癒し系スライムっ娘
この物語の主体は《刺激的な日常》である。
小説キーワードを見てみよう。こうだ。
・楽しんだ奴が勝者
・自重を捨てた物語
・ご都合主義
・ギャグ
・ハーレム←←←ここ重要。ok?
ってことで。
……戦争なんて後からでも書けるよなぁ?
シリアス展開は長く続くけど、登場人物それぞれの思想とか信念とか思惑とかの構想が大変。
故に癒しを求める!
今は戦争の話だけど日常を挟んでみようぞ!
さぁ! 可愛い子ちゃんを物語に投下だ!
では本編へどうぞ
「……んぅ〜」
朝。
居住空間のベッドで目覚めた俺は、手を伸ばし、陽の光を浴びようとして────異空間の中だから窓も太陽も無いことに気づいてボーッとしていた。
偶に首を回したり欠伸をしたりして完全に頭が覚醒するまで時が過ぎる。
隣には静かに寝息を立てるニーファがおり、俺の腹に自分の尻尾を巻き付けて離さんとする。
「……すぅ……すぅ…」
「…ふわぁ」
再び欠伸をしたところで寝室の扉が勢い良く開かれる。
扉を開けてベッドに突撃する幼女は、俺とニーファのお腹にダイブしながら笑顔で話し出す。
「「ぐふっ」」
「マシター! ニーファおねぇ! おきてー!」
「……うん、おはよう」
「…し、死ぬかと思ったぞ」
強制的に眠りから覚めた俺達2人は、腕の中に収まるプニエルの頬を触りながら質問する。
「どったの?」
「あのねあのね!きてきてきて!」
「あー…わかったから慌てるでない」
プニエルに手を引かれて、パジャマ姿の俺達はトテトテと音を鳴らしながら幼児組の部屋に連れてかれる。
途中で俺達の様子を見たメリアも一緒になって連れてかれる。
連れてこられた場所は、プニエルと他のスライム三匹が寝てる部屋なんだけど………んん?
「みてみてー!」
ベッドの上には三人の女の子。
薄紫の髪に黒のゴスロリを着て、眠そうに目を擦る小さな悪魔の羽が生えてる可愛い幼女。
水色の髪にメイド服を着て、少し困惑した様子で自分の手を見つめる小学校高学年ぐらいの少女。
青いスライムの身体を持ち下半身が粘液でのっぺりとした顔の大きくて長髪なスライムっ娘。
………既視感を感じるね。
「……デミエルとウェパルとエノムル?」
「んぅ?……あるじっ!」
「…はいご主人様。ウェパル、です」
「〜〜〜♪(歓喜)」
どうやら種族進化したようだ。
このタイミングで?とか思うけど、まぁいいか。
「あるじぃ〜!だっこして!」
「……デミエルはプニエルに似てんな」
「にぃ」
「外面しか似てなかったわ」
デミエルが甘えるように俺に抱きつくと、プニエルに、してやったりといったドヤ顔をする。
少し幼いいたずらっ子の誕生か。
てか、背中に生え……ちょっと浮いてるファンタジーな小さい悪魔な羽が凄い気になる。
「プニエルも!デミみたいにだっこだっこ!」
「あぁ、はいはい」
対抗意識が湧いたプニエルも抱っこして、二人を腕の中に収める。
仲が悪いと一瞬思ったけど、顔を合わせた瞬間えへへって頬を合わせて笑いあってるのが可愛い。
デミエルは、プニエルと似たような顔立ちで髪型はツインテール。見た目は悪いプニエルって感じ。
「……ウェパルちゃん?」
「はい、メリア様」
「………え、なにこの子貰ってもいいですか?」
「ダメです。ワタシはご主人様の物です」
メリアはいつもお世話してる&お手伝いをしてもらってるウェパルにハートを掴まれたようだ。
あと、俺のモノ発言はやめよ?
ウェパルは、無表情でショートの水髪をメイドカチューシャで抑えたしっかり者の女の子。
「……お主はスライムのままなのか?」
「〜〜〜♪(肯定)」
ニーファお気に入りのソファ兼ベッドだったビッグスライムのエノムルは、他の子と違いスライム特有の青い粘液体でありながら弾力のある質感を持った典型的な人型スライム娘となっている。
言葉は話せないようだが、表情というか目や口のパーツが無い顔や全身を使って表現してくれる。
そして、今の姿はクロエラの魔導具を使ってのサイズだが、魔導具を解除してみたら5メートルを超える巨人スライム娘になってた。
まぁ、普段もニーファがすっぽり収まるレベルの大きさではあるんだけだも。
一通り自分の変身に慣れたのか、プニエルとスライム三姉妹はベッドの上で跳ねる跳ねる。
プニエルとデミエルは元気一杯に跳ね上がる。
エノムルは跳ねずに、ベッドの片隅に掴まって他の子がぶつからないように不動状態を維持。
ウェパルは二人が跳ねてるのを横目に枕を整えては二人にズラされ、また戻すを繰り返している。
「……なんか視界が賑やかになりましたね」
「じゃの……エノムルは人の姿を真似てるだけなのが疑問なんじゃが」
「お前が魔力を与えたからじゃね?」
三人で四体の人型スライムを見ながら談笑する。
プニエル、デミエル、ウェパルは俺が中心に魔力をおやつ代わりにあげてたけど、エノムルは寝てるニーファのダダ漏れ魔力をご馳走になってた。
環境によってスライムも変化する事は一般常識で知ってたが、与える側の魔力の質によっても変化すると考えると、奥が深いものだ。
「メリアおねぇ、ごはんー!」
「デミも、おなかペコペコ!」
「メリア様、手伝います」
「〜〜〜♪(便乗)」
人型の楽しさを学んだ後は、四人が仲良くメリアに朝ご飯を要求している。
プニエルを除いたスライム三姉妹は、本人たち曰く、ウェパルが長女、デミエルが次女、エノムルが三女らしい。
まぁ、なんとなく納得出来る。
「じゃあ、今から準備してきますね」
「お手伝い」
メリアは朝食の準備をしに行き、ウェパルも自主的に動いてメリアに付き従う。
プニエルとデミエルはお腹を擦りながらトテトテと音を出して俺の足にしがみつく。
「マシタ〜」
「あるじ〜」
「ん?どったの?」
「いこー?」
「いくー?」
「そうだな。じゃあリビングに行こうか」
「「はーい」」
二人揃って笑顔を作り、俺の手を握って歩き出す。お陰で両手が塞がってしまった。
「〜〜〜♪(提案)」
「む?………なんじゃ、乗せてくれるのか?」
「〜〜〜♪(肯定)」
「そうか。助かる」
エノムルの足は不定形の粘体となっており、そこの形を変えてソファを作り、ニーファを乗せて移動を始める。
自分で歩けと思うのは俺だけかな?
「んま〜」
「くちゃくちゃ」
「もぐもぐ」
「〜〜〜♪(美味)」
慣れぬ人の姿で食べ始めた三姉妹は、俺たちの真似をしてフォークとスプーンを扱っている。
ウェパルに関しては、スライムの時から触手を使ってフォークやナイフを持ってたから、随分手馴れててお兄さん嬉しいよ。
それとは別に、デミエルは音を立てないで食べることを学ばせるか。初回だから許すけど。
そして、片付けの時のウェパル。
スカートの下からスライム状の触手を出して皿やフォークを洗うという奇行に走る。
……完全にモンスターガールで驚いた。
取り敢えず……視界が華やかになったよ!