女子会
続けて投稿。
前話を見てない人は見てね。
&ステラ嬢の髪型を変更。
◆神竜二ールファリス/銀竜姫ニーファ
「初めまして、ステラ=リーン=エディスタルと申します。ミラノ王子の婚約者です。宜しくお願いしますね」
「我はニーファと言う。宜しく頼む」
『プニエルだよぉ〜』
目の前の少女。ステラと名乗った者を見る。
紺碧のドレスに身を包み、金髪の巻き毛を後頭部でひとつの束ね髪にまとめた、貴婦人めいた雰囲気を持つ美少女。
流石に彼女の容姿(胸辺りの一部分)を凝視することは無かったが、全世界の女性が羨むプロポーションを持つステラを見て、ニーファは自分の体を見て少しだけ落ち込んでしまった。
「……………年齢操作するかのぉ」
『へぇ?』
「えっと……?」
現在のアレクに合わせての身長は幼いままで、胸は愚か、全てに置いて敗北している気がしてならない。
「あー……ステラさんを見ると誰でもああなっちゃいますよね…」
「あれは理不尽」
「少しぐらい分けてくれないかしらね…」
ソフィア、シリシカ、クレハが嘆息しながら同情してくる。
ミュニクは目の前に置かれたお菓子に眼を奪われて、ステラの事なんか気にも留めない。
「ま、まぁ、第一回女子会を始めましょう」
ソフィアが始まりを宣言する。
本来ならもっとたくさんやっているのだろうが、我とステラが参加するので初期化したのだろう。
あ、場所は穴場スポットの静かな喫茶店。
アンティークな雰囲気とレトロな家具が調和を為して心地よく感じる。
「議題は…………やはり恋愛関係かしら?」
クレハは少しソワソワしながら議題の提案をする。
「「採用」」
シリシカとステラの賛成意見によって、恋話をしなければいけなくなってしまった。
「では、まずは私から………マサキ様のスキンシップが多くなったことから」
「「「(さっ!)」」」
ソフィアの発言で、残りのハーレムメンバー三人が一斉に振り向いた。
菓子を頬張っていたミュニクさえも。
「嫌じゃないけど、マサキ様が前より積極的になりました!!一杯頭撫でてくれます!」
「まぁ……親交がより深まったと言うところ、かしら?」
「治療前からの習慣になった魔力循環を今も続けてくださいますね。私が抱き着いても文句言わずに支えてくださいますし」
「冗談交じりに耳を撫でてって言ったら撫でられた。すっごく感じた」
「「「だから悶えてたのか」」」
「………だからアレは忘れて、と言っている…」
「楽しそうですね」
「じゃな」
………アレクが以前、勇者に話していたことだろうか?
『ハーレムマスター、マサキよ!』
『何ですかそれ……』
『我慢せずに積極的に行け!わかったな!』
『えっと……えぇ…』
いつもの乗りで語っていたが、奴は何を思って語っとるのかがたまにわからん。
「あ!ステラ嬢はどうなのですか?」
シリシカが露骨な話題変えをしたが、皆気になるのかステラを見つめる。
「えっと……私とミラノ様との関係は良好ですわ」
「夜の運動もですか?」
「ん、ゴホゴホ…ピンポイントに聞かないでください……まぁ、否定はしませんが……」
ソフィアの発言で少し噎せたステラ。
我も思うが、突っ込みすぎじゃと思う。
「そ、そう言うソフィアさんはどうなんですか?」
「ふふふ〜」
「え、ちょ、待ちなさい、ソフィア、貴女もしかして………」
「ふぇ?」
「………………抜け駆け?」
「秘密です(照)」
ソフィアの爆弾発言に勇者ハーレム勢、主に二人が羨ましそうに睨む。
なお、ミュニクは知識が無い様子。理解していない。
「夜の運動って何ですか?プロレスですか?」
「ま、まだミュニクちゃんには早いかしら……」
ステラが必死に誤魔化そうとしているのを横目に我はクッキーを一つ口に入れる。
む。ほのかな甘みが良いな……これは林檎かの。
「ところで、ニーファさんは?」
ソフィアが二人の追及から逃れるように聞いてくる。
「まだ同衾だけじゃが?」
「同衾でも十分だと思いますけど……」
「まだアレクは11歳じゃぞ?それでもか?」
「「「えっ」」」
何故か驚くソフィア、シリシカ、クレハ。
「11歳?アレが?嘘」
「ほ、本当なのですか?」
「………不思議」
まぁ、奴の見た目と言動は11歳にしては大人びてあるからの。
いや、もうすぐ12歳か。それでも若いが。
「世界七不思議の一つに入りそうですね……」
ソフィアの素っ頓狂な言葉に耳を傾けながら、アレクと出会った時を思い出す。
最初から不思議だと思っていたし、我と出会っても物怖じしない奴だった。
それでも……何処か惹かれてしまう。
だから、我は奴について行っている。
だがやはり…………名前呼びは長き年月を生きる我にも恥ずかしいのは変わらない。
まぁ、それも人生……竜生初の感情なので、戸惑いながらも良いと感じてしまうのだが。




