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魔王の兄は転生者  作者: 民折功利
第十章 非日常とお兄様

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世界都市襲撃事件顛末

第十章開幕


 ───アレク=ルノワール、死亡。


 その訃報は戦闘中にも関わらず、ユメによる思念伝達で皆に知らされた。

 嗚咽を我慢する音が混ざりながら。





───中央公園


「なっ……アレクくん、が?」

「……どうやら、勝負はお預けにした方が良さそうですね」


 脳裏に走った情報を精査する間もなく、ミラノは驚愕に身を震わせた。

 信じられない、その受け入れ難い事実に。


 対してユステルは、直感で自身が仕える姫の異常に気付いた。今までにない程に落ち込んだ……いや、心を閉ざしたような暗い感情が渦巻いている。

 彼にとって戦よりも、姫を守ることの方が重要。


「また会いましょう、太陽の子よ」


 冬空の夜に消えていくユステルは、風を置いて空を駆けて行く。


 その様子を、ただ呆然と見ていたミラノは。


「……私も行かなきゃだね」


 神剣を鞘に納め、漠然とした思いを抱えながら、その一歩を踏み出した。

 ただ一つ、親友の死の真偽を確かめる為に。





───時計塔・跡地


「すぅー………破ァァァ!!!」


 フェメロナは激怒した。

 武勇を競えあえる仲間が、戦友の死を受けて、目の前で嗤う存在に。

 腸が煮えくり返った。


「ひゃっはははははははは!!!なーに?どーしたんだいお嬢ちゃん!!そんなにお仲間の死が……君たちの最高戦力の損失が悲しいのかい!?」

「……いや、戦で負け、死ぬのは戦士の運命だ。私がとやかく文句を言うものではない」


 だがな。と一言付け加えて、フェメロナは疑問符を浮かべる道化師ハーレクインに向けて。

 怒りの爪を振るう。


「奴と一度も合間見えていない貴様が!奴を侮辱するのはまず有り得ん!!虫唾が走る!!」


 腕に魔力を、爪に怒りを乗せて。


「弱者の癖に調子に乗るな!道化師!!!」

「っ……なんだぁてめぇ……俺っちに勝ててないお前が、弱者なんて言うんじゃなよぉ〜!!」

「ん?じゃあ本気だすな?」

「……………へ?」


 ─────《真獣転身》。

 フェメロナがそう呟くと、彼女の身体が隆起し、形容しがたい炎に覆われて巨大化していく。

 神聖なる力に身を包む彼女は、伝説の獅子の力をその身に宿す。


 炎が晴れ──…その奥には、金色に輝く雌獅子が君臨していた。


 獣人の中でも、選ばれた者しか使えないとまで言われる真の獣降ろし。

 中でも強い魂を宿すフェメロナの雌獅子は、他の転身よりも遥かに上の強さを持つ。


『覚悟しろ……とは言わんが』


 獣の唸り声と共に聞こえる声。

 真の転身を見せたフェメロナは、本当はあまりこの力を使いたがらない。

 なぜなら……


 戦いが、一方的になるから。


「っ!おっきい獣になった如きで……!!」

『もう喋らんでいい。死ね』

「なっ………はや───…」


 獅子が微光を巻きながら疾走し。

 ハーレクインの身体を、その剛腕に備わる王の魔力を宿した爪で……切り裂いた。


「ぎゃあああああああああああああああああ!?」


 上半身と下半身が離れ離れになるハーレクイン。

 吸血鬼の再生能力で元に戻ろうとするが、何故か再生することも、くっつく様子も見せない。


「っ!ま、さか……!?」


 ハーレクインは気付いた。

 今の彼女の魔力に、吸血鬼のような化け物を葬る力が……凶悪な神気が混じっていると。

 獣のように鋭く、研ぎ澄まされた死が。


 フェメロナは四つん這いのまま、ハーレクインの上半身を前足で掴んで持ち上げる。


『じゃあ、私は急ぐんでな』

「まっ、待っ!?ああああああああ!!ああああああああああああああああああああああああああ───」


 ぐしゃり。と握り潰した。

