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魔王の兄は転生者  作者: 民折功利
第四章 夏休みとお兄様
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クロエラとマールの夏休み

初のマールちゃん視点。


それと、Twitter初めました。

良ければ繋がりたい……|ω•)チラッ


↓Twitterアカウント

https://twitter.com/tamiori_kouri28


 アレクが魔王国で稽古している中、クロエラとマールは世界都市のとある場所に来ていた。


『魔法学総合研究所』


 クロエラが幼少期を過ごした場所であり、数々の成果を生み出した発想の原点地である。




◆氷心の魔女マール


「ここが研究所だ。来てくれ」


 裾の部分に切れ端が入っている白衣を身につけているクロエラに連れられて私は魔法学総合研究所にやってきた。

 古代魔術研究会の活動の一環として今日は足を運ばせてもらったが……実際は本を読みたかったけれど、外に出るのもいいかと思ったのでついてきた。


 目の前には真っ白な特殊合金の壁で造られた研究所。

 その大きさは学園よりも大きいかもしれない。


 そのまま研究所の入口らしき場所に来ると、クロエラは機械的な扉を開けて中に入る。


 私も続けて中に入ったが………まず最初に抱いた印象は「白」。壁も床も天井も、全てが白い装甲で造られており、汚れ一つ無い静謐の空間が広がっていた。


「………ここは?」

「研究所の受付のようなものだよ」


 クロエラは確かに受付のような女性が居る場所に向かったので、私もそれについて行く。


「クロエラです。此方は同級生のマール君。今日からしばらく此処で見学とか色々」

「わかりました……気をつけてくださいね」

「?何かあったっけ?」

「あ、はい………いえなんでもないです」


 何故か受付の人が凄く面倒くさそうな顔をしていたけれど、何かあったのだろうか?


 そのまま受付を通り過ぎ、広くとも狭くとも無い真っ白な通路に入る。

 恐らく、外壁と同じ特殊合金の素材を使った壁なんだろうけど………静か。


「……静か」

「研究者同士の交友も最低限になってるからな」

「……なんで?」


 研究というなら、多人数と結果と考察を話し合って色々と見つけて探し求めるものだと思う…


「さぁ?ボクも疑問に思った事はあるけど、気にしなくなっちゃったなぁ〜」


 施設内の静寂に合わせて、こちらも出来るだけ静かに会話をしながら、通路を進む。

 途中途中に鉄製の扉があったが、クロエラは一切無視して目的地に向かった。


「此処だよ。ボクの研究室」


 何度も直角に廊下を曲がり、階段を登った先にある奥の扉。

 そこがクロエラの研究室らしい。

 よく見れば、扉の上に看板が掛けられており、複雑な字でクロエラと書かれていた。


 クロエラが懐からカードを出して、扉の横にスライドさせた。

 すると、機械音を出して扉の鍵が開いた。


 …………鍵なの?


 鉄製の扉を開けて中に入ってみれば、様々な機械が混雑した正しく研究室と言える部屋だった。


「……此処で研究してたの?」

「あぁ。確か……六歳の時には此処で始めてたな」

「……凄い」


 純粋に凄い。

 六歳の若さで既に研究室を1つ明け渡され、今も尚此処に存在していることは難しいこと。

 研究者というの者は意外と大変で、結果を残さなければ除外されてしまう場所も有る。


 そして、魔法学総合研究所は過程と結果に厳しい研究所として有名。


 一体どのような経緯で生まれ、始まったのか。

 その行き先で世界に芽吹いた力とは何なのか。


 その過程と結果を重要視する事で、魔法学の真髄を深みに行くのがこの研究所らしい。


「そう言えば、休暇中は此処に寄るかい?」

「ん………良い暇つぶし」

「そうか。じゃあスペアキーを渡しておこう」


 そう言って渡されたのは、先程研究室を開けた時に使われたカードと同じ物。


「……これは?」

「カードキーと言って、ボクの研究室を出入りする為に必要な、カード型の鍵だよ。嵩張らなくて楽だろう?」

「……確かに。有難く受け取る」


 なんか凄い事だけはわかった。

 まだまだ、クロエラの魔法学についてはわからないことが多い………


 その後、研究室内の機械について一通り教えて貰った。

 下手に触られると危険な物もあるから、安全性

そしへも兼ねて教えてくれるらしい。


 ………ただ自慢できる物を紹介してくれるようにしか見えなかったけれど。


『霊素皮膜結界再現装置(通称:迷宮8号)』

 迷宮の結界を模して87%再現した結界装置。

 持ち運べない程デカい立方体であり、装置の効率化を望んだ事によって、運搬や設置がほぼ不可能なレベルで無理なのが欠点。

 効果はキューブ状の大結界を広範囲に張り、禁忌の古代魔法を3発耐えられる(計算では)。


『超質魔石人形製造機(通称:ハイゴーレム)』

 超高品質の魔石を使用してゴーレムを産み出す製造機。

 3m程のタワーの形をしており、持ち運びは不可能、そして超高品質でかつ値段の高い魔石を使用するためコストが高いのが欠点。

 しかし、製造したゴーレムは錬金術や土魔法で造られた物よりも遥かに高性能である。


『魔力強制縮砲装置(通称:魔力泥棒)』

 強制的に周囲一帯の魔力や発動中の魔法を強制的に吸収して蓄え、破壊光線にして撃ち出す。

 持ち運びは可能だが、総重量は大型魔獣2体分で大人8人呼ばないと不可能なのが欠点。

 また、危険度の高い兵器であるため公には出せない代物となっている。


 等々。

 見るからに怪しい物やデカい物はほとんど紹介してもらったのだけれど……危険すぎ?


 ………寄るのを辞めようかと思ったけど、私自身が古代魔術を極め、その手に理想を抱く為にはこの研究室は必要………むぅ。


「……爆発とかしない?」

「ないな!ボクの子供達に限ってそれはない!」


 大した自身である。


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