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魔王の兄は転生者  作者: 民折功利
第三章 特別生のお兄様
113/307

久しぶりだな骨董屋ぁぁぁ!!!

2話連続投稿です。

前話を読んでない人は呼んでね。


 突然だが諸君。思い出して欲しいことがある。

 俺が愛用している装備である、

 『常闇の黒衣』と『魔神杖カドケウス』。

 他にも数種あるが、出番の無い魔導具たち。

 それを買った場所は、いったいどこだったでしょうか?


 以前存在していた魔都の路地裏から消滅していたあの店。

 そのよくわからないあの店が…………


『世界都市で骨董屋がリニューアルオープン!

            是非来てね!てか、来い。』


 と、書かれた手紙が自室の窓に挟まっていた。


「………骨董屋ってなんじゃ?」

「古めかしい道具を売ってるお店。こんなの常識だろ」

「いや、そうではなくてだな?何故お主に届くのじゃ?」

「あー……魔都で色々と買ったから?」

「………そうなのか?」

「アレとかアレとかソレとか」

「ほーう」


 ニーファに説明しながら、手紙の表と裏を交互に反転させながら見る。

 …………ここの店主って確か、アレだったよなぁー……会いたくねぇ……

 しかもよく見たら裏に住所書いてあるし。


「………仕方ない、行くか」

「行くのかの?」

「あぁ。ニーファ、お前もだ。メリアも呼んでこい」

「………総出かの?」

「そうだ」


 メリアとプニエル、デミエルとウェパルを連れていく。エノムルは骨董屋に着いたら転移で連れてくるってことで、待っててね。


 ってことで、骨董屋に──────────────到着しました。

 伝説のました方式だ。


 骨董屋の場所を示していたのは、なんと世界同盟本部の近くの路地裏。また路地裏かよ。

 そこに見た目が昔のまんまの建物があったのでドアを軽くノックする。


「どぞ〜」


 やる気のない間延びした女性の声が聞こえたので、ドアを普通に開けて入店する。それと同時にエノムルを召喚して鎮座させる。


「……久しぶりだな骨董屋ぁぁぁ!!!」


 奴の顔を見た瞬間、右手に手作り生クリームたっぷりパイを投げつける。

 もう少しで顔面に当たったのに、首を動かして避けやがった。ちっ。


「ちょっと!?いきなり酷くないかな!?」

「なんで魔都に居ないんだよ。ちょうど会おうとしたのにさー」

「いや、君のせいだよ?君が暴れ回ったせいで僕にも仕事が回ったんだよ!?」

「あー………ドンマイ(笑)」


 カウンターに頬杖をついて愚痴を吐く店主アンテラ───────もとい、夜天神アンテラ。


「や、夜天神様!?」

「おー……懐かしいの」

「あー!」


 夜天教信者のメリアは、崇める神の登場に驚愕して平伏し、ニーファは久しぶりに会う友達感覚で挨拶。プニエルは嬉しそうに駆け寄っている。


「おー……神竜ちゃん久しぶりー。メリアちゃん、私はただの骨董屋店主だから。プニエルも久しぶりかな?」

「うむ」

「は、はひ……」

「なー!」


 アンテラはプニエルを抱き、手馴れたように頭を撫でている。

 おい、なんでプニエルがお前のこと知ってんだよ。

 そんな俺の心の声を聞いたのか、アンテラは此方に振り向いて衝撃発言をかます。


「いや、プニエルちゃんを君の元にやったの僕だし」

「!?………ってことは、ウラバラの森という危険な場所に落としたのも?」

「え、いや、その………手が滑っちゃって」

「………プニエル、死にそうだったんだからな」

「……そこは申し訳なく思ってます。はい」


 プニエルGETの衝撃の事実を軽く知ったところで、本題に入る。

 アンテラは店のドアに「CLOSE」の甲板を掛けて俺ら以外を入店させないようにした。

 んで、俺達は店の中の丸机に仲良く座っている。エノムルはニーファの背もたれとして鎮座しているが、デミエルとウェパルは机の上でもちもちしている。


「それじゃ、主にアレク君を呼んだ理由を今から話すね。…………てか、記憶戻ったの?」

「あぁ。ニーファと殴りあったらな」

「嫌な戻り方だね……まぁ、呪ってやるよ。おめでとさん」

「はいはい」


 雑談を交えながら、彼女に続きを促す。


「で、話を戻してなんだけど、アレク君に朗報が2つあります」

「なんでしょう」

「1つ目。君、これから肉体的に成長しません」

「…………ん?」

「声変り、身長、体重、見た目。全ての変化が停滞します。てか、そろそろ無いです」

「………は?なんで?なんでなんでなんで?」

