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魔王の兄は転生者  作者: 民折功利
第六章 大迷宮とお兄様

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VS大悪魔

時間かけて書いたのに、間違えて消去押してしまったので投稿するのに間が空きました。

読者の皆様、すいませんでした。



 祖父母邸で一夜を明かした一行は、朝食も頂いたので恩返しをする事にした。


 部屋の掃除、壊れた箇所の修理、肩たたきetc…


 結果。


「わー……思ってた以上に掃除する箇所がない」


 部屋綺麗埃ひとつも無く。


「あー……特に直すような場所が見当たらない」


 壁や道具にひび割れ、凹みの一切が無く。


「あ〜〜……もうちょっと上じゃの〜」

「んっ。上手だぞ二人とも」

(((ほっ……やることあった………!!!)))


 肩たたきというか、全身マッサージは出来た。



「「「「なんか大して役に立たなくてすいませんでした………」」」」

「いやいや気にするでない」

「そうじゃよ。というか、10年以上顔を出てない儂らの方が何と言うか………のう?」

「うむ……」


 完全に非があるのはこちらだと言うように空を見上げる二人に、全員は苦笑いしか返せない。

 だって事実だし……


「それに最後までお世話になっちゃって……」


 ユメが言う通り、ここは祖父母邸ではない。

 ダンジョンの20階層……ボス部屋へと続く扉の目の前にいるのだ。


 ルミニスの転移魔法様様である。


「じゃあ儂らはここで、な」

「健闘を祈る」


 そうやって、見送りの手を振る二人に、全員が笑顔で答えた。


「「「「「はい!」」」」」


 ……性格上、ニーファやメリア、ミラノとかは無言で会釈したので全員では無いのだけども。


 何はともあれ、中層にあるはずの障害を軽く避けて到達したパーティは、門を開けてボスへと戦いを挑む。


 扉越からでも感じられる程の威圧感を払い除けるように笑っていた一同は、皆一様に気合いを引締め目を細め、下層へ続く為の難所へと飛び込んだ。












『よくぞ参った、客人達よ』


 その空間は厳かながら寂れた宮殿だった。

 古めかしい装飾の壁や柱、垂れ下がり埋められた木の幹や根の一部。


 縦長の宮殿の奥に置かれた巨大な玉座。

 そこに座るは人よりも遥かに大きな巨人。


 否、人を象った黒い闇、そのもの(・・・・)


 強いて外見を語るから、角のような突起と紅い双眸を持ち、身長以外は人間と大差の無い四肢。

 口の様に歪んだ紅い割れ目から発せられる魂を掴むような声。

 肉体が無いのか、曖昧な形で存在する闇。


 正樹やユメ、合流したアレク達も、自然とゆっくりとした足取りでその闇の前へと足を運ぶ。

 その足取りは、警戒と発せられる威圧に対しての緊張による体の強張りか。


「あなたは……何ですか?」

『我輩は地獄に住まう悪魔。此度は我輩を召喚する為に集められた魔力に応えて召喚に応じた次第だ』


 張り詰めた緊張を拭う為か、質問をした正樹に丁寧に答える闇……否、悪魔。


『那由多の時を生きる我輩を喚ぶ猛者は千年ぶりでな……少し張り切ってみたら……まさか迷宮のボスをやる事になるとは思わんかったがな』


 少し悲しそうに、しかし愉快そうに悪魔は笑う。


『此処に来た諸君らの素性はいっさい知らんが……我輩を楽しませてくれよ?』


 大袈裟に腕を高く上げて、勢いよく玉座から立ち上がって、その悪魔は高らかに名乗りあげる。


『名乗ろう。我輩の名はローグライムっ!