 灰と血煙となって、ハーレクインが消滅する。放置されていた下半身も塵芥となって消えた。

 道化師らしく復活、なんて展開が訪れるわけもなく。


『お前は道化失格だ。道化とは……客を楽しませるものなんだよ。一からやり直せ』


 半端者は、この世から完全に消滅した。

 風に巻かれて飛んで消える遺灰を眺めながら、フェメロナは全身の力を抜き始め。


『まぁ……私は道化師のことなんてよくわかんないんだけどな!」


 獣から人に戻ったフェメロナは、快活に笑ったのだった。





───青の港。


「あんらぁ……?」

「ひぃ……もう無理ぃ……」


 ヌイとラトゥールの鬼ごっこは、ヌイがバテた事で終わりを迎えようとしていた。

 そんな疲労で死にかけたヌイに光明が差す。

 本人の望まぬ光明が。


「どうやら……もう遊んでる暇はないようね?」

「えっ」


 死という終わりは望んでいなかった。

 顔を青ざめたヌイは、緋液をぶちまけて防御の構えをとる。

 ラトゥールの魔力を込めた拳が緋液を爆散させ、ヌイの命を刈り取ろうとするが、届かない。

 ヌイはただ惨めに走り回っていたわけではない。この場を打開する為の魔力を練りながら、ラトゥールの猛攻から逃げていた。


 今がチャンス。

 今しか転移する隙はない。


「悪いけど……まだ死ねないのよ!」


 緋液が渦を巻き。

 ヌイを飲み込む。


「あらぁ、本当に逃げちゃうのね?」

「ごめんなさい。今度は本気で戦うから……見逃してくれると嬉しい、な?」

「そんな顔されても〜、って、逃げ足早いわぁ…」


 追撃を加えようとしたラトゥールだったが、緋液に飲み込まれたヌイがその場から消えたのを察知。

 同時に、港を覆っていた液体が消えていくので、攻撃姿勢をやめる。


 ラトゥールが本気を出して追いかけず遊んでいたのは、港の損害が少ないから。そして、まるで敵意を見せなかったヌイの、悲痛な表情を見たからだ。

 手を抜きすぎた感もあるが、後悔はしていない。


 それに、魔力を込めた一撃を防いだのだ。

 それで楽しくなったのも否めない。


「でも……今度が楽しみね……」


 母親のような優しい笑みを浮かべて、ラトゥールは港を抜けたのだった。




───太陽教大聖堂


「絶技《無一天・刹那》」


 マサキの声が怪人の血肉に響き渡る。

 聖剣と同じように神気を内包する形状剣アインシュッドが、形を変え、モスダートを切り刻む。

 普通の生命体ならば、とっくの昔に死んでいる。

 そんな必殺の攻撃を何度も受けながら。


「ワハハハハハハハハハハハ……!!!」


 怪人は笑っている。

 神徒は生きている。


「成程なり……ソレガシはまだ最強ではなかったのであるなりか。大海の中の蛙井を知らずなり、か」

「いや逆です。井の中の蛙大海を知らず、ですよ」

「……なん、だと……!?」


 ルーシィが間違えて覚えてたのが悪い。

 大海原を知っている蛙なら井戸の中ぐらい知っているだろう。

 そもそも海辺にまで蛙が行くかわからないが。


 マサキは呆れたと声を出しながら、脳裏を反響する親友の死を噛み締める。

 信じたくはないが……覚悟せねばならない。


 その為にも、目の前の異形を殺さねばならない、のだが。


「まぁいい……続きをしようなり、勇者よ!」


 怪人の神徒モスダート。

 いくら切り刻もうと死なない怪物。吸血鬼と違う人工生命体であり、浄化の力も効かない存在。


 リスク覚悟で攻めねばならない……

 マサキが聖剣と神剣の融合をしようと、両手に双剣を持ち構えた、その時。


「っ……何っ…!?」

「む? ─────なんだ、これは?」


 モスダートの足元に、暗い奈落の穴が生まれ。

 間抜けな声を上げながら、モスダートは落ちて、その場から消えてしまった。

 虚空の穴も瞬く瞬間に消えてしまう。


 まるで、誰かに回収されたような。


「……ソフィア、フィリップさん。其方の方は」

「全員とは行きませんでしたが……助けられる人は、命を繋げました」

