活動開始
冒険者としとの活動をやっと始まるぜ。
いつまで続くかわからんが。
黒甲の奴等の隠語と同じでたまるかと、冒険者ギルドに突撃して依頼を探す俺達。
そこの先輩冒険者達に疑問の眼を向けられたが無視。
依頼が貼られた掲示板を二人で流し読みする。
貼られている依頼書は主に五つ。
採取・納品依頼。採取には薬草やキノコ、鉱石などがある。納品はモンスター素材などの納品依頼である。納品系依頼は町に住む生産者や領主が依頼主であることが多い。モンスターの肉や皮を数多く納品する依頼は狩猟依頼という風に呼ばれることもある。
これらの依頼は事前に受ける必要はなく、現物を受付に持ち込むときに、依頼を受けて即完了させることも可能だ。
ただし、出発前に依頼を受けない場合は、他の人が先に依頼を完了させると、素材を持ってきても依頼が締め切られることがあるので、先に受けておくのがベストだろう。
納品依頼には生産系アイテムの納品もある。冒険者というより生産ギルドや商業ギルドの場合もあり、そちらへ生産したアイテムを納品することが多い。
討伐依頼。討伐依頼は地球の害獣駆除と大体同じだ。ゴブリン討伐やコボルトなどの魔物や魔獣達である
雑魚系モンスターの討伐依頼は常時依頼がでたままになっていて、上限なしかある程度の上限で討伐数に応じて報酬を得ることができる。依頼主は領主や町、冒険者ギルドなどが公共事業として行うことになる。
依頼達成は討伐証明部位というモンスターの一部を持ち帰ることで完了になる。
証明部位はゴブリンは右か左どちらか決まっている片耳というテンプレだ。
護衛依頼。町と町を移動する商隊の護衛を商人に依頼される。対象はモンスターの襲撃のみならず盗賊などから馬車を守ることだ。
報酬は後払いのことが多く、到着次第商人に依頼完了のサインをもらい、冒険者ギルドに行くとポイントが貰える。
報酬に食事つきなどの特典がついていることもある。
護衛依頼の場合、野宿するときに夜間の見張りをするのも護衛任務の内に入っている。
探索依頼。新たに発見されたダンジョン・遺跡を探索するか、土地の様子を見に行く依頼だ。依頼主は冒険者ギルドの上部や領主である。基本的には地図や地理、モンスターの種類などを報告することで報酬が得られる。
冒険者ギルドはこの報告を基にダンジョンの地図を販売したりして利益を得る。
配達依頼。アイテムを他の町や人へ輸送・配達する依頼だ。親書だったり貴重なアイテムだったりする。
鮮度や期限が重要な場合、急ぐ必要がある。
その他、街中などの雑用系依頼がある。警備、店番、皿洗い、掃除、建築・修理の手伝い、荷物運び、生産の手伝いなどであり、多種多様だ。
俺はこれらの中から、Gランクが受けられるレベルの依頼書を探す。
「ん?」
俺が眼を付けたのは『ヒリング草の採取』と『コボルトの討伐』の二つのクエストだ。
ヒリング草は回復ポーションを作るのに必要な薬草で、独特の苦味を持つ。
コボルトは、その名の通り犬の魔物だ。弱そうな武器を持っていることもあるが、はっきり言って楽勝ルート。
Gランクの冒険者は大抵基本的な物を多くこなせば気づけばランク上げされるだろう。
Dランクからは試験に合格しなければいけないという制約があるのだが。
ニーファは、今のランクに見合わないクエストを見せてきた。
って、げぇ………
『路地裏のコックローチ調査』
何でも、ついさっき路地裏でコックローチ……日本語訳で『G』の哀れな残骸と体液が撒き散らされていたらしく、Dランク冒険者が受注して路地裏の調査をしてほしい、とのことだ。
これ……絶対、ニーファの奴だよね。チラッ
プイっ……
あ、眼を晒しやがった。
まぁ、ともかく、俺達は二つの依頼書を受付に出して受注し、王都近郊の森に向かう為に歩くのだった。




