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魔王の兄は転生者  作者: 民折功利
第三章 特別生のお兄様
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知らない内に予定がうまるーん


「さぁて……お腹もいっぱいになった所で話を続けようか」


 アンテラが口元にハンバーグの欠片を残しながら話を始める。


「………夜天神様、ハンバーグが」

「え?取って取って」

「……はい、取れました」

「サンキュー」


 教徒として流石に見過ごせなかったのか、メリアはアンテラの口元の肉を布巾で拭い取り、そのまま台所で皿洗いに向かった。


「あぁー……まぁ、メリアちゃんの話は終わったから良いか。君達のさ、学園の長期休暇での用事を教えてくれないかな?」

「長期休暇?………あー…夏休みの事か」


 我が母校ユグドラシルには『夏季長期休暇』という『夏休み』が存在する。

 この休みの期間で、実家が遠い者は帰省したり、研究会の活動に励んだりする。また、この休みを利用して祭典や行事などが行われる。

 世界都市は観光名所としても有名なので、各大陸から多くの観光客が訪れるため、大混雑するのも夏の名物。

 この中央大陸は世界の中心と言われてはいるが、気温は安定している。まぁ、夏は暑く、冬は雪が降るが。

 …………この世界って球体なのか?赤道とか極圏なんて聞いたことないしな……


「その長期休暇のうちにさ、天界図書館行ってほしんだけど」

「えーっと、なにそれ?」


 なんか凄そうな名前の図書館キター!


「うん。そこで色々と知ってもらいたいし。例えば《五神獣》とか」


 《五神獣》

 天父神が世界に放った五体の神獣。

 《神竜》《神虎》《神鳥》《神亀》《神蛇》の最初の魔獣。《神竜》以外は種族進化を行っている為、呼び名が変化しているらしい。

 そこから派生して現在世を蔓延る魔物が存在するという。

 神獣グラン・タラスクスに関しては、地上の民……つまり、俺達が勝手に読んでるだけで、本当の名は《仙老亀》コクヨウらしい。

 ………そう言えば、人型の始祖はいないのかな?

 疑問が尽きない世の中だ。


「まぁ、そこで魔法の学を深めて貰うと嬉しい」

「………なんかあんのか?」

「……ぶっちゃけ言うと、そろそろ四堕神の1柱ぐらい動くと思う」

「…マジか?」

「天父神は多分だけど、まだ動かない。せいぜい現状扱える神徒や神獣に命令するぐらいだ。まぁ、種族進化してない神竜ちゃんぐらいだけど」

「ぐっ……我の進化条件がわからんのだ……」


 つまり、ニーファが進化してなかったから神の命令が届いてしまい、踏ん張ったけど無理だったと。


「まぁ、そこはそのうち分かるよ………ということで、招待状渡しとくから、はい」

「あ、どうも」

「これに魔力を込めて転移すれば行けるからね」

「……天界図書館って、天界にあるんだよな?」

「うん」

「……召されたりしない?」

「ないないない。そもそも行ける存在が限られてるから。神竜ちゃんは当然として、神化している君なら問題ないよ。まぁ、他の人は行けないけど」


 つまり、メリアやプニエル達はお留守番か。


「……何時でもいいんだな?」

「うん。取り敢えず夏を堪能してから来てよ。図書館には伝えとくから」

「……わかった」


 その後、アンテラの骨董屋から出たのは夕方で、転移によって寮に帰宅した。


「………のうアレク」

「ん?」

「……我が進化するにはどうすれば良いんじゃろうな」

「……それを知る為にも、行くべきだろ」


 多分だけど、此奴は俺を殺しかけたことに責任を持っている。

 自分が至らなかったせいで、天父神の絶対命令に逆らえきれなかったのだから。


「……まぁ、おいおい知ってけば良いさ。俺とお前は一心同体。そうだろ?」

「………ふっ。そう、じゃったな」


 その後、留守番決定のメリア主導で夏休みの計画が建てられたのだが………


『海水浴』

『休み最初の魔界祭に王族として参加』

『夏後半の平和記念祭に参加』

『古代魔術研究会としての活動』

『冒険者稼業〜夏version〜』

『メリアの里帰り』


 等々………

 この中で一番重要なのって、メリアの里帰りだと思うんですよ。

 そして、従者の手で決まる俺の日程……いや、従者だけど奴隷だったわ。


 ………夏休み楽しみだなー。

 てか、休暇中に四堕神とか出て欲しくないけど。

 絶対休日出勤の長期戦争やん。

 ……早急に仕留めんとアカンな。

 俺の平穏な日常の為にも!


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