったのは、大会に参加しようとしたけど住処を離れるのが遅くて間に合わなかったらしい。

 結果、参加できなかった怒りに任せて面倒な事をやっていたらしい。


 巨漢のガースはそれなりに実力はあったらしいがBランク止まり。ザニーはそもそも雑魚。


 ガースの威を借るザニーだった。


 二人共、冒険者カードの剥奪、強制終了させたらしい。


 ギルド長からの苦言で、


「頼むからこれ以上俺の仕事を増やさないでくれ!」


 と、静かなる怒りを感じた俺達は以後気をつけると決め、そそくさと退散。

 これ以上いたら、ギルド長の小言に付き合わされそうだったから。


 にしても、馬鹿は何処にでもいるんだなぁ。


 俺はあぁなりたくないし、メリアもそうしたくない。


「アイツらみたいにならないように、メリアを強くしていこう」


「はい!お願いします!」


「そうじゃな。最低でも三回は死を見てもらわんとな」


「「えっ」」


 それ、ドラゴン基準とかじゃ無いよな?


 まぁ、これで『銀の翼』は三人と一匹になった。


「あ、次の行き場は世界都市になったから」


「む?わかった。じゃあ道中はメリアを鍛えんとのぉ」


「は、はい!頑張ります!」



 さぁ待っていろ!世界都市!



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