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魔王の兄は転生者  作者: 民折功利
第九章 掌の上のお兄様

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頭の痛い話


「にっふぁ〜…!」

「面倒臭いの〜」

「心底面倒臭い隠居したい……いっその事、世界破壊魔法でも作ってぜーんぶ消し飛ばしたい……」

「名案かもの〜」


 異空間のリビング。そこに集まる面々の前で、俺はニーファのお腹に顔を埋めて沈んでいた。

 いやもうホントに無理面倒臭い。


「天父神が召喚した転生者、ですか……」

「で、その中に変態野郎がいるってこと?」

「可哀想だからやめてやれいいぞもっとやれ」

「矛盾しとるぞ」


 メリアは世界同盟本部襲撃を重く見、ルーシィは前世の知り合いの存在を知る。

 はー、自称勇者とか殺し屋とか盗賊とかはぶっちゃけどうでもいいんだ。でもね。


 友人と並行世界の自分はないだろ……


「あんのオタクくん、転生してるってことは十中八九、痴情のもつれだろ?」

「背中をグサってされたのかな……」


 俺とルーシィ…いや、凜音ならわかる広瀬弥勒という日本人。

 ショコラというキャラが大好きなオタクであり、休日はなゆなゆフレンドと遊ぶチャラ男。

 初の盗みがアイスっていうバカ。なんだっけ、確か……えーっと飲むだか吸うタイプのやつだったと思うんだけど。

 マジで面倒臭い。


 それに加え、あの白いフード着てたムクロってやつ、ガッツし俺じゃねぇか!顔の造形から身長まで俺だったわ!てか声でわかった!うん。

 19年間も見てきて使ってきた身体を俺が分からないわけないだろ!


 だから嫌がらせでアレク=並行世界のお前って情報を気絶するぐらい脳の処理が追いつかなくなるレベルの事を魔法でサラッと教えてあげた。

 かっこいいとこなんて見せねぇよ?


 ……あ、並行世界の俺についてはニーファ以外には言ってない。ルーシィは特に。見た目が俺だから接触しに行くに決まってる。ここは黙ってるが吉。


「ニーファは神徒を倒したんだっけ?」

「いや、迎撃して逃げられた、が正しいの」

「ふーん……」


 世界同盟本部襲撃事件の際、世界都市に近付く神徒がいたらしい。で、それを察知したニーファが攻撃される前に攻撃して退けたらしい。


「確かアレは《嵐の神徒》じゃったかのぉ…」

「なーにそれ」

「ボクの仲間だねー」

「うわっ!?いたのかナチュレ!」


 ニョキニョキと床から生えてきたぞ。

 てか、仲間ってことは……


「天父神のか」

「そーゆーことだねー。封印がー、解けたってことだろーねー」


 天父神が作った最初の神徒。名を《四神源徒》。

 世界を構成する四つの属性が人の姿を得た神徒で、人から神徒になった奴らとはレベルが違う。


 で、確かナチュレもその一人。

 なんで知ってるかって?転生者が五人いるって言ってた時に普通に教えてもらった。


「……ナチュレ、あなたここにいていいのかしら?主の所へ戻るべきではないの?」


 カグヤの疑問は最も。コイツは天父神側の神徒だからね。主…創造主の所に行くのは普通だ。


「んーとねー、行ってもつまんない」

「「「つまんない」」」

「あと世界壊すーってうるさいから嫌いー」

「「「嫌いなのか」」」


 俺とニーファとルーシィの声がハモった。

 てか天父神様は世界の破壊をお望みなのですか?なんでー?面倒臭いよそういうことやめよー?


 てか子供に見限られてて草。


「……お兄ちゃん、私に隠してることある?」

「ん、え?ないよ?」


 ナチュレの扱いは今まで通りってことが決まった辺りで、ルーシィが俺の膝の上に乗って問う。

 はぁー、なんでこういう時の勘は鋭いの?


「……知っても困らない?」

「うん!」

「並行世界の俺が転生してる」

「……ほえ?」


 妹に隠し事は無理なんだね。

 そして案の定、会いに行くとか言い出したので拘束した。ほら、俺の膝の中だぞ。喜べ。


 あー、ホント。期限日(・・・)近いのに……

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