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魔王の兄は転生者  作者: 民折功利
第六章 大迷宮とお兄様

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怪物も涙目な攻略

エイプリルフールでも嘘は吐きません。

自分は正直者なのでね。


あ、そういえば「魔王の兄は転生者」が書籍化することになりました。

 やったね!何処の文庫かは知らないけどね!


???????????????????????



「近付くんじゃないわよ気持ち悪い!!《クリム・デスサイズ》!」

「クレハさん、その魔法は危ないですよ!?《聖女の施し》っ!」

「《天火車》……なかなか皆凄いね」

「《聖刻の鈍天》!……まぁ、暴れられたら一溜りも無いですし…」

「そぉい!潰れちまえ雑魚がっ!」

「わぁ、凄い力持ちです!」

「《影絵》……縛る力はもっと強くすべきですか」

「えっ………思ったより皆容赦なくて私が出る幕がないんだけど」

「思ったより君の仲間が出来ているという事だろう……臣も予想外ではあるが」


 ダンジョン上層。

 たった半日で六階まで到達しており、順調という言葉がぴったりな現状。


 しかし、度々襲ってくる例の怪物が厄介だった。


 一体一体を丁寧に相手するのは時間と労力の無駄という決断が下され……


 全身全霊、後先の事を考えずに魔法とかをぶっぱなした方が危険は増えるがさっさと倒せて効率が良いという結論になった。


 故に、全員が各々の技を後先考えずぶっぱなしているのだ。

 いくら魔力や体力が減っても、メリアが利用許可を得ているアレクの異空間を通して回復道具を乱用する事で解決した。


 ……まぁ、回復アイテムの使いすぎで回復量が低下したり、逆に身体を傷めたりしてしまうので、下手に使いすぎてはいけない。

 安全な物でも、薬物乱用レベルで扱っては身体に毒だということだ。


 忠告と実行してる事が正反対ではあるが。


 クレハは死神の鎌を連想させる赤い岩の塊を造り出して、近付く怪物を綺麗に両断し。

 ソフィアは味方全員の身体能力を底上げする魔法を掛け、更に魔力や体力の補強をする。

 ミラノは紅陽剣を手に回転斬りをして、目も眩む様な熱量の炎で怪物を焼き切る。

 正樹は聖剣のハンマーを錬成して怪物の脳天を物理的にかち割って致命傷を負わせる。

 フェメロナは普通に拳を連打して怪物をボコボコの再起不能して沈黙させる。

 ミュニクは短剣を駆使して怪物……ではなく、そこに紛れた雑魚の魔物を狩り続ける。

 メリアは影絵で怪物数体を拘束して締め上げ、その肉塊がはち切れる程に強く縛り倒す。

 ユメとハワードは……他の人達の戦闘を見て、自分達の出る幕が無いと悟って静かにしている。


 なんならユメが最も高威力の暗黒魔法を持っているのだが……全員が我先に怪物を潰しにかかるので下手に前に出れないのだ。

 高火力すぎて味方も巻き込んでしまうから。


「……これ、怪物の総数減ってるんですか?」

「いずれ尽きるはずだが……流石に数が多いな」


 狩っても狩っても溢れんばかりに出現する大昔の副産物の失敗作たち。

 ゆうに百体は倒したというのに、怪物は度々姿を表して攻撃を仕掛けてくる。


 しかも、怪物の最終奥義とも言える自爆を発動させずに的確に息の根を止めているのだ。

 慣れとは恐ろしいものである。

 ……まぁ、この8人が状況に慣れる速さが異常とも言えるのだが。


「どんだけ作ったんだよ昔の馬鹿共はっ……!」

「ほら、クロエラ君みたいに延々と作業してたんしゃないかな?」

「なら納得だわ」


 クロエラを例えに過去の研究者達の奇行を納得するフェメロナに、ミラノは苦笑しながら前進する。


 七階への階段を見つけて、そこを下って七階に降りた所から……怪物との遭遇率は減りに減った。

 今までは数分に一体、多くて三体だったのに対し、現在は数十分に一体出るか出ないかの確率での遭遇へと変化していた。


