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魔王の兄は転生者  作者: 民折功利
第三章 特別生のお兄様
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種族進化……え?

学生諸君、夏休みが始まりましたね。

今年の夏休みは長いらしいよ!やったね!


自分は休み明けの課題テストに向けて勉強だけ(・・)してるよ!!


……今、小説書いてるのは気の所為だよ。

 

 徹夜。


 ちょっと新しい魔法のバリエーションを考えていたら、いつのまにか日付が変わって、朝日が昇っていた。幸い、今日が休日だったのが良かった。


 寮の研究室から出て、俺の部屋に入る。

 朝に弱いニーファはベッド……しかも俺のベッドを占領している。

 プニエルも入っているのか、布団が不自然に大きくなっている。


「………ふむ」


 俺は少し思案した後、流石にベッドで寝たいので、爆睡しているニーファを少し横にずらし、ベッドに乗り、七割を手に入れる。


 ……そういや、メリアとスライム三匹がいない。


 確か、今日の朝は散歩に連れていったまま、従者同士のお茶会に参加するって言ってたな。

 …………寝ますか。


 ……………。

 …………………。

 ………………………。


 もぞもぞ。


 俺は布団の中で動く何かに気づかなかった。








 昼前。


 空腹感に苛まれて起き上がる。


「……ふぁ〜〜」


 ゆっくりと背伸びをして、ボーッと横を眺める。


 そこには、ベッドから倒れ落ちたニーファが、布団を剥ぎ取って寝ていた。

 寝相悪っ。


 もぞもぞ。


 ……………!?


 お腹の上で何かが動くのに気づく。


 なんだ?なんだ?なんだ?


 …………落ち着こう。一旦、落ち着こう。


 俺はゆっくりと視線を動かして……


「……すぅ……すぅ……」


 幼  女  が  い  た


 幼児特有のぷにぷにの肌に、柔らかそうなショートぐらいの金髪。白いミニワンピを着た幼女。


「むぅ……なんで落ちとるんじゃぁ……む? どうした、アレ、…ク……っ!?!?!?!?」


 起き上がったニーファも面白い反応をしてくれるが………どう言うことですか?理解不能すぎて逆に冷静になってきた。逆に。逆にね。


「……ご、ごほん。………アレク、まさか…」

「何を想像しているのかは知らんが、俺も目が覚めて直ぐでわかってない。断じて拾ったり攫ったりしてきたわけではない。……はずだ」

「自分の発言に自信を持て!?」


「…んぅー?」


 俺とニーファの楽しい言い合いで目覚めたのか、俺の腹の上で目を擦る幼女。


「「………………」」


「んにゅ?………マシタ!」


 嬉しそうに抱き付いてくる幼女。可愛いは正義だね!って、現実逃避はいかん。

 ……ん?マシタ?


 よぉーくこの子の魔力を見てみる。

 すると、俺と繋がり的な何かを感じた。

 それをニーファも感じ取ったのか、二人で顔を見合わせ、幼女を見やる。


「「……プニエル???」」


 超疑問形で聞く俺達に向かって……


「あい!」


 元気に手をあげて、満面の笑みを浮かべる幼女の正体は……プニエルだった。






「んー……なんで?なんで人型になったの?プニエルはスライムだよな?」

「わんない!」

「わんない?………わかんない、かの?」

「てか、念話を使わずに話すのは初めてじゃね?」

「はちめて!」


 人型幼女になったプニエルと楽しくお話中。

 念話だと流暢に話せるが、初めて口を開けて喋ると、なんか拙い。けど可愛い。


「……種族進化かのぉ?」

「しゅぞくしんか?」

「うむ。種族進化とは、その名の通り生物が一定の条件を満たした場合、体が作り変わって新たなる存在になる……的なやつじゃ。うちで飼っておるスライム三匹も同じように、普通のスライムから種族進化しておるぞ」


