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魔王の兄は転生者  作者: 民折功利
第一章 目覚めたお兄様
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ウラバラの森の探索

魔法詠唱時には《》をつけるように変更しました。


魔王城門前転移を、長距離転移に変更しました。

 

 事前にアイテムボックスに入れておいた市場の弁当を森の開けた場所で食べながら思考する。

 ……俺のアイテムボックスは時間経過がしないので、生物(なまもの)を長期間入れることが可能だ。生きている存在は入らないが。


 さて、今回の戦闘で初めて使った魔神杖カドケウス。

 俺の言霊魔法の威力に余裕で耐えたうえに、俺が思い描く通りの魔法を行使させてくれた。

 普通の杖(一般から高級品も含めて)だと、俺の言霊魔法に耐え切れず、三発ぐらいで木端微塵になってしまう。


 その点、この杖は戦闘中に何度も魔法を行使しても、戦闘後に使ってみても、余裕で扱えた。

 これ以上の品は無いんじゃないかと思うほどの出来栄えである。


 魔神杖カドケウス。良い買い物をしたものだ。

 いや、無料だったけどね?しかもアンテラとかいう怪しい奴の店からだし。


 まぁ、そんな風に思考を巡らせながら、昼食を食べ終わり、片付けをしてから、森の探索に再度出る。

 今回は常時探知系の魔法を張るとする。


「《広域探知》」


 瞬間、膨大な情報の量が脳内に侵入する。

 って、これはヤバイヤバイヤバイヤバイっ!?

 頭が爆発するぅ!?

 即魔法を解除する。

 ……これはきついな。使うなら慣れが必要だろう。

 なので……


「……《脅威探知》」


 普通なら脅威になる魔物を探知する。

 痛みは感じない。これなら大丈夫かな?

 うむ。遠くに数体いるが、無視で平気だな。


 そんな感じで、慣れない魔法をしっかり扱えるようになるまで、俺は魔境を探索することにした。



 この森、ウラバラの森は魔境として有名で、立ち入る者も極少数しかいない。

 なので、貴重な素材が浅いところで直ぐに見つかるのだ。


「お!これって霊草じゃね?当たりじゃん」


 霊草。上級ポーションの素材になりうるもので、森の奥地に群生するのだ。

 つまり、この森では希少な物が直ぐに手に入る穴場である。知る人ぞ知る、である。恐らく、近くに住む人が浅いところまで行って素材を乱獲しないように採っているのではないだろうか。


 鬱蒼と生い茂る青葉が空を覆い隠し、日差しが刺すことはほぼない。そのおかげか、多くの昆虫などが生息しており、非常に見てて悪寒がする。

 たまに地球では古代生物並みの大きさを持つトンボやバッタが飛んだり跳ねたりして、気が気じゃなかった。しかもあいつら、魔物に分類されている訳ではなく、只の動物であるから怖い。これから森の中の魔素を体内に吸収しまくって魔物に変化するのだろうが……


 森を探索しながら希少な素材を乱獲しない程度に集め、一度懐中時計を取り出して時間を見る。

 ……午後五時か。

 そろそろ帰るとしますか。


「《長距離転移》」


 こうして、ウラバラの森探索は終わったのだった。






 楽しかった森探索を終えて、汚れた服をメイドたちに渡す。


「洗濯お願いします。いつもより汚れてて申し訳ないですが」


「かしこまりました」


 そして、今日一日の疲れを癒すために大浴場へと行く。

 王族が暮らす区画にある大浴場は、美しさと実用性を兼ねながら、ゆっくり寛げる。


 浴場の扉を開けると、外に溢れ出る熱を帯びる白い湯気。冷えた体に丁度良い心地よさ。

 さて、さっさと体を洗いますかね。


 そうして、暇から冒険になった一日が終わったのだった。


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