「君の体に神気を注ぎ込んで転生させたでしょ?そしたら普通の魔族の倍の年齢になった挙句、少しだけ早く成長した後はそこで止まるってふうに……」

「えっ………ってことは、身長の見込みは……」

「無いね!永遠に150cmの声が幼いショタなんだよ!………うん。流石にこうなるとは予想してなかったけど」

「嘘だぁ……」


 いきなり知らされた衝撃の事実に俺は頭を抱え、机に突っ伏す。

 それをニーファが慰めるように撫でてくる。

 …………気が利くようになったな。


「まぁ、最もの原因は神竜ちゃんと殺しあったからだけどね?禁忌の術をいっーぱい使った反動で神化が進みまくってるからね」

「お前のせいかよ!?」

「いや、我は知らんぞ!?まぁ、あの件は悪いとは思っておるが!!」

「くっそー!なんなら戦わなけりゃ良かった!………って、神化って何よ」


 何よ何よ。神化って何よ。ボク、どうなっちゃうんですかねぇ???


「え?そのまんまの意味だよ?神気を注ぎ込んで転生させたから、成長するに連れて神になるんだよ。まぁ、君の場合はスピード早いけれども」

「………………神?」

「神だよ」

「好きなことやりたい放題し放題?」


 食べ放題?飲み放題?遊び放題?童貞卒業し放題?いや、1回しか機会はないか、それは。


「いや、流石に神にも仕事があるよ?それに、種族が変わるだけのようなもんだし」

「じゃあ辞めるわ」

「無理だから!まぁ、隠すことは可能だけど」

「んじゃ、早く隠蔽してよ。今後の活動に支障が出る」

「はいはい。話が終わったらね」


 なんか、さり気なく神になることが決定事項過ぎてヤバい。望んですらいない展開が来たんだけど。帰っていいですか。世の中には知らなくていい事がいっぱいあるってよくわかったわ。


「そうか……アレクが神となると………」

「ずっと一緒に夫婦だね」

「………………………………………………………………………………ほう」

「おい、頬を染めるな。間を開けるな」


 ……俺はノーコメントで宜しくお願いします。


「で、話を戻して2つ目。アレク君の魔法について」

「授業料いるか?」

「いきなり積極的になったねー……」

「目が輝いてます」

「まぁ、此奴は格闘戦よりも魔法戦じゃしな」


 ワクワクドキドキ。夜天神様からの魔法授業なんて、嬉しいな〜!


「……期待してる所悪いんだけど、君の魔法で出来ることを教えとくだけだよ?」

「それでも十分。で?」

「君っていつも普通の魔法を撃たないで、自己流のやつを作って撃ってるじゃない?」

「うん」

「君の言霊魔法はそれだけじゃないんだよ」

「うんうん」

「ちょっと魔法を撃つから、《止まれ》って言ってみて」

「うんうん………うん?まぁ、わかった」


 なんだかよく分からないが、取り敢えずやる。


「行くよー《ウインドボール》」


 店の中なのを考慮してか、風の玉を発射してきたアンテラ。言われた通りに、魔法に向かって言葉を発する。


「《止まれ》」


 すると、ピタッと風の玉が空中で止まり、霧散して消滅した。


「「「おぉーー!」」」


 なにこれ凄い。

 止まれって言ったら止まったぞ!


「これが君の魔法の真髄。わかった?」

「おう。他には?」

「うーん……簡単に言うと、君の身体に宿る神気を媒介にして、魔法自体に干渉すると出来るんだよ。だから、相手が魔法ならなんでも可能」

「へー……」


 これは後で研究が必要だな。

 ワクワクドキドキ。


「さて。アレク君の次は君だ。メリアちゃん」

「私ですか?」

「うん。君の家族について」

「!?………はい」


 ………そう言えば、メリアってなんで奴隷落ちしたんだっけ?俺知らないよ?


「君の親を殺した男は、教会の審議に掛けられていて、現在投獄中だよ」

「………あの男が、ですか」

「うん。それと、君の妹は次期巫女として修行中だよ。君の跡を継ぐ為にね」

「…………」


 そんな重い過去があっただなんて……お兄さん泣いちゃう。


「まぁ、今度、アレク君と一緒に連れてって貰いなさい」

「………はい」

「なんで俺が?」

「君はメリアちゃんの所有者でしょ。当然の権利でしょー?」

「それもそうだな。納得」


 その後も話したそうだったが、長くなりそうだったし、昼飯の時間になったので、飯を挟んでから続きを始めることになった。

 ついでに、昼飯はハンバーグだったよ。

 メリアの腕はどんどん上がってます。


べ、別に書くのが面倒になって、持ち越しするんじゃないからね?

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