 つまり、ポケ○ンのやつか。


「エンジェルスライムの時点で進化してんじゃね?」

「むっ………いや、どうなんじゃろ?そういえば何処でプニエルを手に入れたんじゃ?」


「え?………うら、えーと、ウラバラの森、だったっけ?」

「わんなーい!」


「いや、覚えとれ……初めてあった場所ぐらい」


 そんなツッコミされてもなぁ……うーん。


「俺とかニーファが魔力をおやつ代わりにあげてたからとかじゃないよな?」

「…………可能性はなくも無い」


 神竜のすんごい魔力と転生者で、神力があるとか無いとか、どっかの亀の仙人が言ってた俺の魔力のどっちかを、毎日のように食べていたプニエル。

 魔物は、別に物体としたの食料を食べずに、魔力を食べて生活出来るものもいる。

 普通のスライムだと、雑食=何かを食べなきゃなんだけど………

 昔読んだ、モンスター図鑑に載ってた伝承で、

『エンジェルスライムは何も食べずに、人々に救いを与えた』

 とか書いてあったから、空気中の魔素を取り込んでいるのでは?と思い、俺の魔力を与えていたのがキッカケ。それをニーファが我もやる!って駄々こねたのが始まり。


「まぁ、我も種族進化してないからのぉ……」

「え?」

「え?」

「え?……神竜の時点で最強種なのに?」

「え、あ、うむ。まぁ、そういうこともある」


 悶々としながら、隣同士に座っている俺達の間にちょこんと座るプニエルは、楽しそうにニコニコしていた。





 その後、戻ってきたメリアとスライム三匹が驚いて、プニエルがもみくちゃにされたのは言うまでもない。


 そして、デミエルとウェパルが期待するかのように俺とニーファに魔力をねだり始めた。


 それとメリア。獣人の君は種族進化しないと思うよ。多分。一生ピンク髪の兎人だよ。多分。


 エノムルは気にせず日向でのんびりしているが………ニーファがたまに寝てる時に、制御を忘れてダダ漏れにしたままの魔力を常時吸ってんじゃね?あれ?ちゃっかりさん?


 ……うん、気にしない方向性で。






 ◆雲の上にいる姉妹


『エンジェルスライム(個体名:プニエル)が、種族進化しました。進化後の種族名はリトルエンジェルです』


「お?……え、あのスライム進化したの?早くね?まじ?」

「……どうしたの?アンテラ」

「いや、姉さん……アレク君にプレゼントする目的で下界に落とした結果、やばい森に落ちて瀕死になってたところを運良く現れたアレク君に救われて結果オーライになったエンジェルスライムが種族進化して幼女になった」

「………聞きたいことはたくさんありますが、スライムが幼女になったんですか?」


 雲の上で、ちょっとしくじったテヘと話す黒髪の女と、超訝しんでいる金髪の女の美人姉妹。

 黒髪の女は、下界の様子を写す水鏡のような物を指差す。その先には、完全に人間の姿を持ったスライムが。


「………幼女ですね」

「幼女だね。お持ち帰りしていい?」

「仮にも神族であるのに、攫うのはちょっと…」


 仕事を抜け出してこっそり雲の上に陣取っていた女神と、回収する為に来た女神は、一匹のスライムの進化に戸惑っていた。


「まぁ、ただのエンジェルスライムじゃなかったんだけどね?」

「そうだったのですか?」

「うん。自然発生の個体じゃなくて、私が真心と愛を込めて生み出した個体」

「えっと……神造生物、ということですか?」


「うーん。そうなるかな?」

「あ、そうだ。早く仕事に戻りますよ。彼等の封印も解けちゃたんですし」

「えー……なんで復活してんの、あの四人…」


 最高神である姉妹女神、ソレイユとアンテラは四堕神対抗の為に着々と準備を始めるのだった。



第2章、登場人物紹介のフラグ回収!


みんな、Bボタン連打したことある?

DSのポケ○ンで。進化させたくない時ってない?いや、ないか。


俺は何も考えずに進化させてたけど、可愛いのが可愛くなくなったのが、一番辛かった。


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