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魔王の兄は転生者  作者: 民折功利
第四章 夏休みとお兄様
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姉妹の再会と誤解

女の子を軽く殴る話です。


「メリア、お前の故郷ってどこなん?」


 夏休みを謳歌する俺は、そろそろ潮時だと思ってメリアの里帰りをする事にした。


「えっと……行くんですか?」


 とてつもなく嫌そうな顔で聞き返してくるメリア。そこまで行きたくないか。


「一応な。これ行ったら天界図書館行かなきゃだし。………妹の事も気になるんじゃないの?」

「………まぁ、はい」


 渋々頷くメリアに場所を問い質し、地図を広げてくれたおかげで場所が分かった。


「ビストニア大陸の………ここら辺です」


 そこに行くことになった。







「さて……これから向かうわけだが……」


 メリアの故郷に向かう為の準備を終わらせ、即時出勤をしようと思ったのだが……

 メリアの装備を見てみよう。

 彼女の装備は『月兎の下婢鎧』なんだが……


「そんな装備で……いや、なにそれ」


 定番の「大丈夫か?」をやりたかったのに、コイツ予想の斜め右を行きやがった。


 黒い鋼で構成された全身鎧。肌の1mmも見えないんだけど……兎耳すら隠れてるし。

 しかも背には大剣が二振り。

 パワーファイターのメリアなら余裕で二刀流出来るだろうが……どこで仕入れた?


「いえ、彼処に帰るにはこれぐらいの装備は……必須ですよ?」

「どんな魔境だよ。どこに構えてんだよ神殿を」


 鎧でくぐもった声が断言するが、ほぼ確実に嘘だろ。事実だったら怖すぎだろ。


「空飛ぶのに邪魔だから脱げ」

「……はい」






 俺とニーファは背に羽を展開して優雅に空を飛ぶ。黒い羽と白い羽が一直線にビストニア大陸に向かう。


 メリアやスライム達はどうしているか?


 まず、プニエルやデミエル、ウェパルにエノムルは俺の異空間でお菓子パーティーを開いている。楽しそうな雰囲気はよく分かった。


「うぅ〜!」


 俺の左手に、ニーファの右手にそれぞれ腕が握られている。


 メリアの。


 簡単に言えば宙ずり状態。

  下手に動けばメリアの腕はちぎれるだろう。


「おいニーファ〜……暴れんなよ?」

「お主もな……下手したらちぎれる」

「や、やですよ〜……」


 その後、何事もなく空を飛び、目的地の近くに降りることが出来た。


 メリアは高所恐怖症になりかけたらしいが……帰りも地獄が待ってるのを彼女は忘れていた。






「……変わってないですね」

「ここか……」


 まず最初に立ち寄ったのは、夜天教の神殿。大きさは各地にある神殿よりも大きいらしいが、世界都市の神殿よりは小さい。まぁ、アレは総本山的なやつだしな。


 神殿の入口を通ると、天井は夜空を現すような装飾が施され、夜天神と縁ある場所だとひと目でわかる。


 奥に進むと、祭壇のような場所があった。


 そこには……


「────────」


 祭壇に向かって祝詞を唱える少女。

 その姿はメリアと同じ桃色の髪に、兎耳をつけた巫女服の乙女。


「─────……ん?」


 巫女は俺達の気配に気付いたのか、背後を振り向き……メリアを見て驚きを浮かべる。


「姉さん?」

「……リニア」


 姉妹の再会か。


「姉さんから離れろ!!」


 え?

 巫女が俺に向かってお祓い棒を持って襲ってきた。


「リニア!?」

「姉さん、止めないで!今この畜生を……」

「ほい」

「うぇっ!?」


 とりあえず顔面殴っとこう。うん。







「つ、つまり……貴方は姉さんを…助けてくれた人だ、と……」

「そうですよ…」


 メリアの説明に冷や汗を流しながら俺の方を向く巫女のリニアさん。

 その顔は俺の軽めのパンチで少し腫れ上がっているが……自業自得だ。知らん。


「その……先程はすみませんでした!」

「許して欲しいんだったらその腫れた顔を隠さないように。じゃないと許さん」

「うぅ〜……」

「主様、それは……ま、いっか」

「姉さん!?」


 今回は割と真面目に治さないからね?


 まぁ、再会できてメリアも嬉しそうで何より。


「流石にやりすぎでは無いのか?」

「じゃあお前ならどうする?」

「……殺るな」

「じゃあ問題ないじゃん」

「そ、そうじゃな、うん問題ない(思考放棄)」



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