バカンス:独り占めリゾート
やっと、やっと中間テスト終わったぁ!!
てことで執筆活動再開します。
………あれ?まだ夏休み編なの?おそっ!(他人事)
「準備体操するぞー」
「あーい!」
向日葵柄の可愛らしい水着を来たプニエルやスライム達と準備体操を始める。
風呂から上がってスッキリした俺達は、水着に着替えて砂浜に出ていた。
ニーファとメリアは着替えに時間がかかっているらしい。
デミエルやウェパル、エノムルは別に着けなくても良いのにサングラスや麦わら帽子を被って夏を満喫してるかのように身体を動かしている。
…動かしている、というかスライムだから揺れたり伸びたりしてると言うか……
エノムルは俺よりもデカいビッグスライムなのだが、クロエラの魔導具で小さくなっているお陰で面倒が見やすくて助かる。
てか、今頃だけどこの世界って可笑しいよね。
ケモ耳生えてたり、魔法使えたり、龍と結婚したり……あと魔族が有効関係結んでるとか。
元地球人の見解から言うと、よく慣れたもんだよ。まぁ、未練のミの字も無いけどな。
「む。もう初めておったか」
「遅れました〜」
おっと世界の神秘(笑)に気を取られている内に二人がやってきたようだ。
さてさて…二人の水着はっと。
「……ど、どうじゃ!」
俺の視線に気付いたニーファが照れた顔をしながらも胸を張って見せつけてくる。
いや〜、大きくもなく小さくもない丁度いいサイズの胸が綺麗に見えますねー!
巫山戯るのも良しとして、ニーファの水着は白と紫のビキニタイプ。
二色のグラデーションが混ざりあって華やかさと美しさを描いている。
背中に開かれた銀の龍翼とゆっくり揺れる銀の尻尾。頭の角もチャームポイントでもう本当に凄いわ。これを男俺一人で堪能出来るのは神。
「いいんじゃないかなぁ?(イケボ)」
「褒められたのは嬉しいんじゃが、なんじゃその声」
「イケてるボイス」
「全然イケとらんぞ」
「ガーン……ま、まぁ、よく似合ってるし、ニーファらしいね。俺は好きだよ」
「そ、そうか!」
まったく。素直に喜べばいい物を。
メリアは……おうふ。
女性の理想姿をキープしているメリアの身体を黒いビキニが覆っており、体のラインがよくわかる。俺得な水着を着てくれてますね!
「メリアもよく似合ってる!最高!」
「そ、それは良かったです」
ちょっと照れた顔してるメリアも可愛ね。まったく……彼女を奴隷にしたあのクソ兎は地獄に落ちて正解だったね。
余談だが、俺の水着は至ってシンプル。
灰色のパーカーで上半身を隠し、黒の短パン水着を着た普通のやつだ。これといった特徴は無い。
ニーファとメリアも遅れて準備体操を終えた所で俺達は、波に足を浸ける。
波の冷たさが足に弾き、海に戻り足から離れる波が心地良さを感じさせる。
「きゃっ!きゃっ!」
前回ので慣れたのか、プニエルは臆すること無く海に突っ込んで……あ、倒れた。
「わーん!!」
泣き始めた。
「ほら、危ないですからゆっくりいきましょ?ね?」
メリアやスライム達に慰められて落ち着くプニエル。やっぱ子供だなー……スライムだけど。
「メリア、子供らの面倒頼む」
「はい、わかりました。お二人で仲良くしてて下さいね」
「ぬわっ!?メリアお主、言うようになったの!!」
「ふふふ」
子供らをメリアに頼み……ついでにからかわれてからニーファと共に海に入る。
「《水中呼吸》」
水の中でも呼吸できるように魔法を使って楽をする。ニーファにも掛けてやって海に潜る。
堡礁となっている無人島を一周することに決めて、珊瑚礁へと身体を動かす。
色とりどりの珊瑚が立ち並び、南国の小魚や貝が装飾品のように思える美しさ。
地球ではサンゴの白化現象が起こってるらしいが、この世界ではそういうのは起こってないみたいだな。
まぁ、温暖化なんて神様パワーとか、魔法でも何とかなりそうだしな。
……俺とニーファが殺し合った時の影響ってどんなもんだったんだろ?天災レベルとは父さんに言われたが……割と真面目にやばたにえん。
現実逃避はここまでとして気を取り直し、俺たち夫婦(種族の壁を超えた素晴らしい愛を持つ二人)だけとなったので楽しく行こうと思う。
異民族とか異種族間の結婚って割とハードだな。
「なぁニーファ」
「なんじゃ?」
「泳ぐのめんどい」
「うおい」
珊瑚礁の三分の一を通過したところで俺は泳ぐ事が飽きた。飽き飽きた。
あまり疲れない泳ぎ方をしてたんだけど……心身共に衰えてんのかね?(←12歳)
「……《水流操作》《遊覧泡玉》《水圧耐性》」
「ぬわっ!?」
俺とニーファを閉じ込めるように広がった巨大なシャボン玉……の様な泡が生まれ、水の流れをゆっくり操作し自動操縦する。更に水圧に押し潰されないように泡玉を強化して安心設計。
これで楽して海中を眺められる。
「……相変わらず非常識な魔法じゃの〜」
呆気にとられていたが目を覚ましたニーファが呆れた顔で俺を見る。二人一緒に泡玉に入っているため、実は密着した方が泡が割れる危険性が少なくて済む。だからニーファの肩を抱いて此方に引き寄せる。
「きゃっ……」
「可愛い声出るじゃん」
「うっ、うるさいわっ!!…まったく突然すぎてビックリしたではないか」
きゃっ、だってよ。何時もは古めかしい喋り方なのに、新鮮なもんだな。
足とか手とか無理に動かしても形が崩れるだけのシャボン玉の中で、眼下の珊瑚礁を眺める。
……やっぱり、のんびり時が過ぎるのを待つのも、良いもんだな。
「来てよかったの」
「あぁ。……あと二日間なにしよ?」
「お主の好きにせい……あ、夕飯はなんじゃ?」
「バーベキュー」
「やったのじゃ!」
結局、シャボン玉は何の出来事もなく……正確には甘い空間を広げただけで……珊瑚礁を一周し終えたのだった。