 地獄の公爵にして、悠久の時を生きる最古の悪魔なり!』


 高らかに宣言した悪魔……ローグライム。

 その声からは、始まる戦闘への興奮と、魂の高揚によりテンションが高くなっている事がわかる。


 そんな悪魔に続く様に、名乗るべき者は名乗りをあげる。


「聖剣の勇者マサキ」

「黒薔薇の魔王姫ユーメリア」


 勇者と魔王が名乗り……そして、全員が後ろを向いて「お前も名乗るんだよ」と厳しい視線を向ける。


 当の本人は心底意味が分からないといった表情を浮かべて、高速首振りを披露するが……


 隣に立つ妻に肘鉄を脇腹に食らって悶える。


 第一、このメンツを決めたのも彼。

 つまりリーダー的存在である為、名乗らせるのは仕方ないのかもしれない。


 全員の意思をくみ取って、渋々と名乗る。


「……極普通の一般魔族アレク」

「「「「「「「「「「嘘つけ」」」」」」」」」」

「………ノーコメント」


 全員が揃いも揃ってツッコミを入れ、虚ろな顔を浮かべるアレクを見たローグライムは、笑う。


『クハハハハ…!!!愉快な連中ではないか!

 さぁ!我輩を存分に楽しませてくれ!!』


 戦いの火蓋が切って落とされた。


 ─────大悪魔ローグライム が あらわれた!









