禁忌の凶刃
二話続けて投稿だぞ!
前話を読んでない人は先に呼んでね。
いやー、5時間ぐらい執筆にかかった気がする。
燃え盛る刀と天を裁く大剣が打ち合い続ける。黒き炎を避けながら、一太刀喰らえばタダでは置かぬ大剣を潜り抜けながら、武器を振るう振るう振るう─────
斬撃が当たった箇所から漏れでる血。血。血。
ここまで攻撃が当たって、痛い思いをするのは初めてかもしれないと錯覚する程、二人は数時間にわたる剣戟を繰り返していた。
「はぁっ!!」
ニーファの振るう天罪紫刀が唐竹割りの如く俺を切ろうとするが、寸前の所で回避。
しかし、回避しきれなかったのか、俺の首の皮1枚が切られ、出血する。
それをお構い無しに、攻防戦は繰り広げられる。
「ふぅ…《獄紋刀・第一紋》!」
獄紋刀の紋を開き、物質化した黒煙を吐き出しながら刀を振るい、天罪紫刀を掴む!
実態を持つ黒煙によって大剣は動かせず、ニーファは力づくで抜こうとする。
そんなことされれば、無抵抗と言ってもいい程、簡単に抜けてしまうだろう。だから。
「くっ……」
「はぉ!《紫電招雷》っ!」
黒煙の上を、中をなぞりながら、ニーファの体に向かって紫の雷が踊る。
しかし。
「ふっ!《封竜結界》!」
今まで聞いたことも無い新手の結界を発動し、青透明の膜が広がり、ニーファを、刀を、俺を通り過ぎた後に、紫電が散り、獄紋刀から煙が消える。
「……は?」
何が起こったのかわからない。
……あの結界が原因なのはわかるが……
「封竜結界。結界内部の魔素を消滅させ、発動中の魔法を使えなくする、魔法使い殺しの結界じゃ」
「え、やばくね」
ガチで殺しに来てるやん。いやまぁ、冗談とは思ってなかったけれども。
「まぁ…我も魔法を使えんが……魔法以外の攻撃ならできる」
そう言って、大きく開いたニーファの口に集まる光。十分に集まった光が、ニーファの口前から放たれ………武器で防げない程の範囲で、俺を消し炭に仕掛ける。
そう、本来なら。
「《四方障壁》《重厚結界》っ!!」
「なっ!?魔法じゃと!?」
四方を囲む四角の障壁と、強度を上げる結界の重ねがけをして、難を凌ぐ。
数秒後、光が止み、ニーファの驚き訝しむ姿が見えた。
「……どういうことじゃ?《封竜結界》の中では魔法の使用は不可能……それは全生物共通のはず………アレク、何をした?」
「え、これ」
ニーファの封竜結界を解決したのが、魔王国を出る時に骨董屋で買った物の一つ。
妨害の宝珠。
簡潔にいえば、魔法が使えない世界でも使えるようになっちゃう、魔法使い殺し殺しである。………ちょっと違うか?
「そんな魔導具があるとはのぉ……まったく。お主は予想の斜め上を行く」
「それは褒め言葉として……受け取っとくよ!《千種散爆》!!」
魔法を使うと同時に、俺の周囲一帯……
封竜結界内を埋め尽くす、千を超える火種が広がり………起爆!
ガッシャァーーーンッ!!!
