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魔王の兄は転生者  作者: 民折功利
第三章 特別生のお兄様
100/307

狭間:動き出す柱

100話目来たね。

でも、今回は短め。


そういえば、今日期末考査が終わった。やったね。


2020/07/12、所々変更

 

 どこか遠く、人の認知せぬ場所に。

 4つの柱が埋まっている。


 幾千時を経て、柱は目覚める。


 さすれば、世界の歯車は狂い、外れて。


 滅びの一途を辿り始めるだろう…………





 ◆???


 辺り一面が闇に包まれ、星が散りまかれし世界。


 地も天も無く。方向すらも無い。


 そんな場所に一人の男が姿を現わす。


 背が高く、一見して優男だ。ゆったりとした白い服に腰布を巻きつけており、流れるように輝く金の髪は腰に届いていた。

 しかし、彼から発せられる形容し難い力は明らかに常軌を逸脱している。


「…………………さて、気分はどうかな?」


 青年が足元に向かって呼びかけると、そこから3つの塊が浮き上がってくる。

 それらが青年と同じ目線に来ると、塊は弾け飛び、人型を形成する。


 現れたのは、三人の存在。


「…………最悪だね」


 返事を返したのは、小柄な少女の姿をしたもの。

 金の髪を肩で切り揃え、真紅の軍服を着ていて、腰には漆黒の剣を刺している。


「……まぁ、そう言うでない。目覚めたのなら良しとしようではないか」


 次に出てきたのが、骸骨の意匠が施された漆黒の鎧を身に纏う、魔族のような黒髪の男。


「対象ノ識別ヲ開始……………父ナル神ト認識」


 片言で喋るのは、全身が異界の技術、いわば機械と呼ばれるもので構成された異質な人形。


「おはよう、我が子たちよ。封印が解かれたよ」


 青年は微笑で三人に語りかける。


「あれから三千年の時が経った。神に逆らったら愚か者たちは、今も尚、(やつがれ)が愛する世界を蝕んでいる………」


「故に」


「また下界に降りようとは思わないかい?」


 青年の語り口を聞き、三人は答える。


「そうだねぇ……私の国は滅んじゃったみたいだけど……あ、部下は私と一緒に封印されてたっぽいから大丈夫かな……?いやでも……」


 少女は足元に広がる宇宙を凝視する。


「我は構いませぬが……我が一族、子孫次第ではありますな」


 魔族は腕を組んだまま、返答する。


「情報ヲ精査中……AS機関ノ異常ハ無シ……………異常箇所ヲ発見……ASエネルギーノ不足ヲ確認。理論純水槽内ノ貯蓄量ガ全体ノ約三割……不足ト断定………身体修理期間ヲ設ケル事ヲ推奨スル」


「……このポンコツは暫く動けそうにないね」


 人形は無数の機械音を鳴らしながら、自身の体を調べている。


「………では、下界の様子をまずは見ようか」


 青年が右手を弧を描くように回したら、その場に水球が現れ、水が流れるように鏡のように姿を変える。


 そこに映るのは、下界…………フォルタジアの風景。

 三千年の前とは違い、栄え、平和を維持する世界。


「……戦争は無いの?ふーん」

「世界平和だと……そんなのが維持できる訳が無いであろうに……」

「…機械技術ノ発展ヲ確認……」


 画面に食い入る三人を見守りながら、


「さて…………」


 青年は歩を進める。

 しかし、すぐに立ち止まって上を見上げる。


「彼女らは、王の座を取った気分なのかな?………まぁ、良いかな」


 瞳に映るのは、二人の姉妹女神。


「どうやら我々の事は、地上で『堕神』などと呼ばれているらしい………崇高な目的を持つ我等をその名で呼ぶのは、罪だ」


 三人は、青年の話に耳を傾ける。


「ならば。この世界の父として。罪に蝕まれし世界を正そうでは無いか」


 世界を混乱の渦に突き落とそうと、四人の神が蘇ったのだった。







「あ、さっきも言ったけど直ぐには動けないし、君らと協力する気も無いから、そこんとこ宜しく。私ってば忙しいから」

「貴殿には恩義はあるが、我は我の信念のもと動くだけだ」

「………任務続行ノ『プログラム』ヲ承認……全機能ガ改善サレテカラ行動スル事ヲ推奨スル」


「まぁ、好きにするが良いさ。今は時期じゃ無いしね…………そう、今は、ね」


 青年―――――天父神ファルスガイアは、神の美貌を、歪ませ笑うのだった。




四堕神を一応登場させたけど、本格的な活動は遥か先のお話。


ただし、ネタバレ。

名前が出たパパの神は、今作のラスボスの予定です。


多分。きっと。

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