『先手は汝らに譲ろう』


 強者の余裕か、ローグライムは此方に先手を譲って玉座にドカンと座る。


 その言葉に乗って正樹は聖剣を錬成しようと手を出し、ユメは暗黒魔法の術式を起動しようとした、その瞬間………


「《インドラの矢》」


 アレクが、いきなり禁術を発動。

 悪魔と玉座全体を覆い潰す大きさを持つ紅き雷。


『ほう』


 かつて、龍泉霊峰を崩壊に導いた禁術をもろに喰らったローグライムは……余裕で受け止めた。

 右手を前に出し、直撃した紅き雷は二つに裂けて玉座から逸れ、後方の壁に二つの風穴を残し……否、倒壊させて空間の壁を曝け出した。


『おぉ………素晴らしい!坊主、ただの魔族ではないな!面白い!』

「興味持たないで…」


 サラッと攻撃を受け流されたアレクは、焦った様子も見せずに、というか興味を持たれた事による不快感を全身から放っていた。


 先手を譲った悪魔ローグライムは、玉座から立ち上がって力を行使しようと動き出す。


 だが、攻撃させないと正樹とミュニク、フェメロナ、ミラノ、メリアの前衛組が攻撃を開始する。


「《聖刻の大天》っ!」

「とうっ!なのです!」

「《限定転身》………《多連獅脚》!!」

「ふっ────」

「はぁっ!」


 聖なる大剣と、ナイフを使った連撃、獅子の連続蹴り、炎の一閃に爆発する一撃。

 それを悪魔は諸に受けるも……容易く捌く。


『クハハハハハハ…!!!ぬるいぬるい!』


 ローグライムはまず最初に、聖剣の腹の部分に指を突き刺し、穴を開けて破壊。

 連続して突き出される獅子の脚を無造作に掴み、フェメロナを遠くに投げ飛ばす。

 蹴りの隙に短剣を挟もうとしたミュニクに向かって、砕けた聖剣の欠片を掴んで飛ばして迎え撃ち。

 燃える神剣と爆発する戦棍には、巨腕を横に振るって受け止め、更に回転して吹き飛ばす。


「くっ!」

「きゃっ!」


 勢いよく飛ばされた者達を後目に、後衛組が魔法を発動して悪魔の動きを停めようとする。


「《クリム・サークル》っ!」

「《セイクリッド・デーモン》!」

「《光の精霊よ》!」

「《死を誘う闇》!」


 クレハの手で悪魔ローグライムの足元に紅い魔法陣が構築されて鎖が伸び、動きを封じる。

 そこに浴びせられる悪魔に有効打となるソフィアの浄化の魔法と、シリシカが指揮する光の精霊による光線の雨。

 更にユメの暗黒魔法により十三の魔法陣が展開され、暗黒球が作られ射出される。


『ほう……だが、無意味だ!』


 ローグライムは鎖を引き千切り、魔法陣を破壊。

 浄化の魔法と精霊の光線には何の対抗も示さず、迫り来る暗黒球にだけ興味を持って対抗する。


 魔法陣を破壊する際に踏み砕いた床の破片を、手に取って……勢いよく暗黒球に一つ一つ投げる。

 その全てが追尾し避ける機能を持つ暗黒球を一瞬にして貫いて破壊。そのままユメの魔法陣も貫通して破壊する。


「なっ!効いてない!?」

「嘘、でしょ……」


 ソフィアとシリシカが驚くのも無理はない。

 地上に召喚された、迷い込んできた、侵入してきた悪魔を問答無用で消し飛ばす神の浄化。

 悪魔の身体を簡単に貫けるはずの精霊の光線。

 それらが何の結果も残さずに霧散したのだ。


『ふん。我輩を甘く見るなよ小娘共。我輩は全ての悪魔の頂点に立つ大悪魔であるぞ』


 少しばかり苛立った様子の悪魔が、鬱陶しそうに反撃を開始する。


『とくと見よ……これが悪魔の力だ!』


 空へと飛び上がり、魔法を発動。

 手を前にダランと下げて、突き出した手の甲から回転しながら球体魔法陣が浮かび上がる。

 迷宮に満ちる魔素が魔法陣に吸収され……吸収した魔素の量が増える度に魔法陣が大きく成長する。


『《業魔の環弓》』


 球体魔法陣に無数にある射出部から弓矢の形をした魔法が装填され、地面全体に弓矢を射抜こうと魔法陣が射出の為に力を加え……一気に射出。


「っ!《聖刻の逆鉾》!!」


 それを見た正樹が、真っ先に動いて。

 空全体を覆うように聖槍を錬成して、迎え撃つ。


 射出された矢は、雨のように無限に降り注ぎ。

 神に逆らう様に、地から天を貫く正樹の聖槍。


「くっ……」


 正樹は魔力がある限り聖槍は出せる。だが、この戦闘において全魔力を使い切るのは不味い。

 それを知っての上か、悪魔は雨を停めない。

 全ての矢が聖槍で防げる訳ではなく、何本かは他の仲間を狙って落ちる。


 剣を使って起動をずらしたり、持ち前の脚力で避け続けたり……魔法弾で迎撃したりと、出来うる回避手段を取る面々。


『クハハハハ……!!素晴らしいぞ勇者!地上の人間とは言えど、称賛に値する!』


 素直に褒める悪魔ローグライム。

 だが、その防戦にも終わりが来る。


「俺は魔族だが?」