ガラスが割れるような音と共に、結界が消滅する。本来なら、結界を壊さないように上手く立ち回って、ニーファに魔法行使をさせないのが適切なのだろうが……俺の目的は、全力のコイツと戦うこと。それに、任意で消せるだろしな。
さらなる崩壊を始める洞窟内を飛び、ニーファの上をとる。
「ふぅぅ………《神竜の息吹》」
天井に向かって放たれたドラゴンの代名詞とも言えるブレスは、洞窟の屋根を突き破り、山を崩壊させ、穴の空いた元密室空間が。
すでに見る影もない。
………そこから見える夜景は、とても美しく幻想的なのだが、地上で絶賛勃発中の殺し合いの前ではタダのステージにしかならなかった。
「うわぁ………避けて良かった」
転移で場所をずらしたから良かったものの、反応が遅れていたら既に死んでいただろう。
「よし……この広さなら十分かの?」
そう言ってニーファは、両腕を地面につけ、全身の魔力を高速循環させる。
そして。ニーファの全身を銀の光が覆い……世界最強種の姿へとなり変わる。
『ふぅー……この姿も久しいのぉ……さて』
神竜ニールファリス。彼女の言葉を信じるなら、まだ種族進化をしていない。所謂、ポケ○ンの最初の三匹の時点で最強ってことだ。
そんな怪物が、真の姿で崩落した洞窟を背に、地面に降りた俺を睨む。
「やっと、やっとその姿になったか」
『うむ。……アレクよ。昔お主に負けたのは……』
「わかってるよ。こっからが本気、だよな?」
『あぁ……』
俺はまず、全身に魔力を循環させ、身体強化を行い、いつでも動けるようにする。
そして、目に魔力を通すことで、神竜の恐ろしさを実感出来た。
その身に宿す収まりきれない膨大な魔力が、体から滲み出ている。
「………っ!?」
俺は咄嗟に、空気中を漂う魔素の動きを見て危機を察知し、上に飛ぶ。
瞬間、俺の居た場所が何かに押しつぶされたように圧縮される。
「相変わらずヤバい技だな……」
正式名称は無いらしいが、空気を圧縮させて対象を潰す、言うならば真空圧縮術。目を強化し、脚力と翼力も強化されたおかげで逃げることが出来た。
そして、空中、夜空に出たということは……
「空中戦!」
空高く、雲を突き破る高さを持つ霊峰を飛び越える為に翼をはためかせる。
それに追尾するように、動き出す神竜に向かって、魔神杖を構える。
「《破砕瀑布》!」
俺の周囲────空を飛んでいる故に、既に俺の下に位置するが────そこから虚空の裂け目が生まれ、そこから大量な魔力を含んだ水が地上に向けて放たれる。その名の通り、地を刳り、砕きながら、神竜を襲う大瀑布。
『………この程度……スウゥゥゥゥゥーーーーー』
膨大な水に飲まれてもなお、空を見上げ、口を広げ、龍の鼻前に魔法陣を展開する。
『《破壊光線》!!』
文字通りの威力を持つ殺戮のビームが、瀑布を打ち破って空を撃ち抜く。
「《滅却大砲》《波動之砲》《星淵魔砲》……を撃つ前に……っと!はぁぁ……!《禁忌:インドラの矢》!」
今まで使ってきた広範囲殲滅砲台系魔法を同時に撃ち出し、その3つを合成させることによって使える禁忌の魔法。使う魔力量はいつもの千倍。全力と言っても過言ではない一撃。
一筋の紅き極太の雷が、神竜の破壊光線を向かい撃つ。
それは、天と地を割く……と言っても語弊が無いレベルの正面衝突。
拮抗状態。生物最強種の力と、禁忌最強種の力。2つの最強がぶつかり合い、その振動と余波で大地は抉れ、天は荒れ、魔素が乱れる。
夜の空を照らす破壊の力は、万物を揺るがす。
その余波は魔都にまで広がり、魔導機械の故障や魔獣の出現が増え、大混乱を招くのだが、次期魔王ユーメリアの敏腕によって収められるのは別の話。
「くっ……うおっ!」
『ぐぅ……』
俺は爆風で吹き飛ばされた雲の上を超えて更に上空に飛ばされる。
やがて2つの破壊の権化は終わりを告げ、一時の平穏が流れる。
ゴォウッ!!
