表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王の兄は転生者  作者: 民折功利
第四章 夏休みとお兄様
151/307

平和記念祭〜幼天使視点〜


 ◆幼天使プニエル視点


「ふわぁ〜」


 プニエルの朝は早いの。

 今日もお祭りってマシタが言ってたから、早く起きるたの!


「……んぅ〜」


 でも、やっぱり朝は苦手ぇ〜

 いつもはメリアおねぇに起こしてもらってるけど、今日はちゃんと自分で起きれたんだ!

 それにプニエルはお姉ちゃんだからね!


 自分よりも大きな天蓋付きベッドの上に寝転がって布団を被っているプニエルの妹分。

 デミとウェパとエノムーの可愛い妹たち。


「みんな起きて〜。朝だよ〜?」


 もぞもぞ。


 まず最初に起きたのはウェパ。

(実はプニエルよりも早く起きており、彼女のために寝たフリを決め込んでいる事は秘密である)


「ウェパ、おはよ〜」


 ウェパは触手を身体から伸ばしてプニエルの手に絡み付かせて手をにぎにぎする。

 ニーファおねぇが握手って言ってたっけ?


「ウェパも話せるようになると良いねー」


 他のみんなも『しゅぞくしんか』っていうのをすれば、プニエルみたいに皆とおしゃべりできるのになー……おしゃべりしたいなー。


 次に起きたのはエノムー。

 おっきい体なんだけど、『まどーぐ』っていうので小さくなってるんだって。

 でも、偶に元のおっきい姿になって休んでるんだ。『きゅーくつ』なのかな?


「エノムーもおはよー」


 小さくなってもプニエルよりもおっきい体。

 いつもプニエルにくっついて乗ってくるの。

 全身が呑み込まれる事もあるんだー!

(プニエルは人の形を持つスライムであり、呼吸の必要がないためエノムルによる窒息は無い)

 

「んみゅ〜、エノムー、重い〜」


 重いって言えばしっかり退いてくれる優しい子。


「…あ、デミ起きた」


 最後に起きたのはデミ。

 黒くて不思議な羽(悪魔の羽)が生えたデミは、とってもワガママでイタズラ好き。

 偶にイタズラをしてきて皆を困らせようとするの。

 でも、いつもメリアおねぇとウェパが罠を壊してマシタたちを守ってるんだって。


「おはよー」


 デミに挨拶すると、体を震わせて私にくっつく。

 ………なにか怖い夢でも見たのかな?


 デミは怖がりでもあるの。

 マシタの怖いお話を聞いて一番震えてたよ。


 それから、みんなと楽しく朝もベッドの上で跳ねたり、転がって遊んでいたら、メリアおねぇが扉を開けて入ってきた。


「……おや、もう起きてたんですね」

「おはよー」

「おはよございます。今日は早いんですね」

「お祭りー!」

「……少し警備を厚くしますか」


 んー?

 メリアおねぇが何を言ってるかわかんないけど、楽しいことなのかなー?


「こほん。じゃあ皆、主様たちを起こしに行ってください。朝はホットケーキですよ」

「ホットケーキ!」


 やった!ホットケーキ大好き!


 デミたちも喜んでいるのか、素早い動きでベッドから降りて部屋を出る。

 あ!プニエルを置いてかないで!






「マシタ〜?」


 マシタとニーファおねぇと……ユメおねぇも来てるんだっけ?


 ベッドの上には手をモジモジさせてるユメおねぇと、布団のほとんどを被っているニーファおねぇ。

 マシタは……ユメおねぇのお膝の上にいるー!


「ユメおねぇ、プニエルも膝枕するー」

「あ、プニエルちゃん……ちょっと今は、ね?」

「むー!」


 ユメおねぇの朝も早いんだね〜……あ!


「プニエル、こっちで膝枕するー!」

「あ!」


 プニエルはマシタの膝の上に頭を乗せてゴロンと転がる。

 ウェパたちが起こさなくていいのって聞いてくるけど、今はこっちが優先なの!


「ん〜!」

「………いいなぁ」


 えへへ〜。

 マシタの膝の上ってあったかぁ〜い。


 ……ふわぁ〜。にぇむ。


「……すぅ……すぅ……」

「あら?……寝ちゃったのね」


 その後、やっぱりと呆れ顔で来たメリアおねぇに起こされちゃった。


「まったく……毎度の事ですが早く起きる努力をお願いします」

「すまん。酒のせいだ」

「すまん。酒のせいだ」

「二人で同じこと言わないでください……それに、お酒とか関係なく遅いじゃないですか」

「プニエルもおさけのせー」

「………え?」

「え、お前、プニエルにお酒あげてんの?」

「いやあげたことないぞ!?」


 んー?

 マシタとニーファおねぇが揃って言ってたらプニエルもマネして言っただけなのに……

 どうしたんだろ?


「……兎に角、今日の朝はホットケーキですよ」

「わーい」

「私もご一緒していいんですか?」

「構いませんよ。みんな腹一杯食べちゃうので、量は最初から多く作ってありますから」

「なるほど」


 ホットケーキたのしみー!


 だからプニエルは皆よりも早く椅子に座って待ってるの。

 途中でウェパがエプロンとか付けてくれるけど、もうプニエルにはいらないんだよ!

 なのに、みんな信じてくれないの…


「「「いただきまぁーす」」」


 みんなで挨拶して食べ始める。

 うん!おいしい!


「……やっぱりまだ前掛けは必要だな」

「じゃの。……ほら、いっぱい付いとるぞ」

「むにゅ?」


 ニーファおねぇがプニエルのほっぺたに指を触れて……あ、ホットケーキだ!

 そのままプニエルの口に欠片を入れてくれる。


「……エプロン卒業はまだまだ先ですね」


 メリアおねぇのホットケーキ好きー!




 こうして今日も、プニエルを筆頭としたスライム四姉妹は元気に楽しく日常を過ごすのであった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