報告とギルマス
ヒリング草の採集とコボルト…もとい変異種の討伐を終えて、王都フリードゥンに戻った俺達は冒険者ギルドに向かう。
「すいません、依頼達成と報告をしたいんですが」
「はい、どうぞ」
早速、ヒリング草103株をカウンターに置く。
「「「「「「えっ………」」」」」」
「まず、ヒリング草の採取依頼ですね」
「え、えっと…これ全部ですか?というか、魔法鞄持ちですか??」
「それがどうか?」
「「「「「「…………………」」」」」」
「と、兎に角、確認させていただきますねっ!」
職員が総出でヒリング草の真偽を確認する。
「えっと……これ本当に君達が?」
「「そうだけど?」」
「は、はぁ…」
む。納得してないな。まぁいいや。次の爆弾を投入しよう。
「あと、コボルト討伐の依頼なんですが…」
「えっと…失敗してしまいましたか?」
探るような声で訪ねてくる受付嬢。他の冒険者達も疑惑の目を向けてくる。
「なんか、変異種?っぽいもんが十匹」
アイテムボックスを通した魔法鞄から狂犬十匹を取り出す。
「「「「「「…………………」」」」」」
「あの〜」
「は、はい!こ、これ、あの森で!?」
「はい。屍肉に群がってましたね」
「誰か、ギルドマスターを呼んで!早……」
「俺はここにいるぞー」
受付の奥から現れた巨漢の男。見た目は髪を七三分けした色黒の傷が多い男。
「うわぁ…なんだこいつら。コボルトか?」
「ギ、ギルドマスター…」
「よう。そこのガキ二人が殺ったんか?」
「次、ガキ言うたらこの狂犬共と同じ道歩ませるぞ」
「少し黙れ合法ロリ」
「ほう…よく言うガキ…」
グサっ!
「「「「「「「「………………」」」」」」」」
「って、あれ俺の剣じゃねぇか!」
「嘘だろ……」
「おいデカイ奴。貴様、命はいらんのだな?」
「いや、えっと…すまねぇ」
見るとギルマスの顔の真横に、近くにいた冒険者の大剣が。
そりゃ怖いわ。
「んん。んまぁ、俺が王都支部のギルマスなんだが……こいつらはコボルトの変異種、で良いんだよな?」
「は、はい。類似点が多く確認できます」
「ほーう。お前ら二人何ランクだ?」
「「G」」
「「「「「………は?」」」」」
証拠に鉄色のカードを見せる。
「お前ら……今すぐランク上げしろ。実力が見合ってないだろ。どう考えても…」
「いや、コイツらが上位ランクの冒険者の荷物持ちとかじゃぁねぇんすか!」
馬鹿な冒険者が一人、此方を睨みながらギルマスに訴えかける。
「お前ら……さっきの剣見なかったのか?お前らCランクでもできんのか?」
「「「「…………」」」」
ギルマスの言葉で何も言えなくなった馬鹿共は下を俯いたまま黙る。ザマァ。
「まぁ、コボルトの事は分かり次第、こちらから報告させてもらう。お前ら、名前は?あと、カード寄越せ。ランク上げしとくから」
「只の新人冒険者のアレクだ」
「ニーファと言う」
「うし。あー俺の名前名乗って無かったな…俺はギエラだ。よろしく、そして報告感謝する」
ギルマスのギエラに報告を終えて、依頼の上乗せられた報酬を貰い、Fランクに昇格されたギルドカードを見てから、俺達は帰路に着こうとする。
「いやー。これでGランク抜けできたな」
「うむ。コックローチと同じじゃなくなったわ!」
「おい、お前ら、まさか路地裏のコックローチ事件って……」
「「さて、帰ろうか」」
「ちょっと待ちやがれっ!!」
後ろが騒がしいけど、何も気にせず俺達は帰る。
路地裏の奴等なんて知らん。思い出したくもないわ!