気付けば、既に神竜は俺の目の前まで飛び上がってきており、言わば最終ラウンドに入ったも同然だった。
「……アレでも、俺の全力なんだが?……流石、俺を殺そうとする神竜様だな」
『………その若さで禁忌を使えるのは流石じゃ……』
「その若い子を殺そうとしてんのはどこのドイツかな?」
『………次で終わりにするぞ。アレク』
神竜は終わりを宣言して、龍の手を合わせる。
『■■■■■■■■■■■────!!』
およそ、人型の生物では理解できない言語。
高い知能を持ったドラゴン……古代竜が扱う世界最古の言語を使った、『竜言語魔法』。
その力は、世界に干渉し、世界を書き換える最強の魔法であり、古代竜の特権。
神竜の身体を守るように結界が貼られ、その結界外側から紅く点滅する魔法陣が無数に展開される。それは熱を帯びており、後方に避難しながら魔力を練っているのにも関わらず、その熱波は届いている。
そして、灼熱の魔法陣から、ゴウン…ゴウン…と音が鳴り始め、低い音から高い音へと変化していく。
さらに、全ての魔法陣が紅い輝きを最高潮にした瞬間───────っ!!
『《グラウンド・ゼロ・フィナーレ》!!』
全魔法陣から、無差別に紅い閃光が放たれる。
その魔法は、破壊の力。
竜言語魔法の中でも、脅威の威力を持つ世界を焼く魔法。
言ってしまうならば、《核兵器》を魔法で数百倍に強くした禁忌。
「なっ……!?」
龍泉霊峰は焼け爛れ、その周辺……魔族の町村が無いのが幸いだったが、霊峰周辺は多大な被害を受ける。
そして、俺はその核攻撃から身を逸らすために、魔法を発動しようとする。
が。
今まで線状に、頑張れば避けれるレベル───と言っても、常人なら避けられない極太サイズ───だったのが、全視界を埋め尽くすレベルの、既に光線とは言えないレベルに達していた。
「…………オワタ\(^o^)/」
その時の俺は、オワタな顔をして生涯を閉じ─────────────…………
「るわけがないんだよなぁ!!!?」
どうする?どうする?どうする?
喰らった瞬間、ゲームオーバー、即死、終わり。
コンティニューなんて存在しねぇ!
あるんだったら、ゾンビ戦法使ってたのに!
極限状態で混乱した頭をフル回転させながら、刻一刻と迫る死を凌ぐために後方へと下がる下がる。
そして、寸でで考えを纏め、最後とも言える大博打を始める。
…………一か八か。成功するか失敗するかは俺次第。さっきの禁忌魔法で魔力ほとんど失ったが、まだなんとかなる!
魔族の強靭な体と再生力に賭ける!
その賭けとは──────
「俺の知りゆる全ての禁忌を使って………あわよくば神竜を、ニーファを倒す!」
そして、極限まで練り上げて、ポーションや魔導具で回復させた魔力の全てを注ぎ込む。
「《インドラの矢》!《メギドの火》!《奈落の星の裁き》!《完全なる絶対零度》!《メビウスの輪》!────────以下略、禁忌即興開発魔法 《パンデミック・エンドゲーム》!!」
アレクの持つ数十の禁忌魔法。その全てを同時に発動し、一撃に込めた混沌の禁忌。
その身に宿る全魔力と周囲の全魔素を犠牲として生み出された魔法。
《パンデミック・エンドゲーム》
紅雷が。緑炎が。墜星が。獄氷が。時空が。
どれもが一撃必殺の即死の禁忌。その全てが混ざりあって、調和することなく存在する、暗黒の球体。
それがこの即興禁忌。
暗黒球は、アレクの前に立ちはだかり降り注ぐ神竜の魔法を吸収し、強奪し、力に還元する。
『なにっ……!? アレク!何をしている!』
この魔法に驚愕したのか、表情が読みづらい龍形態でもわかる狼狽えよう。
まぁ、暗黒球が目の前にある為、アレク本人はその姿は見えないのだが。
殺そうとしてんのか、死ぬのに心配してんのか、全く持ってわからん。
「安心しろ、ニーファ。死にはしねぇよ」
俺は、全身の脱力感と激痛に耐えながら、混沌を動かす。前に前に。
「二人そろって、死にかけを目指すだけだ!!」
言葉と共に、勢いをつけて、野球ボールを投げるような動作で混沌を放つ!