「我は人ですら無いが?」


 アレクとニーファが、空に飛び上がり、球体魔法陣に直接攻撃する。

 アレクは獄紋刀を魔法陣に突き刺し、そのまま下に切り落す。

 ニーファは腕を龍に戻し、その龍爪で魔法陣をひしゃげて破壊する。


 無限とも思われた雨は、呆気なく晴れる。


『ほぉ……やりおるな、童共』

「見た目の問題じゃがの!!」


 吠えるニーファが、悪魔の腹に蹴りを食らわすが、悪魔はその足を掴んで放り投げようとするが。


「よっと!」


 背中に向かってドロップキックを食らわし、獄紋刀を頭に突き刺したアレクによって体勢が狂い、地面に叩きつけられそうになる。


『なにをぉっ!』


 だが流石悪魔と言った所か。

 落ちる中で反転し、地面に背を着けるまいと再び空に舞い戻って二人を相手取る。


『良かろう!我輩と汝ら二人の1対2を始めようではないかぁっ!!』

「1対全員でも良いんだが?」

『なーに……下の連中も暇はさせぬさ』


 そう言って、楽しげな笑みを浮かべたローグライムは、召喚魔法陣を手元に展開して……地面に向かって叩き付ける様に投げる。


『クハハハハハハ!!我輩のペットと戯れているが良い!それが倒せんのでは、話にならんしなぁ!』


 そう言って、三人の戦いを始める悪魔たち。


 地面に叩き落とされた魔法陣に、地上に残った面々が警戒の色を見せる。


 そこから現れたのは……


 蟹のような姿を持つ怪獣。黒い外殻と紅い瞳を持ち、とてつもなく大きな鋏を持つ破壊の化身。


「《黒甲冑》……!?」


 それを見たシリシカが、驚愕の声を上げる。


「知ってるの?」

「知ってるも何も……もう地上には居ない魔獣よ」


 聞いている正樹は、ソフィアが傍に近づいて失った分の魔力を回復させてもらっていた。


「そうなんですか?」

「えぇ……てか、有名じゃない。《鉄剣》が一人で圧倒した伝説の一つよ?」

「………あぁ、そういえば」


 つまり、目の前にいる魔獣はSランク冒険者であり、《鉄剣》の異名を持つリョーマが倒した蟹の魔獣と同じ存在らしい。


 一人で圧倒したと聴くと、簡単に倒せそうに思えるが……


 突然、蟹が動き出す。

 蟹は、口を開けて何かを溜めると、そのまま一気に吐き出す。

 それは泡。蟹の酸液がビームのように撃たれて皆を襲う。


「っ!」


 回復した正樹が、素早く聖剣を錬成し、盾を壁のように繋げ合わせた鉄壁を作り出すが……酸液によって溶かされる。


 それを見た面々は、その酸液の脅威度を再確認して、散開する。


 蟹はビームの射出を辞め、左右別方向から近付いてきたミラノとフェメロナの二人に向かって自分の最大の武器を振るう。


「はぁっ!!」


 ミラノは紅陽剣を振るって蟹の身体を斬ろうとするが、奴の強靭な鋏で防がれる。

 燃える剣を相手しているのに、溶けることも無い黒い外殻の強度の凄まじさを全身で覚える。


「《双牙重撃》っ!」


 フェメロナは、蟹の鋏の防御行動を避ける様に下を潜り、顎に当たる部位目掛けて衝撃波を撃つ。

 それは効いたのか、少しだけ仰け反る蟹だが、直ぐに身体を前に戻してフェメロナに尖った脚を刺そうとするが、避けられる。


「《黒紫雷帝》!」


 暗黒魔法を発動したユメが、蟹の目と目の間に雷を命中させて感電させようと試みるが……


「ちっ、効きませんか……」


 痺れる素振りすら見せずに、多脚を用いて近づき始める蟹、黒甲冑。


 その動きを停める、そして葬る為に攻撃する。


「絶技《無一天・刹那》!」


 正樹の形状剣による斬撃が、蟹の鋏を狙うが、ほんの少し外殻に傷を入れただけで終わる。


「硬すぎでしょう……!!」


 関節の部分が軟らかいのではと思ったが、見ると身体と同じように黒い殻に覆われていて、完全に防御されていることがよくわかる。


「っ!むりなのです!」


 ミュニクも必死に短剣を投げつけるが、大した牽制にもならずに終わる。

 盗賊(シーフ)としての技術も使えそうにない。


「…《絶対零度》」


 そこに、いつの間にか蟹の背後に回っていたマールが氷の魔法を発動して、後ろから蟹を凍結する。

 一瞬にして世界は氷点下。透明な氷に覆われた蟹は、暫くその動きを停めるが……


「…無理」


 砕け散る。

 ほんの数秒もっただけで、氷はあっさり砕かれるが……


「…そうでもない?」


 外殻の氷は破壊できたが、内側……つまり自身の体内を解凍することまでは出来なかったようで、その動きは鈍く、苦しそうに膝を折る。


 その蟹を討伐しようと、全員が動き出すが……黒甲冑はいきなり回転して、泡を撒き散らす。


「っ!」


 近寄って斬ろうとした面々が、一気に下がって泡から逃げる。

 泡の防波堤は、前衛が斬り掛かる隙も与えない。

 

