ep.1 現実
この作品によって起きたトラブル、事故などは作者は一切の責任を負いかねますので、この作品を読む際は自己責任でよろしくお願いします。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「幸せなんかじゃなくていい。
もっと、平凡な人生を過ごしたかった。」
朝起きて、学校に行き、授業を受け、家に帰り、眠ったらまた学校…
毎日繰り返される、何もない、平凡な日々…
そんな人生を人はつまらないと言う。それははたして本当につまらないのだろうか?もしかしたら、本当につまらないのかもしれない。何か、変化があった方がいいと言う人もいるかもしれない。でも、、、私に言わせれば、そんなことを考えたり望んだりできるということは、その人たちはきっと幸せなんだと思う。幸せなのが当たり前すぎて、自分は幸せだということに気づかない…いや、気づけない。そんな人たちを、私はずっと見てきた。
学校という空間は恐ろしいもので、"生け贄"というモノが必要になる。しかも、その生け贄というモノのは不意に決まり、最初は戸惑うモノもいるが時間が経てば次第にそれも消えていく。助けを求めようにも、もうそれが当たり前のようになっていて
(私はもうあっちの世界に戻ることはできないんじゃないか)
と、イヤな思考が異様に脳内を駆け回る。
『心の弱いヤツが自殺なんてするんだ!
自分にしっかりとした芯があればそんなこと考えもしない!』
私も最初はそう思っていたよ。でも、月日がたつにつれて小さな火種が出来上がる。
(あれ?もしかしたら、死んだ方が楽になるんじゃ…)
最初の火種なんて、別にホントに火がつけばいいなと思って作ったんじゃない。でも、その火種は私の意識とは反対にいろんなところに燃え移り、次第に私はその火の消し方がわからなくなる…
火の消し方を忘れた私、、、そんな私にも、まだ楽しみは残っていた。
それが私の最後の命綱かもしれない。
でも、私は知らない。
知ってはいけない。
これは、ホントは火の燃料であったことなんて…
ちなみに、私の唯一の楽しみというのは"夢"だ。
"夢"といっても『将来の~』とか『私は消防士になることが~』とか、そっちの方ではなく寝て見る"夢"のことだ。夢というのはすごくいい、楽しい夢、怖い夢、少し不思議な夢…色んな世界を体験することができる。それなのに、朝起きて数秒経てば大抵の夢は忘れてしまうのはなんだか切ない…。
それでも、私は夢には希望を持てた。そしてある日、私は思い付いてしまった。
(もしかしたら、現実よりも夢の方が私は幸せなんじゃないか?)