数秒後、神竜に接敵した混沌を、彼女は避けることなく、何を思ったのかただ見ていた。
一瞬。混沌が光を放つと、その全身から虹色の光を放ち、世界を染め上げる。
夜の世界を、明るく照らし、染め上げる。
そして、光が全てを覆った時には……………
霊峰跡地の上空は。
何ものにも染まらない虚無が支配しているのだった。
そして。
人生最大最強の禁忌魔法は………混沌と化した世界の幕開けと呼べる結果を引き起こす。
◆とある魔族の王国にて
「観測不能の魔力の膨れ上がりを確認!」
「急げ!国民全員の避難を!!」
「りゅ、龍泉霊峰の消滅を従魔が確認!」
「被害地域の住民の避難、終わりました!」
王城の観測室に飛び交う怒号。
それは、近所……ほど近くはないが、辺境の霊峰で起きている大災害の対応で荒れていた。
「……………霊峰が消えた、か」
声を発するのは、壮年の魔族の王。
「お父様、確かあの山は……」
心配そうに声を上げる、黒髪の少女。
「…………先程、息子の魔力を感じた」
「えっ!?そんなまさか!?」
魔王、シルヴァトスは目を細め、窓からその地を見つめる。
「………兄様、どうかご無事で」
天賦の才能を持つ次期魔王、ユーメリアは悲痛な顔で、父と同じ風景を見て、目を瞑った。
◆どこかの太陽の王国にて
「陛下…………この現象は……」
「うむ」
王座に腰掛け、思案する王と宰相。
「先程の魔王国からの言葉、何処までが真実でしょうか?」
その言葉とは、世界同盟を結んでいる国々があ互いの情報を共有できる魔導具によって届けられた伝令のようなものだ。
その内容は、『イビラディル大陸の秘境、龍泉霊峰────ニールファリスの山にて、大災害が発生中。現在、終息の経過待ちである』と。
(ニールファリスの山。そこで起きる災害など、我ら人族でも、魔族でもどうしようもないだろう………やはり静観、いや、待つしかないのか……)
それでも、大国の王としてヘルアーク王国の獅子王ハイリッヒは、自国の民を、人族の事を第一優先に思考をめぐらせるのだった。
◆とある獣人の王国にて
「神竜の住む聖域で大災害ねぇ………」
城を突き抜けるように聳え立つ尖塔に腰掛ける1人の獅子。
王族が立つ場所ではないそこに、彼は──────獣王は立っていた。
「……もし、我が王国になんかあったら………俺自身の拳で解決してやる!」
獰猛な肉食獣の笑顔でそう叫ぶのだった。
◆とある精霊の楽園にて
「…………四堕神が蘇った上に、この大災害。君はどう思うかな?エルフの王」
「精霊王様、妾は族長でございます。エルフに王などおりませぬわ」
世界樹の根元で、酒を酌み交わす2人の人物。
片方は蝶のような透けた美羽の生えた女性。
片方は美を極めた肉体を持つエルフの女性。
「……変わらないことだと思うのだけれども……
まぁ、いいや」
「………………ゴホン。精霊王様、これから世界はどうなるのでしょうか?」
「さぁ?あの戦乱の時代を生きた私が言えることは………世界を変えるのは、今を生きる人だという事だよ」
◆とある中心の都市にて
世界同盟本部が、魔大陸で現状起きている災害に頭を悩ませ、様々な準備をしている中、学園の特別生寮は騒がしかった。
ニーファの放った竜言語魔法と、アレクの放った混沌の禁忌の光で、夜空は昼と見間違えるほど明るいのが原因の一つだ。
だが、最もたる原因というのは……
「うおーー!!調べたい!あの光の原因を今すぐ調べたいぃーー!!」
クロエラの暴走である。
