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魔王の兄は転生者  作者: 民折功利
第二章 冒険者のお兄様

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ヘルアーク武闘大会-決勝戦前夜

 

 俺とニーファ双方の試合も順調に勝利の道を歩み、遂に決勝戦に出場する事が決まった。


 齢11歳の少年魔族と年齢不明の少女竜人が争うという異例の決戦。


 そんな試合明日迎えるという事で、俺達二人はいつも以上にピリピリしている……訳でも無く、宿で一緒に寝転んでいる。


 既に八時を過ぎており、明日の九時までに闘技場に向かえばいいので早く寝るつもり……なのだが、俺達は目を瞑る事も無く、ただボーッと呆けている。二つの離れたベッドの上に寝転んで。


「…………明日かぁ」


「……明日じゃのぉ」


『すぴー……すぴー……』


 プニエルの無意識な念話による寝息が静寂な空間を通り抜け、一種の膠着状態にリズムを刻む。


「………………勝てっかなぁ」


「……………どう潰すかのぉ」


 互いに明日の敵が共に居ると言うのに、二人はなんの気も無しに作戦を練る。

 それがこの場に居づらいからなのか、気晴らしでやってるのか、二人には理解できなかった。


「……おいお主」


「!………なんだぁ、って」


 突然、ニーファが喋りかけてきたので少しビクつきながら振り返り、そして驚き、赤面した。

 すると、先程まで隣のベッドに居たニーファが音も無く此方のベッドに乗っていた。

 しかも、振り向いた俺の顔の至近距離で。


「……なんじゃ、顔が赤くなっとるぞ?」


「っ……な、なんでもねぇ……で、どうした?」


 直ぐに前を向いて、わざと話を遮る様に続きを話す様に促す。流石に至近距離はヤバい。相手はあの駄竜だが、流石にダメだと思う。


「なに……明日は負けん、と言おうとしただけじゃよ」


「……………へっ」


 俺は思わず笑ってしまう。時間が時間なので、近所迷惑を考えて口元を押さえ、必死に笑い声を押さえ込む。


「な、なんじゃ?何が可笑しい」


「いwwやww…俺に勝てる自信が満々で……なwにwがww明日は負けんだよwwそこは御都合主義で俺が勝つに決まってんだろwwww」


「御都合主義って何じゃ!!そんな物へし折ってくれるわ!」


 少しお怒りのニーファを一応宥める。明日の試合で鬱憤を晴らされたら、俺は兎も角、会場どころか王都が消滅するかもしれん。

 ………積年の怨を晴らされてもおかしくない事したしなぁ。


「ま、観客共の度肝を抜いて、好き勝手に暴れまくれば良いんだろ?なぁ?」


「……それが我等らしい、か」


 適当に語ってみたら、何か共感を得た。


 ………まぁ、明日は楽しい決勝になるでしょう。



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