港街シーイール
「おす。皆様、カイオウ号での船旅、大変お疲れ様でやした。海竜に襲われるというハプニングは起きやしたが、皆様の安全をお守りできてよかったです。三日間、ありがとうございやした!またのご乗船をお待ちしています!」
「「「「お待ちしていますっ!」」」」
港街シーイールに上陸した俺たちに、ザニック達が別れの挨拶をして、船旅は終わったのだった。
そして、下船した俺達は黒馬車を回収して、宿を取った。
「ふー。船旅も意外と疲れるな」
「うむぅ〜。本来の姿なら何の問題も無いのだがな……」
「いや、竜の姿じゃ船が一瞬で潰れる」
「誰が重いじゃとぉ!」
「い、いや〜?だ、誰のことだろね〜」
やべぇ。さりげなく地雷踏んじまった……
「………」
「い、いや、でもさ?人間の姿なら軽いやん?何の問題も無いじゃん?ね?落ち着こ?ね?」
「………フン」
あーあ。拗ねちゃったよ。
「あ、ほら。スイーツ買って差し上げますので。機嫌なおしてください…」
「………考えておこう」
…………よし。許しを得たぜ。
「超高級ケーキで許してやろう」
うわぁ。対価が高すぎーー。
「まぁ、それはともかく、お主この街で何かするのか?」
「明日、冒険者ギルドに行って登録する」
「魔族が人間の大陸のギルドで登録しても平気なのか?」
「んー?詐欺る?」
「詐欺るのか?」
『サギってなーに?』
「嘘をついて相手を騙すことじゃよ」
『へー』
「まぁ、耳が少し尖ってる時点でバレるけど」
「つまりは……」
「正直に行こうっ!邪魔してきたら潰せばいい!」
「前向きじゃのぉ」
駄弁りながら露店を巡り、買い食いをしながら街を歩く。
売られている商品はポートイールと同じものだった。
その後、特に目ぼしい物は無かったため、俺達は宿に戻り、1日を終えたのだった。