すでに全員から無視されているほど、お約束扱いされてしまっている。
無論、全員が寮の外に出てその景色を見ている訳では無い。
連れてきた従者に引きとどめられている王侯貴族や、既に眠ってしまっていて気づいていない脳筋娘……うん、などがいるからだ。
それても。彼等の従者とペット達は空を眺める。
うさ耳を揺らし、照らされた夜景を見るメリアは、日が変わっても帰ってこない主人を心配していた。
だが、確信して言えることがあった。
この現象に、主様とニーファ様が関わっているということを。
いつになっても帰ってこない、《念話》にも反応がない。
そして、彼等の従者を務めた経験での、推測は、完全に辺りの領域だった。
「………帰ってきたら、しっかりご飯を用意します。だから………ちゃんと戻ってきてくださいね」
幼天使と三匹のスライムを連れて、奴隷巫女は空を眺め続けた。
◆とある神々の領域にて
「ちょおい!?僕らのアレク君とニーファちゃんが殺り合ってるよォ!?」
「お、落ち着いて下さい!夜天神様!」
「いやもうこれ、終末じゃん!アレク君は何をしているのかな!?死んじゃうよ!?」
下界を見守っていた夜の女神は、盛大に焦り、側近である天使の言葉も耳に届いていなかった。
「やばい!何とかて命は助けないと!今後に支障が出ちゃう!?あの二人は1番死んじゃダメなのに!!」
残業サービス旺盛な黒企業に務めているかのように、夜天神を含めた神々が慌てるのだった。
◆\(^o^)/させた乙女ニーファ
瓦礫に埋もれた大地の上に。
綺麗に開けた場所が存在していた。
その場にある2つの重なる人影。
「…………我の完敗、じゃな」
全身がボロボロで、傷付いたニーファが、自分よりも怪我の激しく、目を覚まさないアレクを腿に乗せていた。
しかしその2人の傷は、時間が経つにつれて癒されていくかのように、再生していた。
今回の殺し合いで残った魔力を行使して、ゆっくりと回復魔法をかけているだけだが。
そして、ニーファは思考する。
……最後の大技は、確実に我を殺す一撃だった。何千年と生きていて、初の。死を予感した力。
日は覚えていないが、我を生み出した父親とも言える神の言葉は、アレクと我を引き離すようなものだった。
『アレク=ルノワールを殺せ』
夢の中に現れて、自分では手を下さずに殺させる。いけ好かないやつだ。
しかも、我に殺せと?我がアレクを殺せるわけがなかろうて。
「………1度、好いた男を、殺せるほど我は強くなどない……」
もし、あの場でアレクを殺すなどと言わなければ、まだ平和に生きられただろうか?
だが、実行に移さなければ、我は奴に消されたのではないだろうか?
いや………アレクが奴に消さるのが怖かった。
自分の手から、大事なものを失うのが怖かった。
アレクは、我を拒絶するだろうか?
自分を殺そうとした女を、どう思うのか。
知りたいけれども。怖い。
何千年と生きてきて、初の感情。
我はここ数年、それに悶えてきた。
『あのなぁ!!なんか困ったら言え!仲間だろうが!!つか、俺を殺すだぁ!?やれるもんならやってみろ!!うじうじ悩んだままの女に、敗れちまうほど俺は弱くねぇからな!!』
決して綺麗な言葉ではなかった。
でも、節々に感じる優しさが。アレクの思いが、苦悩する我の心に突き刺さった。
それから数分間。
アレクが目を覚ますまで我は思考の海へと沈み……目が覚めたアレクに最初になんと声をかけようか悩むのだった。