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魔王の兄は転生者  作者: 民折功利
第二章 冒険者のお兄様

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男子会

 

 妹のユメに手紙を出した方が良いと思って、リョーマが趣味で撮っていた写真を一枚拝借して先日送った。


 リョーマの趣味は写真撮影で、今まで倒した魔物とのツーショットや、家族写真などがたくさん保存されていた。


 この世界のカメラ技術は、発展段階に等しく上流階級の者達のみしか持てない程の金額。

 機能も、撮影と録画、保存のみで、無属性魔法の《文書複製》によりプリントできる。


 しかも、脚立の物ばかりで、手のひらサイズの物は技術的に存在しない………のだが、何故かリョーマは持っていて、出所を聞いても笑って誤魔化されてしまった。


 そして、大会が終わって二日間ほど休んだ俺は、勇者マサキと王子ミラノに呼ばれて王城に渋々足を運んでいた。


 親交を深める点もあるが、男友達の居なかった俺には丁度良い……うん。言うのは止めようか。


 女性陣は一緒には来ない。ニーファも含めて、王都の喫茶店で女子会を開くらしい。


 俺たち男性陣は、所謂『男子会』と言う名の愚痴り大会を開く。


 城門に来れば、


「アレク様ですね?ミラノ殿下がお待ちしています。此方へどうぞ」


 執事さんが態々迎えにいらして、王城内を案内してくださった。


「お、来たみたいだね」


「アレクさん、おそようございます」


「おそよう」


 先に待っていたミラノとマサキに挨拶をする。おそようの言葉通り、今は十時だ。


 男子会の会場は王城の中庭の一角。純白のテーブルとチェアーに腰掛けて、美しい庭園を眺めながら会話することができる。


「はい、って事で第一回男子会を始めます」


「「パチパチパチパチ」」


 俺の開式宣言と共に二人の控え目な拍手が起こる。一応室外なので、他者に配慮した結果だ。


「で?何を話すの?いや、愚痴るんだ?」


「あー………ミラノさん、どうします?」


 考えてなかったのかよ。俺が居ない間に決めとけよ。


「…そうだなぁ………じゃあ、女性関係に関してで」


「「えっ」」


 えっ。


 何それ。マサキと被ったんだけど。


「あ〜……マサキ君は女性関係が素晴らしいことになってたね」


「素晴らしいこと……不倫、二股、浮気かな?」


「何でそう翻訳しちゃうんですか!?ち、違いますよ?僕、そんな事してませんからね!?」


 あ、うん。わかってるよ?だから、そんな必死に否定しなくてもわかってるよ?


「主人公あるあるだもんな。仕方ないよな」


「はいっ!?」


「主人公あるある…?」


「勇者とか英雄な者の周りには可愛い女子が群がる事。例えば鉄剣リョーマ」


「あぁ〜〜なるほど」


 ミラノに教義しながら、話を進める。

 奴も奴隷ハーレムを築き上げてるって話だからな。


「あ、アレクさんはどうなんですか?」


「俺?………………さぁ?」


 今はニーファと言う名の無駄食いを相手にするので精一杯……あ、あとプニエルが居た。それで今は十分だな。


「よくよく考えれば、プニエルも雌に位置するらしいから、俺もハーレムを築いてる?」


「え………ちょっと違うと思いますね…」


「うん。プニエルちゃんは人型じゃないから加わらないと思うよ?」


 まぁ、俺も思っていた事だけどな。

 プニエルも一員認定されてたら、なんか怖い。


「ところでミラノは?」


「私かい?私は婚約者一人で手一杯かな」


「婚約者……あぁ、彼女ですか」


「誰?」


 なに、ミラノには婚約者が居たのか!?


 同じ王族の俺には居なかったぞ!

 まぁ、俺は城を出てるから無駄なんだけど。


「ステラ=リーン=エディスタル。エディスタル公爵家の長女で可愛い子だよ。確か、今日は女子会に参加しているんじゃなかったかな?」


「はい。ソフィアが言ってましたね」


「ふーん」


 なるほど、ミラノの奥さんは彼に恥じぬ存在なのね。


「そういえばアレク君はどうなんだい?ニーファさんとの関係は?」


「あ、それ僕も気になります」


「えっ………………関係?」


 関係。あのニーファとの関係。なんだ?


「うーん………まだ出会って一年ちょっと…あ、最近なんでか知らんけど名前呼びされたな」


「へ、へー。そうなんだ(以前、シリシカがニーファさんに提案してたのを見たけど………それかぁ)」


「仲が良いんだね」


 やっぱり、隣にいる友人……気安い仲間?なんだろう?


 まぁ、気にしても無駄なんだろうが。


 男子会は日が暮れるまでお開きになることはならなかった。


 途中でチェスやリバーシを始めた所為だな。



 まぁ、楽しかった。


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