「助かった。来てくれてありがとう、勇者殿」

「間に合って良かったです。本当に」


 多くの死者を出した聖騎士団。

 疲弊し数を少なくしたが、直ぐに戦闘に復帰できるぐらいには回復するだろう。

 信仰心に厚い彼らだ。如何に絶望的な危機に陥っても、信じる神の為に身を投げ売るだろう。

 ……そう言った教徒を中心に構成されているからでもあるが。


「そんなことより……勇者殿、行ってください」

「っ……えぇ、そうですね。ソフィア、行こう!」

「はい!」


 もしかしたら、まだ助かるかもしれない。

 淡い期待を抱いて、マサキとソフィアは大聖堂から離れていく。


 それを見送るフィリップは。


「アレクが死んだ、か……」


 信じられない事実を受け入れられず、ただ破損した大聖堂を眺めるのだった。





───世界同盟本部前。


 ゼシア、ユメ、ニーファが取り囲む中央。


 そこには、灰の山が築かれており。時折吹く風が灰を巻き上げんとする。

 だが、不思議な事に灰は何処かに飛んでいかず。風に吹かれても、この死体の上にまた降ってきた。


 何とも不思議な現象。

 何処か現実味の無い死が漂うその場で、渦中に佇むゼシアは眷属の死を知る。

 《無明の神徒アイル》と《道外の神徒ハーレクイン》だ。


「【───情報確認。我が神徒《無明》と《道外》が戦死……、……? そんなのいたっけ?】」


 禁帝神ゼシアは配下の死に何の感情も抱かない。

 名前は覚えていないだけで、背格好は覚えているが……どれが該当神徒かわからない。

 《犠牲》と《緋液》はかなり長い付き合いなので流石にわかる。あと、《怪人》は見た目がアレなので区別が付きやすい。

 それ以外は……お察しの通りである。

 禁帝神ってサイテーなんだ。


「……その身体から、出ていってください」


 空に浮くゼシアの下で、憎悪を込めた目を向ける魔王がいた。

 ユーメリア=ルノワール。

 兄を殺され、姉を奪われた魔王が、神に牙を剥かんとしていた。


「【───残念。それは不可能。ワタシの魂とこの器は完全に融合している。……まぁ、器の死を許容範囲に入れれば分離は可能だけど】」

「っ……そんな……」

「残念じゃが諦めろ、ユメ。今は、の」

「……はい」


 ゼシアの嘘一つない事実と、ニーファの言葉に頷き返すユメは、それでも向ける視線は変わらない。

 やれやれと溜息を吐くニーファだが、彼女は顛末を知ってるが故に冷静なだけで……


 いや、冷静ではなかった。


「まぁ安心せい。お主の腸が煮えくり返っているのもよくわかるからの」

「に、ニーファさん……?」

「だがまぁまずはの?嫁の特権というものがあってじゃの?」


 ニコニコ笑顔のニーファ。細められた目の奥には燻る怒りの火が見えた。

 ニーファは相も変わらず無表情のゼシアへと振り返って、力を抜いた自然体となり……


「一発殴らせろ」


 笑顔で殴り宣言した。


「【───え、ヤダ……っ】」

「まぁまぁまぁまぁ」

「【───がっ……!?】」


 一瞬でゼシアの懐に潜り込み、具体的に言うと顔面とお腹を一発どころか四発ぐらい殴った。

 神竜のパンチは上級神にも普通に効くので、ゼシアは血反吐を吐いて吹き飛ぶ。


 ゼシアは空中で一回転して威力を逃がし、痣が出来た頬を擦りながら目を細めた。


「【───野蛮】」

「いや我、神竜じゃし。獣じゃし」

「ここぞとばかりに獣アピールやめてください!」

「ははは!」


 快活に笑うニーファは、そのままゼシアに手を払うように向ける。

 どっか行けのサインだ。


「【───ムスッ】」

「良いからはよ消えよ。熱線撃つぞ」

「【───……確かに、目的は達した】」


 納得したのか、ゼシアは両羽を羽ばたかせて夜の闇に溶け込んでいく。


「【───次会うときは戦争で】」

「っ……」


 息を飲むユメは、また神との戦争をしなければいけないのかと歯噛みする。未だ三柱の堕神が残っている中、全面戦争の終着点は見えない。

 

