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魔王の兄は転生者  作者: 民折功利
第二章 冒険者のお兄様

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幕間:勇者参戦

武術大会を武闘大会に変更

 

 ◆勇者マサキ


 異世界に来てから早一年。


 あの日、異世界転生をした後に世界同盟のお偉いさんから、太陽神からの天啓とこれからに付いての頼みとお礼を言われた。


 自分自身、死んだのに第2の人生を歩む事を許されたのだから、礼を言われる気は無かった。


 クリアス枢機卿という方に、


「何かあれば、我々を頼ってください。必ず、力になります故に。…………それと、ソフィアの事、宜しくお願いしますね?」


 と。


 後日わかった事だが、ソフィアは僕の補佐として活動するらしい。

 聖女だからかな?……まぁ、最初は滅茶苦茶美人なソフィアとの生活は、ドギマギしたけれど、何だか、慣れてしまった……良いのか悪いのか…。


 その後、世界都市を中心に勇者として活動する中で、様々な人と交流を深めたり、新たな仲間を加えたりしながら、頑張って行った。


 あぁ、僕には勇者としてのスキルがある。


『勇者スキル』と言われ、歴代の勇者達も持っていたらしい。


 僕のスキルは、『聖剣錬成』。


 自らの手で聖剣を生み出す力だ。

 ………まぁ、今では聖“剣”には、見えない武器も作れるようになったけれど。


 僕に着いて来てくれている仲間は計4人。


 一番親交が深い癒し聖女のソフィア。

 ある事を調査するエルフのシリシカ。

 家の復権を目指す元令嬢のクレハ。

 天真爛漫な元奴隷で獣人のミュニク。


 …………………はい。見事なハーレムを形成しています。

 前世の僕は、


『は?ハーレム?有る訳ないじゃんwww』


 と、ラノベを読んで思っていたけれど、ありました。現実に、ありました。


 ごめんなさい、作者さん。異世界から謝罪致します。


 まぁ、まとめてはっきり言うのなら。



 一年で僕は異世界に順応しました。

 ………早いかな?






 大変な事になった。


 僕等のパーティの回復担当のソフィアがダンジョン探索で重傷を負い、左腕を失ってしまった。


 教会の持つ医療技術でも、腕の再生は無理だ。と、クリアス枢機卿が青い顔をして項垂れていた。


 例外に、聖女自身は部位欠損や死一歩手前を魔力を引き換えに再生、回復させることができるらしい。

 左腕は重要な器官の一つらしい。

 魔力の循環がしやすく、魔術を振るう心臓に最も近い左腕。それが使えないとなると………魔力制御や行使が格段に難しくなり、左腕を使って魔法を詠唱していたソフィアは……所謂、魔法や魔術が使えない状況になる。


 当のソフィアは、


「ご、ごめんさい……私のせいで、皆を混乱させて……」


 と、自己嫌悪になってしまっている。現在は勇者活動を一時休止して、彼女の看護に力を入れている。


 しかし、それにも限界がある。


 彼女を癒し、元のソフィアに戻す為の方法を、僕達は探した。


 ……そして、呆気なく見つかった方法は、霊薬を使った治療法。


 霊薬。全てを癒す伝説の薬で、不老不死になる可能性がある神の秘宝だ。


 これを保持している大物貴族や大商人、王族も少なからずいる。


 が、勇者特権で霊薬の貸出を願っても嫌がられるはずだ。


 だから僕は、優勝者に賞品として『霊薬』が授与される世界規模の祭、『ヘルアーク武闘大会』に出場して、霊薬を取る事を目標に参戦する事にした。


 元々は、世界都市の大闘技場で行われていた大会だが、ヘルアーク王国と獣王国の二カ国でも開催する事を昔決定したらしく、それが今も続いている。



 僕は、勇者として大会に出場して、霊薬を手に入れる。仲間の為に、ソフィアの為に。そして………自分の為にも。


 必ず勝たねばならない。


 予選を難なく乗り越えた僕は…他の出場者の力に驚愕と最悪の想定をしてしまった。


 負けてしまうのではないかと。


 でも……勝たなければ。


 僕は、強く意思を持って、本戦出場の為の控室に足を運ぼうとする。


「マサキ!」


 後ろから声を掛けられ、振り返ると鎧服を着たをクレハと、ミュニクとシリシカ、そして………ソフィアが。


「頑張りなさいよ!」


「マサキ様…ミュニク達も応援頑張るから!」


「………勝ちなさいよ」


「うん……ありがとう」


 三人の声援に身を固める。


「マサキ様………私のせいで…いや、私も恐れるのを辞めます……頑張ってくださいね!皆で、応援してますから!」


「!……はいっ!」


 悩みを振り切れた訳でも無いのに、ソフィアは笑顔で答えてくれた。


 僕も、全力で。今を超えて。全てを尽くそう。




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