「……六階がピークだったってことですかね?」

「多分そうだと……逆にゴーレムが多くなってきてますが」


 正樹とソフィアが言う通り、上層後半戦と言う所か、生物の肉塊怪物よりも無機物のゴーレムが今までよりも多く配置されていた。


 しかし、そこは選ばれた戦士達の腕前か。


 意図も容易くゴーレムは死屍累々。

 いかに武器を持っていようが為す術なく心臓である核を破壊されて地面に倒れ伏している。



 ここで一つ、アヴァロン大迷宮の上層の一般的な攻略方法を載せておこう。

 上層はゴーレムが多いが、昔押し込められた怪物達が見境なく襲ってくる為に危険度が高い。

 迷宮内は迷路となっており、所々に小部屋……セーフティールームが存在している。

 セーフティールームは、如何なる理由か不明だが魔物が侵入してこない絶対安置のこと。

 この部屋の中から迫り来る怪物達をチクチク攻撃して体力を削る方が被害が少ない。

 怪物側から攻撃してきても、セーフティールームを守る結界のような透明な壁に防がる為、一方的な攻撃が可能だからだ。


 ……と言っても、何故か怪物の爆発は防げなくて余裕で爆風と威力が飛んでくるのだが。

 爆風される前に心臓がある口の中を貫けば確実に殺す事が出来るのだが……鋭い牙が並んだ口内に武器を入れるのは些か抵抗が生じるだろう。


 それに、剣などで倒すのが困難なゴーレムも闊歩している為に危険度も増す。


 故に、彼等8人のような特攻は極めて危険であり異常であり、セーフティールームを見つけても全部無視して侵攻するのは普通じゃない。

 なんなら彼等はセーフティールームを罠だと思ってる節があるし。


 普通は休憩を挟んでなるべく余裕を持って行動するのだが……このメンバー、休憩は五階で1回しただけで、そこからはずっと走ったり歩いたり戦ったりしている。

 勿論、合間合間に歩きながら休憩はしているが。


 文字通りのダンジョン攻略特攻である。



 そんな感じで8人は順調に、敵の出現に惑わされずに淡々と攻略を進め……


 八階、九階へとダンジョンを降りて……一日目の夜を迎えるのだった。






 その頃、アレク達の様子はと言うと。


 ユメ達と同じく怪物に襲われていた、が……こちらは同じ六階でも、彼等ほど大量の怪物と遭遇したわけではなく逆にゴーレムと沢山戦っていた。


「うーん……見る限り、メリア達の方にキモイの集まってるな」

「手助けしなくていいの?」

「しなくていいだろ……現に凄いスピードで全部倒して進んでるし」


 アレクは右目を隠すように片手で覆って、右目に映るメリア達の進行具合を仲間に教える。


「……ん? え、ナチュラルに質問したけど少し聞いてもいい?」

「ん?いいよ」

「どうやって見てるの……?」


 遅れて疑問を持ったシリシカの疑問は最もで。


「メリアの視界をジャックしてるだけだが……?」

「えっ」

「お主……それはもう犯罪の域ではないか?」

「……本人の許可は取ってあるぞ?」

「そんなまさか」

「夫を信じぬとは酷い妻もいたもんだ」

「むぅ」


 アレクは冷汗をかきながら、ニーファに正論のような捩じ伏せで彼女を納得させようとする。


 本当はメリアの許可なくやっているので凄い焦っているのだ。

 ダンジョンに入る前日に、寝ているメリアに近づいて眼を空けさせ、右目に魔法を施した。

 メリアが見た景色をアレクも共有できる。

 でもメリアはアレクが見た景色を見ることは出来ない。

 一方的な視界共有である。


「お主……後で謝ろう、な?」

「なんで嘘って事になってるの?」

「夫の嘘を見抜けぬ妻だと思うたか?」

「ぐはっ」


 そこは妻とか嫁センサーというより、神竜の察知能力とか第六感で感じたと言われた方が納得できるのだが……その言葉をアレクは喉奥で飲み込んだ。

 言ったら口論になるのは間違いなしだし。


「うーん。視界共有か……面白そうだね」

「…なに考えてるの?」

「蠅型駆動撮影機に視界共有機能を搭載したら凄いおもし……便利なんじゃないかって」

