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魔王の兄は転生者  作者: 民折功利
第一章 目覚めたお兄様
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天使な使い魔

 ウラバラの森の探索は、週に四回行なっている。

 そして今日も探索に行く日だ。


 この探索によって、探知系の魔法を問題なく扱えるようになった。


 難航した《広域探知》を筆頭とし、

 自分に危険な生物を探す《脅威探知》。

 視界の外にいる生物を探すための《熱源探知》。

 他にも《音波探知》や《水源探知》なども取得した。


 これらは、いつか使う日がくるかも知れないので持っていて損はないだろう。


 そんな思考しながら、油断なく森を歩いていたら、茂みの中に真っ白な流体を見つける。

 ………スライムかな?これは。


 《鑑定》を使ってこいつの正体を暴く。


 エンジェルスライム。

 頭に上に光の輪を持ち、背に天使のような純白の小さな羽を生やした真っ白なスライム。

 しかし、このスライムは確かに小さな羽があるが、萎れたように倒れており、光の輪の色も薄くなっている。


 ……体力も無いな。エンジェルスライムはとてつもなく希少価値の高い生命体だ。

 神が天界から降らせる神秘の生命体だとか、先日読み直した魔物大図鑑にはそう書いてあった。あまりにも見られることが無いため、書かれていることも少ない。


 ……仕方ない。このエンジェルスライムを助けますか。何でこんなに瀕死なのか知らないけれど、希少価値の高いこれを癒すのも良い経験になりそうだしな。

 ……….それに、何故かこいつを見捨てることはできない気がする。何でだろう?


「《完全治癒》」


 全てを癒すことができる魔法を俺なりに再現したものがこの《完全治癒》である。

 部位欠損や、心的外傷、瀕死の状態も一瞬で完治することができる究極の技だ。


 一瞬で神々しい光に包まれた瀕死のエンジェルスライム。その姿は、弱々しさも無く、美しい光の輪と純白の羽を持つスライムが存在していた。


 プルプル、と震えてエンジェルスライムは俺の足に擦り寄ってくる。意外と可愛いなこいつ。


 どうしてだろうか?こいつは野生に戻したら、また直ぐに死んでしまうのでは無いだろうか?

 ……ふむ。こいつは随分と俺に懐いている感じだ。使い魔にしてみるか。


 使い魔。絶対的な主従関係に繋がれたよくあるアレだ。説明がめんどい。

 まぁ、その使い魔とかにすれば、こいつを自由に扱えるかもしれない。

 そんなわけで。


「ねぇ、使い魔になる?」


「…プルプル」


「いや、震えるだけじゃわからんのだが」


「…プルプル!」


「あー、うん。使い魔にするね?」


「…プルプル!!」


 会話すればするほど体を激しく震わせるエンジェルスライム。

 よし。んじゃ、使い魔にするか。

 使い魔にする方法は簡単。名付けと共に魔力を体に通すだけだ。


「よし。行くぞ。お前の名はーーープニエル」


「プルプルプルプル〜!」


 プルプルしてる体に天使っぽい名前を合わせてかんがえた素晴らしい名だ。有り難く受け取るが良い。……ネーミングセンス無いとか言うなよ。


 エンジェルスライムーーープニエルに流れる膨大な魔力。俺の魔力をそれなりにやれば強くなるんじゃね?と思った俺は、こいつが吸収できる限界までの魔力を込めることにした。


 数秒後……魔力を通し終わり、使い魔契約を終了する。よし。


「これから、よろしくな。プニエル」


「……プルプル!」


 さて。エンジェルスライムは神レベルの治癒能力と、飛行能力、光魔法などを行使できる。これからの生活に重要な存在になると思われる。


 ……そういえば、エンジェルスライムはそれなりに戦闘力は高いはず。このウラバラの森でも通用するはずだ。


 んー。考えてもわからないな。ま、いっか。

 にしてもこいつ、ほんと意外と可愛いな。天使かな?


 家に帰って、父と母にプニエルを飼っていいか聴いて許可を得ようとする。

 すると、


「エンジェルスライムか……ヤバイほど珍しいのを見つけたな……」


「そうね〜。可愛いからいいんじゃないかしら〜」


「異論はないな」


 即決された。

 ついでにユメに見せると、


「わぁー!可愛い!ちょうだい!」


「いや、ダメ。俺のだから」


 こんな感じで一悶着あった。



 こうして、我が家の天使が増えたのだった。


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