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魔王の兄は転生者  作者: 民折功利
第四章 夏休みとお兄様
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フォルタジア神殿にて待機中

お久。


 ウルキナの案内の元、『天界の世界樹』に向かって最高神たる二人が居る場所に向かう。


 『神の国(カテドラル)』に住まう人型の多くが天使の羽を持つ美形達で、男女共にレベルが高い姿を持っていた。

 その中に神が混ざっていたりするのだから、天界とは不思議なものである。


 アンテラの神徒であるウルキナも、神徒の地位からして中級神位は行ってんじゃないかな?


 ここで神の位について教えよう(ウルキナより)。


 下級と中級と上級、最高級の区別によって神の縮図は構成されている。


 下級神が最も多く存在し、その八割が上級神の部下である名無しの神徒として生きている。

 名無しの神徒とは、異名を持たない神徒で、言ってしまえば兵士という感じである。


 中級神が幹部級の神徒を担うことが多い。しかし、神徒ではなく一人の神として生活している者もおり、全員が神徒ということはないらしい。


 上級神は神徒を従え、世界の秩序を管理するのがお仕事のカースト上位の神様のこと。

 天父神を除く三柱の『四堕神』は上級神に位置する存在らしい。


 最高神は世界を統べる神であり、六柱存在する。

 天界を司る姉妹、夜天神アンテラと太陽神ソレイユの二柱。

 地獄を司り死者を裁く閻魔大王。

 フォルタジアの地上を司る地母神。

 『鉄剣』リョーマが転生時に戦ったという混沌の主にして破壊神アザトース。

 そして元々は天界を司り、唯一世界の秩序を生み出し管理していた天父神フォルスガイア。


 この五柱が世界を統べる神だが、アンテラとソレイユはフォルスガイアの失脚と、当時主導で世界を守っていた故に最高神になった。

 そして、地上の管理者である地母神は、天界に上がる事もなく、音信不通で今何をしているのかも分からないらしい。

 言っちゃえば行方不明。


 やがて『天界の世界樹』の根元に到着した俺達は、その世界樹にとぐろを巻く様に存在する階段を登ることになった。


「………え?この長い階段を登るんですか?」

「まぁ……空を飛べるなら登らなくても構いませんよ?」

「飛ぶぞー」

「これを登るのは無理じゃからな。精神的に」


 登りません。辛い思いしたくないし。


 俺はプニエル達を異空間にしまい、羽を展開して空を飛ぶ。

 天を見上げても視界に入り切らなかった世界樹の幹と、それを渦巻く螺旋階段を後目に世界樹の天辺へと向かう。


 『フォルタジア神殿』


 この世界の名を冠するこの神殿は、神々の集まる中心地である。言っちゃえば国会議事堂。

 ここで役職……というか自身の権能に沿って仕事を行っているらしい。


 この神殿は世界樹の天辺……つまり、広大な葉の上に建設されている。正確には無数の極太の枝と神様パワーで支えてるだけらしいが。


 白銀の石畳で出来た床を張り巡らし、無数の柱と神像が建てられた中央の神殿を囲うように存在する美しい庭園。

 緑一色の上に立つ白の建物はよく目立ち、逆にそれがかえって美しく見える。


 庭園に降り立ち、神殿の中へと先導される。


 静かで美しい音色の音楽が流れる神殿内に、俺たち3人の足音が追加で響き渡る。

 神殿内は広く、高く、美しい。

 空を飛ぶ神徒達が迷路のような通路を進んで主の居る場所まで目的の物を運んでいたり、神同士で集まって会話に花を咲かせたり。


 奥へと進み、歩き続け、多くの神の視線に晒されながら最奥の部屋……最も豪華な扉の前に立つ。


「此処が最高神たるお二人の執務室で御座います。しばしお待ちを」


 そう言ってウルキナは扉を拳で叩き、部屋に入る。当たり前だが、俺達は外で待機だ。


「え、もう来たの?……なんの準備もしてないんだけれど…」

「早くしてください。今待たせている状態なので」

「……別に僕らの執務室見せても問題なくない?彼等なら。ねー?姉さん……姉さん?」

「…zzz………ふぇ?」

「何寝てるんですか、ソレイユ様!ほら、早くしてください!まったくこの2人は!」


 耳を澄ましてたら聴いてちゃいけない会話だったかもしれないと後悔した。

 だが、それよりも……


「ほう…僕に気づくとは……流石だなぁ」


 騎士風の服を来た剣士の青年が真横に立っているのだ。紫の髪を少し伸ばし、腰には美しい西洋剣と業物の刀を持つ剣士…というか神。


「…誰ですか」

「あぁ、すまない。挨拶が遅れたね。僕は『剣導神』クシナダ。君達に特に用はないけど……まぁ興味本位?」


 純粋な笑みで近づいてきたクシナダが握手を求めてきたので、此方も普通に返す。


「アレクです。剣の神ってことですかね?」

「ニーファじゃ」

「よろしく。まぁ、簡単に言えば剣の神だよ」

「刀、使えるんですか?」


 どう見ても西洋の騎士なのに刀を腰に下げている彼。統一してくれませんかねぇ……


「使えるよ?それに今はこの服を来てるけど、ちゃんと武士っぽい服もあるよ?」


 両方使える方でしたか。

 にしても剣導神か……剣神じゃだめなんかね?

 俺も剣と刀を両方使えるが、ぶっちゃけると技とか関係なしのゴリ押し戦法だしな。


「2人は彼女ら待ち?」

「そんなとこじゃな」

「んー…多分女の子に時間はかかるだろうから……」


 少し悩む素振りを見せてから、クシナダは執務室の扉を叩いて扉越しにウルキナを呼ぶ。


「ウルキナさーん、時間掛かりそうですし、お客さん2人と話してていいかな?」

「あ、クシナダ様?はい、お願いしますね。ほら、二人共!さっさと部屋片付けてください!」

「あれれ……この書類何時のだっけ?」

「1ヶ月前のじゃないですか!!」

「………zzz」

「起きてくださぁーい!!」


 了承を受けたクシナダは苦笑を漏らしながらも此方に振り返り、その場で座って会話を始める。

 俺達もそれに習って地面に座る。


「……大変そうだね」

「関わるの辞めとこう」

「そうじゃな」

「あれ?そう言えば2人は何で召されに来たの?」


 さり気なく召されるとか言うなよ。

 しかも無自覚か?


「召されてない……図書館に行けってアンテラに言われたからだな」

「へー…僕は本苦手なんだよね…」

「それは我もじゃ」

「え?神竜もかい?奇遇だね」

「てか、クシナダは何でここに来たの?」

「んー…僕って剣とかの神だからさ?世界の秩序を守る仕事とかないんだよ。つまり、暇だから神殿内の警備と称して散歩してた」


 その後、女神2人が完全に再起動するまでに2時間もかかり、俺とニーファはプニエル達を外に出して暇をつぶし、クシナダと話したりして時間を潰すのであった。


クシナダとミラノの印象はちょっと近いです。

優男で剣士で、天然が少し入ってる所とか。

関係のかの字もないけれど。


一人称を私か僕にするか悩んだ……あと武者にするかどうかとか。

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