「…いらないと思う」


 マールの意見は最もで、そんな機能を自分の作品に付けなくていいと思う。

 というか付けないで欲しい。

 周りの理解が追いつかないから。


「取り敢えず……《対象探知》」


 今いる階層に存在する怪物の数を魔法で調べ……その数が十にも満たない事を知る。


「……もう10匹も居ないぞキモイやつ」

「随分と狩ったのぉ……」

「アイツら怒涛の勢いでだったからな……後先の事なんて考えてないっぽいし……なんからメリアが俺の異空間から回復アイテム出して皆に配ってるし」

「許可は出しとるんじゃろ?」

「まぁな。腐るほどあるし」


 攻略パーティとは違って、のんびり歩いて散歩気分のアレク達。

 途中途中、集音器のような物を壁や天井、床に当てて魔力の流れを調べたり、魔物が何処からスポーンするかを確認したりしながら道を進む。


 そして再び、残った怪物と遭遇してアレク以外の全員が戦闘態勢に入ってすぐに……


「ほいっ」


 アレクが鉄檻を召喚して怪物を投獄。

 怪物の足元に異空間の穴を開け、そのまま落下。

 捕獲に成功した。


「よしっ」

「「「「待て待て待て待て待て待て」」」」

「なになになになに?」


 突然の奇行に全員が声を合わせる。

 その声に首を傾げて何を言ってんだと訝しげに全員を見つめるアレク。


「なに平気な顔して捕獲してるのアレクくん?」

「いやだって気になるじゃん」

「いやまぁ研究者として君の意見には賛同するけどね?するんだけどさ?」

「流石にあんなのは……のぉ?」

「やめた方がいいと思うわ」

「…同意見」

「むぅ……」


 全員が口々にやめろと忠告してくるのでアレクは少しばかり考えて………


「しゃあないな……わーったわーった。コタローの餌として飼っとくだけに留めるよ」

「「「「捨てろ殺せ」」」」

「動物愛護団体に訴えるぞ!」

「安心しろ。そんなものはない」

「クソがっ!」


 結局、無駄に魔力を消費しただけで、怪物は再び解放されて、アレクの行き場の無い怒りの矛先を向けられ鉄拳制裁されたのだった。


 分かりきってる事だが、だいたい悪いのは彼、アレク=ルノワールである。



〜こっからが本編………本編です(強気)!〜



アレク「あ、俺達結婚することになりました」

ユメ「幸せになります!!」


二ーファ「……む?あれ?んん?」


メリア「……(あ、二ーファ様、凄い速さで目がぐるぐるしてる……すっごい困惑してますね)」


シルヴァトス「兄妹で結婚を父が許すとでも?」

エリザベート「私はいいわよ〜?うふふ〜」


アレク「二ーファ…」

二ーファ「な、なんじゃ?」

アレク「……一夫多妻制って言葉知ってるか?」


全員((((あ、この人本気で言ってる))))


二ーファ「……いや、兄妹で結婚できる訳がなかろう?」

シルヴァトス「それさっき俺が言ったんだが?」

ユメ「お父様は張り合わないでください」

シルヴァトス「……そ、そうか」


アレク「二ーファ……賢くなったな!」

二ーファ「よし!その喧嘩買ったぞ!死ねっ!」

アレク「展開が早ぇよ!読者が追いつかねぇだろうが!空気と場を読め!」

二ーファ「今更の話じゃろうがぁ!!!!」


全員((((確かに今更の話だ))))



ユメ「って、これ逃げなきゃヤバくないですか?」

シルヴァトス「あぁ……はぁ。また魔王城が壊されるのか……」

エリザベート「本編ではまだ直ってないわよ〜?」

メリア「何話してるんですか御二方。被害を被る前に早く逃げますよ」



アレク「ちょ、それ即死級!竜言語魔法!俺死んじゃう!やだ!」

二ーファ「問答無用!逝ね!」

アレク「やっ!やめっ…………」


 爆発オチなんて最低?

 いいじゃん楽だし。


 せーの、ズドーン!!!!!!!!!



 エイプリルフールネタ終わり

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