 世界都市から敵が消える。

 名有りの神徒は二人始末に成功したが、他の面々は戦線離脱。

 拘束されていた《死灰の神徒レティーナ》は、吸血鬼の膂力で何とか脱出し、その場から逃亡した。


 場を満たす静寂。

 ユメもニーファも、何も喋らない。ただ死んだ男が立っていた場所を眺めていた。


「……本当に、死んじゃったんですね」

「そう、じゃの」


 未だ受け入れ難い現実を前にするユメは、涙を止めきれず、再びポロポロと零す。

 ニーファはそれを見て、ただ彼女の頭を撫でてやることしかできなかった。


「───アレクくん!」

「───アレクさん!」


 そんな時、ミラノとマサキが合流する。

 二人は親友の名を呼びながら駆けて来て、少し息を整えながら、アレクの死体を探す。

 そこにあるのは、灰の山だけ。

 微かに残る銀色の魔力が、それが彼のモノだという明確な証拠になった。


「そんな……」

「くそっ……」


 悔いるように顔を顰める二人。

 仲間の中で一番死ななそうな奴が、一番最初に亡くなったのだ。信じられないのも無理はない。


「……本当に死んだのか、アレクは」

「っ……あっ……」


 遅れて駆けつけたフェメロナとソフィアも現実を知る。ソフィアに関しては、聖女という医療のスペシャリストなだけあって、余計に。


 ────アレクが死んだ事実は、当人が思った以上に深刻に受け止められた。




 禁帝神による世界都市襲撃事件。

 死者の数は4200人に伸び、負傷者は6000人。そして、居場所が分からぬ行方不明者が15人。

 商業地区壊滅、時計塔崩壊、太陽教大聖堂損壊、世界同盟本部倒壊、世界樹が一部壊死。

 敵側は神徒2名死亡、怪人86体死亡。


 《血の廃嫡姫》ルーシィ=ノーレッジの捜索、及び捕縛の指令が出され、魔王ユーメリアを筆頭とした捜索本部と、対禁帝神対策本部が設立。


 世界同盟最高評議会長エウク=レイデスは直ちに世界緊急宣言を発表、禁帝神達との戦争が本格的に勃発する可能性を視野に、連合軍の招集をかける。


 魔王国先代魔王シルヴァトスと先々代魔王ジークフリードにより、《魔界執行官》が凍結。


 サンボルド条約に伴い魔都エーテルハイトと世界都市を《門》で接続。更にヘルアーク王国、獣王国グランヒッツ、エルダニオン地下帝国も接続。

 エルフ自治領とシーレーナ王国を除く代表国家が統制を組み、対堕神戦争の対策を開始。


 魔王国第一王子アレク=ルノワールの葬儀は執り行わないと、魔王ユーメリアが発表。

 詳細は不明。


 神竜ニールファリス率いるアレク一派、離反。


 ……此度の事件により、世界は戦争に向けて大きく変わった。

 奇しくも、神々の盤面の思うがままに。





───魔法学総合研究所・地下


「あぇ? ───…それ何のドッキリ?」

「…多分………事実」

「っ……成程、そう来ちゃったか……」


 地下で《銀嶺》の修理、改造をしていたクロエラとマールにもその知らせは届いた。

 親代わりの研究所所長アルトテリスが、機械兵を率いて怪人の群れを相手していた後に。


 クロエラとマールもそこに混ざるべきだったのだが、アルトテリス本人から計測の邪魔だから来るなと言われたらしく、渋々作業に専念していた。

 マールはいつ敵が入って来てもいいように、氷の杖をスイングしていたが。


 その戦いはもう数分前に終わっていたのだが。