 物理防御も、魔法防御も、双方高いこの魔獣を相手に、どう攻めようかと思った所で……


 なんと、黒甲冑はカニ歩きで突進してきた。

 その速さは異常の一言では収まり切らない速さで、一瞬にして近場に居たメリアと距離を詰める。


「っ!!くっ!」


 逃げるのが無理と悟ったメリアは、轟砕の爆戦棍を蟹に打ち付けて、爆発を引き起こして押し返そうとしたが……爆発に一瞬怯んだものの、突進を再開してメリアをはねる。


「メリアさん!?」


 その威力は新幹線に激突したと言えるもので、普通に考えてなら即死だった。

 宙を飛んで地面に落ちるメリアは、骨が折れてたりと重症で動けそうにないが、奇跡的に生きていた。

 異世界人は戦闘職が多かったり、装備の防御力の高さから、地球人なら即死の一撃も瀕死の一撃程度に抑えれるらしい。


「っ、今治療を!」

「……助かります……」


 蟹の突進が終わらぬ中、意識はあるが動けないメリアに最高峰の回復魔法をかけ続けるソフィア。

 彼女の存在はパーティでは重要不可欠、居なければ死人が出ていただろう。


 蟹は一方に突進したら、器用に方向転換をして別方向に突進、を繰り返している。

 そのせいで、ユメは魔法を撃とうにも狙いが定まらず、一向に撃てない。


 正樹達も何とか先回りして斬り掛かろうにも、相手のスピードが自身の走る速さよりも速く、更に逃げるように方向転換するので追いつけない。


 そして、黒甲冑は突然、突進を辞め……


 跳躍する。

 予備動作なく飛んだ先は……ユメがいる所。


「あっ……」


 魔力は貯めていて、魔法を撃つ準備は出来ていた。だが、蟹の動きは予想外すぎて、突然の事態についていけなかったユメは……

 無防備の姿を晒す。


 黒甲冑はただ飛んで落ちてくるわけでなく、巨大な鋏を前に出して、さもライダーキックの様に突撃してくる。


 ほんの数秒。

 その瞬間に、ユメの死は近づいてきて……


 全員が焦って、蟹の軌道をずらそうとするが、無駄に終わり………


 誰かからの横槍が入る。


ズドンッ!!!


 ボス部屋の扉の方向から、一本の槍が飛んできて。


 飛びかかっていた黒甲冑を貫き……吹き飛ばす。

 そのまま壁にぶつかり、槍も壁に貫通したことで地面に降りる事はついぞなく……


 心臓を的確に貫かれ、黒甲冑が絶命する。


「えっ……」


 驚いて、蟹の方を見ていたユメは、首を半回転させて扉の方を視界に入れ……驚きで声を失う。


「まったく。世話のやける孫だね」


 立っていたのは、先代魔王の妻、ルミニス。


「お婆様……!?」

「大丈夫かい?」

「は、はい……ありがとう、ございます」

「なら良かった」


 快活に笑うルミニスに釣られて、自然と笑みが浮かぶが……


「そ、そういえば、何でここに……?」

「そりゃあ……孫二人が心配でね。なーに。今まで何もしなかったんだ。これぐらい良かろう?」


 そう言われては、何も言えない。


「なーに。手を出すのはここだけさ。それに、来てるのは私だけだよ」

「お爺様は?」

「あの馬鹿は……ほれ」


 そう言って指さした先には……天井付近で戦うアレク達に加勢しようとするが、予想以上に激戦状態で手出しが出来ず、あたふたして困っているジークフリードが。


「まぁ……あの中に入れるとは思わんな」


 そうやって見上げた先には、未だに戦闘の終わりが見えない上空格闘戦が行われていたのだった。



戦闘、続きます。

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