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魔王の兄は転生者  作者: 民折功利
第三章 特別生のお兄様
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氷心の魔女

最近の悲しかった出来事は

クラスメイトから勧められたゲームでのこと。

『アリーナ』というプレイヤー同士が全自動でバトルする闘技場で1000勝以上したのに

今朝、完敗して連勝記録が途切れたこと。


まだ80日しかやってないんだけどね。


 マールと荷物持ち(クロエラ)を連れて冒険に出た俺達『銀の翼(パーティ名)』は、ウラバラの森で希少な薬草を採取し終わったあと、マールの魔法を見ることになった。


「ん………アレクと比べると低いと思う」

「いや、基準が可笑しいから。あれとは比べちゃダメだから」

「何がダメだって?クロエラ君」

「全て?」

「…………そこまで言う?」


 少し心の精神バリアが抉られたが、気を取り直していきましょう。

 マールは《氷心の魔女》という異名通り、水魔法の上位互換、氷魔法を得意とするらしい。

 さて、お手並み拝見といきますか。


「……《フリーズ・プリズン》」


 手に持った魔導具である青い宝石のついた杖を持って、詠唱。

 魔法が発動し、宝石から放たれたのは氷の吐息。空気を冷やし、大地を凍らせられる。

 空中には氷が枝のように生え、一瞬にして目の前は銀世界へと生まれ変わった。

 ………生態系を簡単にぶち壊せるやん。

 てか、謙遜しすぎやろ。この娘。


「……こんな感じ」


 魔法を撃てたのが嬉しかったのか、少しだけ頬を赤くして振り向くマール。無表情だけど。

 冷気が後方にいる俺達にも届き、クロエラとメリアは腕を摩り始めた。

 ………ニーファは神竜だから兎も角、冒険装備として黒衣を着てきて良かった。

 これが有ると無いとじゃ、気候の変化についてけないからな。


「………こんなに寒くなるんだね、氷魔法って」

「凄いですね……」

「うむ。この若さでこれは凄いぞ」

「拍手喝采。褒めたるわ」

「ん………」


 四人で褒め称えると、嬉しそうに頬が歪んだのを俺達は見逃さず、顔を合わせる。


「……笑ったね?」

「笑ったの」

「笑いましたね」

「笑えるんじゃん」

「ん………恥ずかしい」


 これ以上弄ると虐めに発展して酷いことになるから(経験談)、ここらでやめとこう。

 まぁ、マールが笑えたってことで良し。


「よし、んじゃ帰るか」

「え!?ボクの魔法は見てくれないの?」

「お前のは魔法じゃなくて魔法学だろう。使うのは全部ミラクル兵器じゃねぇか」

「それを世界は魔法と……「言わねぇよ」……はい」


 クロエラを黙らせた後、マールに凍らせた大地を元に戻すように指示を出すが……


「……ごめん、無理。解凍の魔法は使えるけど、この規模は無理」

「要練習だな、それは………ニーファ」

「仕方ないのぉ」


 ニーファに頼んで、目の前の銀世界を破壊してもらう。多分だけど、被害の方がデカイな。

 え?何故頼んだかって?

 嫁さんが魔法撃ってる所見たいやん?


「……《竜の息吹(ドラゴンブレス)》」


 口元に現れた魔法陣から極太の破壊光線が発射され、銀世界は粉微塵となり、燃え盛る大地と………


「って、やりすぎじゃボケ!なんでドラゴンパワー全開で撃ってんだよ!?」

「いや、じゃってアレクが撃っていて我が撃たないのも可笑しいじゃろ!?」

「流石にこの魔法はねぇよ!!………あ、繊細な魔法使えない、または苦手けぇ女子?」

「………サテ、ナンノコトジャロウナ」

「片言ですよー。おーい」


「………2人は仲良し?」

「まぁ、婚約してるらしいしな」

「………婚約?夫婦?」

「なんか言ってたぞ……って、マールちゃんは居なかったんだな」

「うん………研究会の将来も安泰?」

「いや、違うと思うよ?」

「何故そんな言葉が……?」

「え?職場を引き継がせる為……?って本に」


 ニーファと燃え盛る大地の前で会話を広げる俺達は、マールが頓珍漢なこと言ってたので注意。


「マール、君には後で常識を教えるから」

「え?………知ってるけど?」

「本で学んだことだけだろう?世を渡ってきた俺が教えてやるから、な?」

「…………わかった」


 まぁ、そんなこと言ってるが前世が前世なのでメリア監修の元だが。


 今日も僕らパーティは元気です。


 オマケが2人居るけれども。



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