 淵妄の神徒ディアジムは禁帝神の撤退により、自身も退却を選択。生き残りの怪人を連れて消えた。


「まずいなぁ〜、一応巻物は持ってるけど……」

「…何の巻物?」

「アレクくんの土魔法」


 クロエラは、ガラスケースに内包されている、アレクから渡された巻物を見る。中には彼の土魔法とやらが詰められているらしい。

 銀嶺を真の姿(理想像)にする為には、アレクの力が不可欠。そうクロエラは考えている。


「…これから、どうするの?」

「今までと変わらないさ。でもね……アレクくんの死なんだけど、“何か裏がある”と思うんだよね」

「! ……裏…?」


 クロエラは思案する。

 フラスコの中の魔力液を揺さぶり、ビーカーの中身のどす黒い血を入れ、反応を確認しながら。

 ボサボサの灰色の髪を靡かせ、友の思考をトレースしようと目を瞑る。


 たった一人で、あらゆる頭脳の先を行く男。

 魔工学という分野に縛られてはいるが、彼の頭脳は世界の技術を底上げする。

 その頭脳が、アレクの為だけにフル回転される。


 “何処か微かに感じる計画性”・“アレク=ルノワールの神化”・“変化と停滞”・“転生者”・“肉体の喪失”。

 散らばっていたピースを、彼なりの考えで纏めて集めて、組み合わせる。

 間違い、直し、時にそのままに。


「───もしかして」


 やがて。

 クロエラは妖しく微笑む。新しい実験体を見つけたような笑みと共に、狂気を宿した目を開く。

 両手を広げ、喝采するかの如く。


 彼は喜んだ。


「あぁ、そうか!そういうことか!!有り得る!君なら考えそうなことだ!!アレクくん!!!」


 答えに辿り着いた彼は、正しく狂人だろう。

 何故なら、アレクと同じく、“死を恐れていない”という証明でもあるから。


 狂ったように笑うクロエラは、訝しげに見るマールの手を握りながら、笑う声を収める。

 そして、クルクルと回って、異空間格納庫のスイッチを押して完成間近の銀嶺と……彼のラボにある全ての発明品を収納していく。


「はははは!!!これから忙しくなるぞ!何せボクは!前人未到の“果ての地”へと行くのだから!!」

「…私も、ついて行く」

「そうかい!?なら安全策もちゃんと用意しなきゃだね!君も死んだら目覚めが悪い!!!」


 まるでそこを出払うように。

 黙ってただ回るだけのダンスに付き合うマールは、クロエラの言葉を待つ。

 その瞳に宿るは、急かす感情。

 かなりの時間を共に過ごした魔工学師の、突拍子もない結論を受け入れる為に。


 そして、クロエラは自分達の行き場所を告げる。

 そして、マールは肯定した一分前を後悔した。


 クロエラは高らかに、行ける事を微塵も疑わず、己の技術力でその地に導かれんとする。

 普通なら誰も行きたがらない、その場所へ。


「ボク達も行こう─────…“ 地獄 ”へ!!!」

「!?」


 流石に無理だが。

 導かれた彼の答えは……核心を突いていた。


初めての《真獣転身》描写であっさり駆除される道化師ェ……


ニーファが離反というのは、正確には世界同盟との協力関係を解いたって感じです。

アレクいないからね。

彼がいなければ、神獣という突起戦力は手を貸しません。

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